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手を握って

「手」


 下校の道で美月は突然そう言って、あたしに白い手を伸ばす。


「握って」


 言葉のままにあたしは彼女の手を握り、そのひやりとした感触から生まれた感情に思わず目を背けた。


「怖い?」


 そんなあたしを見透かすように美月の顔が近づいて、あたしの頬に吐息をかける。


「だから手を繋ぐの」


 ぐっと握られた手の感触が、じわりとあたしの熱に馴染んでいく。


「怖い?」


 繰り返す質問に、あたしは美月の手を握り続けるしかできなかった。

6月25日は百合の日だったそうなので、百合を書いてみた。

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