天体観測
掲載日:2025/12/06
「あそこに小さい星があるじゃんか」
と、彼は夜空を指さし言った。
僕は目を凝らして彼が指さす方向を見たが、何も見えない。
「あの星には、きっと僕らみたいな人間がいるんだよ」
また、始まった。彼には少し妄想癖があって、時々突拍子も無い事を言い出す。
「きっと、あの星は水に溢れていて動物も沢山いるんだろうな」
「水?なんだいそれは?」
「僕たちの星のソメラメみたいなものさ」
「ソメラメはレア資源だぞ。僕らの星には1%程度じゃないか。ソメラメが溢れている星なんか、絶対にないよ。そもそも、あんな宇宙の端っこの太陽系に人間なんているわけない」
「そうかなあ」
「もう、行こう。UFOが発進してしまう」
「あの星を『チキュウ』と呼ぼう」
「センスが無いね」といって、僕は彼をUFOに押し込んだ。




