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兄ちゃんの彼女
公園のすべり台の上で、兄ちゃんの彼女はボクの背中にもたれながら、空にむかって無言でタバコをふかしていた。
「ねえ」
冬晴れの空に流れるタバコの煙が、ボクの胸を苦しくさせる。
「ボクは兄ちゃんじゃない」
それは兄ちゃんが事故で突然死んだからだ。だからボクも彼女もこの冬の空みたいになっていた。
「知ってる」
彼女の背中が重く寄りかかる。
ボクは兄ちゃんじゃない。
なのにボクは、この背中を押し返すことができないでいる。
公園のすべり台の上で、兄ちゃんの彼女はボクの背中にもたれながら、空にむかって無言でタバコをふかしていた。
「ねえ」
冬晴れの空に流れるタバコの煙が、ボクの胸を苦しくさせる。
「ボクは兄ちゃんじゃない」
それは兄ちゃんが事故で突然死んだからだ。だからボクも彼女もこの冬の空みたいになっていた。
「知ってる」
彼女の背中が重く寄りかかる。
ボクは兄ちゃんじゃない。
なのにボクは、この背中を押し返すことができないでいる。
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