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夏の終わりの風物詩

「夏休みが終わるので引きこもります」


 幼馴染の香苗は僕にそう宣言した。


「私は確信しました。人生に必要なものはネットとポテチにコーラであることを」


 熱く人生のインフラを語る彼女は、つまり学校に行きたくないらしい。


「じゃあもう一緒に登校はできないな」


 僕が言うと彼女の耳がピクリと動く。


「そう残念がるなら再考の余地はあります……ただ」


 彼女が上目遣いに僕を見る。


「宿題見せて」


 この茶番が始まって今年で五年になる。

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