第60話 初めてできた友達として
〜〜〜〜〜四宮家〜〜〜〜〜
雲ひとつない晴れだったのにいきなりの大雨が降ってきたためとりあえず四宮家に集まったご一考はリビングに広げられた配信機会を眺めながらゆっくり休憩していた。
「凄い数のゲームですね、あ、これ持ってない奴だ」
「ふふふ、やってみる配信に出てくれるならやらせても」
「やるやる!!」
「え、マジ!!急いで準備するね、他の人もやる?」
「僕やりたい」
〔わたくしもよろしいでしょうか〕
「私はいいよ」
「そう?わかった」
翼はゲーム機をテレビに接続し配信の準備をする、ホノカと真琴以外の全員はテレビの前に集まりワクワクしていた。
「穂乃果ちゃんはやらないのかい、同じ配信者だろ」
「私はいいや なんかみんなの前だと恥ずかしいと言うか…」
「照れてるぅ…かわちいねリーたんは、そう言えばちょい気になってたけど……なんでミスティちゃんだけ変身解いてないの」
「逆になんで私以外の全員は変身を解いてるんだ」
「あ、そう言えば…」
「これダメな奴だったかな」
「別にバラしたりしないよ、それにほら私だって本名明かしたんだしこの際秘密を共有しない」
「……まぁ、それもそうだね」
真琴は変身を解除する。
「おおおお、変身前も可愛い…けどどこかで見たような…あ、城戸っちと同じ学校に居なかった」
「え?会ったことないんじゃ…」
「会ったことはないよ、ただ…ギャガマンガのopにもあっただろ、貴方と私は友達じゃないけど、私の友達と貴方は友達、って大体こんな感じだよ」
「ならこれで友達やね、友達の友達はみんな友達」
「詐欺に引っかかりそう」
「こうやって、よし接続完了」
「そう言えば待機所作らなくてもいいんですか」
「実はねリーたん探す前に作ってあるんだよね、まさか出てくれるとは思ってなかったからマイクの準備が少しかかるけど…よしできた」
待機中になっていた配信画面が切り替わりいつもの配信画面に猫耳 アリンのアバターが表示される。
「みんなにゃんだふる、猫耳 アリンだよ」
〔…主人様にゃんだふるとはなんでしょうか〕
「決め台詞かな?多分ネコの鳴き声とワンダフルをあわせたんだとおもうよ」
〔安直と言うやつでしょうか〕
「私はいいと思うよ、私なんて『マジカル マジカル マジカルルン 私のハートもパステルピンクに輝いて』だよ、なんか後から変えれるとか言ってたけど全然変わらないしね」
「えー、みなさんもう声入ちゃったけど今回はね、今回はリーたんのお友達に来てもらってます、どうぞ」
「…え、どうしようどっちから行こう」
「ここはお手本を見てからいこうよ、ねファンお姉さん」
「ええええええええーーーーーーーーーーーーーー」
「リーたん今日テンション低いね、なんかあった」
「いや 友達に見られたのが恥ずかしいと言うか 絶対に見られたく無かったと言うか…」
「そんなに嫌なの、私に見られるの」
「べ 別に嫌じゃないけど……その…見られるのは恥ずかしいし その…会いに来るなら連絡してくれればいいのに」
「連絡したって、リーたんが見てないだけだよ、もう機嫌直してこっち来てよ、ほらいつも通りにさ」
ホノカはまだ不機嫌そうな顔を浮かべながらマイクの前に座る。
「……………」
一呼吸置いて落ち着こうとするが凪達の視線に顔が赤くなってしまう。
「みみみみみ 未来にかががががが輝く なっ な七光 リリリリリリ リード・ファンエスタ でしゅ」
「めっちゃ噛んでる」
「うぅう もう帰りたい」
「ここ家だよ、えーっと僕エボリューターです」
「私マジカルピンクです」
〔はいはい、皆様の恋の天使のピッカラだよ〕
「「「………………」」」
全員の視線がのんびりコーヒーを飲んでいる真琴に向けられる。
「…え、なに」
「いや〜ね、一応全員居るよ感は欲しいかなぁって」
「どうも保護者のミスティラウンです」
「よし、と言うわけで今回はリーたんのお友達に来てもらってます」
「「〔いえいー!!〕」」
「なんで そんなにノリノリなの」
「で、配信で何するんですか」
「そうだね、なんかコメ欄がこんがらがってるから、最初は雑談でもする?」
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[雨が降るとは思ってなかったよ、火が消えないといいけど]
クラフトは墓の前に辿り着くとローソク立てにローソクを入れると魔法で火をつけ、水鳥 雷華と書かれた墓の前で両手を合わせる。
[君に言ったね墓参りが理解できないって、そこに誰も居ないし見ているわけでもない、なのに何の意味があるんだって
そう言ったら君は「この人達のおかげで今がある、それを忘れないためだよ」って言ってたな、今日来たのはそのためさ]
クラフトは傘をさしながら墓の花を変える、花は長年変えられていなかったみたいに枯れていた、それもそのはず彼女の親族は全員死んだからだ。
忘れた人のために彼女を説明しよう、彼女は凪よりも前にクラフトと契約し魔法少女になった少女で1年前に公園の噴水で片目がない状態で死体で発見された。
家族は2年前に謎の自殺で全員死亡、もう血縁者は誰もいない。
[今日は晴れると天気予報に書いてあった、だからこの日にしたのに雨が降るなんて、ついてない]
クラフトは花を整えると供物を起き目を瞑って手を合わせる。
[すまなかった、そわな言葉ですまされないのはわかってる、この言葉も君には届かない事も知っている、わかってる…君達を見捨てたから今の僕がある、それを忘れやしない永遠に…初めて出来た友達として]
クラフトは立ち上がると水鳥の墓を後にし、少し離れた所にある佐野 饗の墓に向かった。
もしかしたらこの話はバトル無しで終わりそうだと思ってる作者です、もしかしたら戦闘シーン一切なしの日常会で終わる可能性が出てきています。
なぜそうなるのかと言いますと、実はですね予定ではこの話でホノカが他人に変身して能力を使えるようになる予定だったんですよ、ただホノカの覚醒を早めにしてしまったため戦う意味がないんですよね。
それにこれと言った敵も出し尽くしましたし、無理矢理戦闘シーンを入れる必要がないんですよね、なのでもしかしたらこの話では戦闘シーンなしの日常会になるかもしれません。
一応戦闘シーンを入れようと思えば入れれますので気分で決めます。