解決編―物事ってのは深く考えたらダメなんだろうな―
俺「物が散乱してて、部屋の様子がよく分かんねぇよ…」
楢橋「確かに…」
旭丘「っていうかさ、風見、大丈夫な訳?」
相田「さぁ…」
松江「いくら頭が弱いって言っても…」
風見「…あ?なんで…ベッドに…?」
旭丘「え?」
俺「…何で?」
相田「風見君…生きてたの?」
風見「…いつ僕が死んだんだよ…」
楢橋「え…だって…松江君が…」
松江「…俺、風見が死んだなんて、一言もいってないけど?」
旭丘「だ、だって、これ、どう見ても…」
松江「…風見、お前、笠崎の課題、写そうと思っただろ」
俺・旭丘・楢橋・相田「…は?」
風見「あー…いやー…」
松江「しかもお前、ご丁寧に鍵までかけやがって」
風見「あー…ははは」
松江「どうせお前の事だから自分が笠崎のを写す事が知られたくなかったんだろ?」
風見「…まぁな」
俺「…えーっと…展開についていけないんですが」
風見「…あの課題、難しいだろ?僕一人じゃできないって思って…笠崎なら何でも出来るし写させてもらおうかと…」
俺「なんで松江に頼まなかったんだ?」
風見「頼んだよ!でも…自分でやれって断られてさー」
楢橋「…じゃあなんで笠崎君のを?」
風見「笠崎に言ったらまた断られるって思ってさ。それなら笠崎のいないうちに課題を写そうかと…」
俺「…あー…だから俺が帰って来た時、笠崎がいつ帰ってくるかを聞いたんだな」
風見「あ…うん」
相田「それでトイレだと嘘ついて探してたのね」
旭丘「で?何で箪笥が倒れているんだ?」
松江「どうせ箪笥の裏にでも入り込んだ課題を取る為に動かしたんだろ?そんで頭打って気絶した…違うか?」
風見「…あはは。正解」
楢橋「なーんだ…そういうこと…」
旭丘「お前…驚かすなよ…」
相田「本当に死んだと思ったんだからね!」
風見「ごめんごめん…いやー、僕もまさか気絶するとは思わなくってねー」
楢橋「つまり、これだけ部屋を荒らしたのも風見君が課題を写す為だったって訳ね…」
相田「よっし!みんなを心配させた罰として、今からアイスを買ってきてもらいます!」
旭丘「おー、いいねぇ!」
俺「じゃあ、一人二本な。もちろん風見のおごりで」
松江「笠崎の分も忘れるなよ」
風見「そっ、そんなぁ…」
こうしてこの事件は、幕を閉じたのだった。
笠崎「なっ!僕の部屋が!」
バイトから帰ってきた笠崎が荒れまくった自分の部屋を見て大騒ぎしたのは、言うまでもない。