推理編①―俺たちのいる場所―
俺たちはその日、笠崎の所に泊まっていた。
夏休みになったら笠崎の家で久しぶりに集まろうってことになってたんだ。
メンバーはこの家の住人である「笠崎 広太」
変な名前の持ち主である「旭丘 雄飛」
夏生まれなのに冬という字が付いている「楢橋 冬子」
このメンバーで一番頭が弱い「風見 壮一郎」
見た目アホそうだけど意外としっかりしてる「松江 直斗」
買い物大好きだけど優柔不断な「相田 加奈」
そして見た目も中身も一般人な俺の七人だ。
あの日の事を順を追って話そう。
そう…確かみんなでテーマパークで待ち合わせたんだ。
朝から晩まで騒いで、その後に笠崎の家に行ったんだ。
一日目はみんな疲れてたからすぐ寝たんだったな。
二日目は笠崎の家でゲームしたり、普通に喋ってたり…。
基本的にみんな笠崎の家にいたんだけどさ。
たまに買い物行ったりしたやつもいたな…。
正直に言えば、二日目は自由行動って感じだったんだよな。
なんてったってこの日は闇鍋パーティーをするって前もって決めてたからな。
それまでの自由時間ってやつだ。
でもさ、その日の夕方にそれは起こったんだ。
風見がさ、部屋で倒れてたんだ。
風見がいたのは俺たちが使ってる寝室じゃなくって笠崎の部屋だった。
でもその一時間前に笠崎はバイトだから家を出て行った。
笠崎と風見以外は一階のリビングにいててさ、二階からものすごい音がしたからみんなで行ってみたんだ。
みんなで音のした部屋を探そうってなって、一つだけ鍵のかかった部屋を見つけたんだ。
どの部屋も鍵はついてるし、合い鍵だってリビングにおいてある。
一応言っておくが、俺たちが使ってる寝室だって鍵がかけられるようになってる。
自分が借りてる部屋の鍵は各自で管理してるしな。
だけどリビングだけは鍵がないらしい。
…これはあとで笠崎から聞いたんだけどさ。
とりあえず合い鍵を持って鍵のかかった部屋…笠崎の部屋を開けたんだ。
そしたら…まぁ、倒れてた訳だ、風見が。
椅子とか箪笥とか倒れてて、机の上もごちゃごちゃしてた。
本人不在の部屋になんで風見が倒れてるのかよく分からなかったけど、とにかくびっくりしたよ。
バイトから帰ってきた笠崎が話を聞いて一番びっくりしてたけどな。
人の部屋に入るのもどうかと思ったんだけど、状況が状況だからさ、確かめる為に入った訳よ。
松江はすぐさま倒れてる風見のもとへ確認しに行った。
松江「おい、大丈夫か、風見?」
声かけたけど返事がねぇんだ。
楢橋「…ねぇ、もしかして…」
松江は黙ったままだった。
相田「…嘘でしょ?」
旭丘「一体誰がこんなことを…」