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花筏

 桜の花の筏の上に死体を浮かべる。

 黒い振袖を着た少女の死体だ。

 風に散る桜吹雪に埋まった運河の水面に少女の死体はゆらゆら浮かび、広がる黒髪と黒振袖が春の陽光の中をゆっくりと流れた。

 開かぬ眼は何も語らず、穢れを知らない少女の純白の顔が、やがて花びらの下に沈む。

 少女の死体を呑み込んだ桜の筏は妖しく艶かしい色で、穏やかな春にたゆたう。

 そんな少女の残滓もやがて消える。

 ああ、来年の花筏はどんな色に浮くのだろう。

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