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第79話 リバース

『さて、着きましたよ』


 雑談を挟みながら道が整っていない山の中を進み2人と1匹は目的地にたどり着く、そこには傾いて置かれている巨大な神殿があった。


 置かれていると言うのは少し違和感がある表現かも知らないが杭などの物がなく地面に固定されておらず、まるで空から落とした感じにその場に置かれている。


 神殿自体もボロボロで蔦が柱に絡まっており、外観こそパルテノン神殿に似た感じだが、かなり汚れておりまるで廃墟だ、いや廃墟か。


「すごいこれ、神殿」


「神々の命を管理していた神殿かな、今じゃほぼ廃墟だけど」


『あなたに見せたいのはこの中にあります、あ…そう言えばコレを忘れていました』


「これ?」


『が!!!ペェ』


 猫は大きく口を開けると口からクラフトを吐き出した。


「……え?クラフトさん」


[ひ、酷い目にあったよ]


「なんで口から出て来たの」


『彼に邪魔されては試験になりませんから、少し動きを止めさせて頂きました』


「どうりで居ないなと思った、早く内心早く皆んなを呼んだよとか思ってた」


[僕もそのつもりだったんだけど、気づいたら背後にいてペロリと、で…敵はどうしたんだい]


「倒したよ]


『無駄話しはそこまでにして中に入りましょう』


 神殿の中は荒れておりとても汚く足元も悪い、そんな神殿を歩いていると、黄金の水が流れている滝と泉がある場所に辿り着いた。


「なにこれ」


『あなたに1つ聞いておきたい、あなたの能力は何ですか』


「え?能力は無いよ、変身した時は凄い再生能力があるけど」


『なら幼少時に何かしらの手術や儀式を受けましたか』


「何の話?別にそんなの受けてないと思うよ、でも手術ならお父さんが死んだ事故の時に受けたかな、それがどうかしたの」


『…ボブ』


「彼のことですか」


「彼?」


「魔法少女の原点がどう言う力か知っているかい」


[キリアムと言う男がとある生徒を守るために作った魔術と言うのは知ってるさ、その魔術を少し変えたのが今の魔法少女だ]


「言ってたねそんな話、その生徒が女性で良い人だったから変身できる人もその条件に当てはまらないとダメなんだよね」


「キリアムは僕の古い友人でその力の制作にも携わった」


「え?そんなの、と言うかボブさん今何歳」


「さ、さあ、とにかく僕が言いたいのは手に入れる力には決まりがあるんだ、元々が自分の身を守るための力だから守りや逃走などの生存しやすい能力か、元々能力を持ってる場合はその能力の強化ができる」


「うん、それは分かるよ私の能力も生存しやすい回復能力だし」


『いえあなたの能力は回復ではありません』


「…え?」


「再生能力は手に入れる能力の中にはあるんだけど、流石に頭や心臓が中でも再生であるほどの物じゃない」


「それってどう言うこと」


[…確かに僕が魔法少女にした梔子君も再生能力を持っていたけど凪くんほどの物じゃなかった、個人差があるとは同じ能力でここまで違うのは少しおかしい]


「え?ごめんさっきは何の話をしてるの」


『簡単に言いましょう、あなたは能力者で魔法少女の力はその能力が強化された物です』


「でも私能力者じゃないよ、この姿で能力なんて使えないし」


『誰かが能力を封印したのでしょう、何の理由はなんなのか不明ですが少なくともあなたは能力を持っていた』


「そう…なの?」


[その可能性は高いけど…誰が何のためにやったのかわからないし、そもそもわかってもその封印を解く方法はない]


「いや、この山ならでからさ、何せここは無限の可能性を秘めた場所、神秘とミステリーの到達点」


『できない事はないのです、ここはかつて神々の試練で最後の儀式を行った場所です』


「神々が自分の力を理解するためにその力を全て捨てて人間界で生活する試練みたいなものがあるんだ、その試練の最後にここの泉に入ることで捨てた力を取り戻すことができるんだ」


『簡単に言えば巻き戻しの泉ですね、この泉ならあなたの失われた能力を巻き戻して元に戻せるかもしれません』


「え?本当」


『ええ、この泉に入るか入らないかはあなたに任せます、もし入るならボブは外させます』


「…えーっと……この泉に全身つかさないとダメなんですよね」


『ええ』


「タオルとかあります、それと変な寄生虫とかいないですよね」


『汗をかいてシャツはベトベトでしよう、ボブ桜の服を持って来なさい、できるだけゆっくり』


「いいけど、桜くんは怒るんじゃないかな」


『いいから持ってきなさい』


「わかった」


 ボブはこの場から去り、別荘に向かう。


 ボブが去ったのを猫が確認すると凪は少し恥ずかしそうに服を脱ぎ、右手を泉に入れる。


「冷たい」


[夏だし丁度いいんじゃないのかな]


「確かに丁度いいかな、でも…こんな広い場所に1人で入るのって少し恥ずかしいかな、コレって全身だよね」


『ええ、爪の先っぽから髪の毛まで』


「はい」


 泉にゆっくりと足を踏み入れ、全身を泉に入れ大きく息を吸って頭を泉に入れる。すると不思議なことが起こり泉が眩く輝き始めた、瞼を閉じてても見える光に凪は驚き泉から頭を出す。


「何コレ!!」


『泉が正しく機能したようです、気分はどうですか、何か変わった感覚が』

 

 泉と共に凪の体が光り輝く、それと同時に神殿全体が大きく震え柱に巻きついて来た蔦が消え、斜めになっていた神殿が真っ直ぐになり、割れていた床や崩壊した壁や元に戻っていく。


 廃墟のようにボロボロだった神殿が元の綺麗な神殿に直っていく、そんなことを知らない凪は何食わぬ顔で泉から出る。

最近クソ暑いですね作者です、暑すぎて外に出る気が全く出て来ません、だからと言って今日みたいにゲームもせずに一日中寝てるのはどうかなとは思いますけど暑いから仕方ない。


さて主人公に能力があることが明かされましたね、後付けだろと思われそうですが後付けではないです、その伏線ではないですが設定資料104を見て貰えばわかると思うんですが能力が???になってます。


さてなぜ能力が封じられたのかは第2章で明らかになるのですが、まぁ…見てわかる通りそこまでブックマークもアクセスも少ないので第1章で終わらせるつもりでいるのであやふやに終わるかもしれません。


そうなったら…まあ…アレです次回作で話しますね、ちなみに次回作は何なのかと言うとムイナと能力を封印した存在を中心になる話になるので結果何だったんだとモヤモヤする人はそれを楽しみにしてください。

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