推理編③―とりあえず、現場検証だな―
松江「とりあえず部屋の前には戻ってきたが…」
相田「何すればいいの?」
楢橋「そうね…ここが本当に密室だったか確かめたの、誰だっけ?」
旭丘「え、俺だけど」
楢橋「本当に確かめたの?」
俺「あぁ、楢橋が鍵取りに行ってる間に俺も確認した」
楢橋「そっか…」
松江「じゃあ部屋の中、探す?」
相田「さんせ~い」
俺「何でこんなにごちゃごちゃしてんだ?」
旭丘「箪笥が倒れるとかありえないだろ…」
松江「…このドアの鍵も俺たちの部屋と変わりはねぇな」
楢橋「内側からはドアノブについてる鍵を回せばいいのね」
相田「鍵穴も壊れてないみたい」
俺「…風見は倒れてる箪笥の近くにいるな。」
松江「ちょっと邪魔だから移動させるか」
俺「よっし、とりあえず風見をベッドに寝かせたぞ」
旭丘「勝手に笠崎の使って良かったのかなぁ?」
松江「仕方ないだろ。足の踏み場がないんだし」
相田「ねぇねぇ、これ、なんだと思う?」
楢橋「これって出されてた課題じゃない?」
俺「そんなのどこにあったんだ?」
相田「えっとねー…あの倒れた箪笥の裏側」
松江「…裏側?」
相田「そう」
旭丘「なんでそんなところに…」
俺「あー…俺、まだ課題やってねー…」
楢橋「私もー…」
松江「早めにやってた方がいいんじゃね?」
旭丘「そういうお前はどうなんだよ!」
松江「とっくに終わってるぜ」
旭丘「げっ」
俺「あれ全部終わらせたのかよ?」
相田「あちゃー、やられたー」
楢橋「笠崎君も課題、終わってたみたいね…」
相田「そういえば窓も閉まってるんだよね?」
旭丘「そうじゃないと密室じゃなくなるって」
相田「そういえばそうかー」
松江「机の上とかこの椅子とか箪笥とかの辺りは物が散乱してるけど、窓とかベッドの周りは全然だな」
楢橋「本棚の辺りも見事に荒らされてるわね」
俺「こうやって見てると散らばってるのって書類が多いのな」
相田「いや、本だってあちこちに散らばってるよ?」
旭丘「おっ、赤川次郎の本じゃん」
楢橋「読むの後にしなよ…」
松江「っていうか何してんだよ、お前」
旭丘「えー…だってみんなが動いてるから俺は何もすること無くってさー」
松江「お前なぁ…だからって普通ここで読むかぁ?」