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母の想いと子の決意 前

はい~皆さん~作者の桜花です。


今回は愛香との会話回です。


※PCがクラッシュ寸前なので、もしかしたら

 しばらく投稿が出来なくなるかもしれません...。

~夢幻遺跡~


愛夢視点


「落ち着いた?」


「はい…」


我ながら情けない…

母さんの胸の中で大泣きしてしまうなんて…!


俺が母さんの胸の中で泣いてから

だいたい5分くらい時間が経った。


そして今、俺は爆発でもしたかのように泣いた後

少しだけ落ち着き、後々から上がってくるようにして

恥ずかしさで一杯だった。


あぁ…俺にとっての黒歴史が出来てしまった…


そんなこんなで

俺がいろいろと後悔していると


「愛夢」


俺の名前を呼ぶ母さん。


「ん?」


「ごめんなさいね…」


母さんは、何故か俺に謝る。


俺は、母さんが何故謝るのかを聞いた。


「どうしたの母さん、急に謝るなんて…」


俺が、聞くように言うと


「母さんのせいで…愛夢を辛い思いをさせてしまって…」


と、辛さと悲しさを表したかの顔になって

謝る訳を言う母さん。


違う…母さんは悪くない

悪いのは母さんを殺した妖怪達だ!


俺は、辛そうな顔をする母さんを

和らげるように言う。


「母さんは悪くないよ、悪いのは母さんを殺した妖怪達だ」


俺は、そう言った後

母さんの顔を見る。


まだ、辛そうな顔をしている…。


「確かに、母さんが死んだあの日…、俺は周りが見えなくなって、自分も死んで母さんの後を追うなんて事も考えた」


誰の声も聞こえず

生きる意味を失ったかのように…。


「けど…そんな俺に、霊夢と紫さんは誰よりも傍に居てくれた」


二人は、あの時の俺に

毎日毎日、嫌ってなるほど声をかけてくれた。


そう言えば、紫さんは

冬眠する寸前まで、俺に話しかけてくれたなぁ…。


あの時、冬眠で限界だった紫さんは

俺の目の前で倒れて冬眠しましたっけ…。


今思い出すと、笑えてしまう事だった。


「だから母さんは何も悪くない、今の俺にとって大切な二人が居てくれますから」


俺がそう言い切ると


「そう」


クスッと笑って

それなりに笑顔を取り戻す母さん。


うん、やっぱり母さんは笑顔が一番似合う。


さて…

母さんに、またこうして会えた事は嬉しいけど…

俺には、本来の目的がある。


終わらせてしまうのは嫌だけど

いつまでも…未練がましく生きる訳にはいかないから。


「母さん」


俺は真剣な顔をして

母さんを呼ぶ。


母さんも、俺が何を言い出すのか

それがわかったのか、母さんも真剣な顔つきになる。


「俺さ…、純粋種として…目覚めつつあるんだ」


俺がそう言うと


「えぇ、知ってるわ、あの世で見てたから」


と、答える母さん。


見守ってくれてたんだな…。


「そっか…、まぁそれはいいとして、母さんはどうしたらいいと思う?」


「何を?」


「紫さんに言われたんだけど、純粋種は全ての者を導かないとダメなんだって…、けど…」


母さんは黙って、俺の話しを聞いた。


「あの日以来、俺は妖怪が憎くて憎くて仕方だないんだ…、そんな妖怪を俺は導かないとダメなんだ」


屈辱でもあり、認めたくない事でもある。


どうして自分がやらないとダメなのか…

どうして自分は純粋種として目覚めてしまったのか…。


いろいろと思った。


「どうしたらいいんだろうね…」


俺がここまで言うと、母さんは何も言わず

しばらく、無言の間となってしまう。


俺は母さんの返答を待った。


俺が母さんの返答を待っていると…


「愛夢、私を見なさい」


私を見なさいと、母さんが俺に言う。


下に向けていた顔を上げて

俺は母さんを見た。


そこに映った母さんの姿は…


「なっ…」


「ふふっ、驚いた?」


驚くに決まっている

まさか…。


「母さんもね…純粋種だったの」


稗田家で見た資料と、紫さんが教えてくれた姿と同じ。


目は独特の瞳孔に、黄色く

輝くような目。


変革者としての証拠である目を見せた。


だけどここでよく考えてほしい…

母さんが見せたのは変革者としての証拠だ。


純粋種ではない…

だが、母さんは自分で

私も純粋種だと言った。


もし、それが本当なら

純粋種なら、幻想郷は崩壊しているはずだ…

それぞれの条件が違うのか…?


俺は母さんに質問をした。


「母さん、聞きたい事があるんだけど…」


「ん?」


「母さんが本当に純粋種なら、母さんが死んだあの日…幻想郷が崩壊するはず何だけど…」


「え?」


どう言うこと?と首を傾げて

疑問を浮かべる母さん。


「俺、紫さんに言われたんだけど、俺が死んだら幻想郷が崩壊するって…」


「何それ…」


「え…」


「私は紫にそんな事言われなかったわよ?」


「…ッ」


嘘をついた…?紫さんが…?

どうして?何故に?


……


いや…、ここで考えてもしかたがない

日を改めて、本人に直接聞くとしよう。


何故嘘をついたのか…

俺がそう考えていると


「愛夢…、紫を恨まないであげて」


紫さんを恨まないでと言う母さん。


「えっ?」


「紫は、幻想郷を誰よりも愛しているから、きっと…必要な嘘を愛夢に言ったんだと思う」


「必要な…嘘?」


「そう…、愛夢を良い方向へと導かせる為の…、必要だった嘘」


「俺を導く為の嘘…」


紫さんがついた嘘が、俺にとって、幻想郷にとって

良い方向へと向かうかは、俺次第。


実際のとこ…俺はどうなんだ?


妖怪を憎んで、純粋種とか、幻想郷を導くとか

訳のわからない運命に翻弄されて、今に至る。


俺が死ねば幻想郷は崩壊するという

紫さんの嘘を信じて、俺は嫌々ながらも

純粋種になろうとした。


だが、この事が嘘とわかった以上

俺は、籠から出て、自由に飛び立つ事が出来る鳥と同じ…。


自分で決める必要がある…。


紫さんの嘘を信じ込んで、嫌々ながら変わるか

今まで通りに、妖怪を憎み続けながら生きるか

自分で変わる事を選ぶか…。


俺は…。





ちょっといい区切り方が見つからないので

前と後とで分けます。





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