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第59話 雨降る街に

「はい2500円だね」


 クラフトは狼の怪物みたいな外見の花屋の店主にお金を渡し花を左手で受け取る。右手にはお菓子やリンゴが沢山入った袋を握りしめていた。


[ありがとう]


「おつかいかい、小さいのに高い花買って」


[少し違う、謝らないといけないことがあって、自分の言葉で伝えないと]


「複雑だね」


[あと、その2つの花も買いたい]


「それは…お墓用だけど」


[うん、わかってる]


 店主は何も言わずに墓用の花をまとめクラフトに手渡す。


「2つで4000……いや2500円、シンプルに計算間違えた」


 クラフトは一旦花を脇に挟むと財布を取り出し2500円を店主に渡す。


[ありがとう]


「…荷物が多いね、両手が塞がってる」


[特に問題はないよ、ドアは自動ドアだし…あそこはほとんどが引き戸さ]


「いや、雨が降りそうだから」


[あめ?]


 クラフトは入り口から外を眺める。


 外は晴れている、どこをどう見ても雨は降りそうじゃない、雲ひとつない晴天でテレビもスマホもラジオも雨は降らず31度の暑い日が続くと言っている。


[降りそうにないと思うけど]


「あと5分後には降ると思うよ、別にお金は取らないからそこにある傘持っていきな、絶対に降るから」


[…そこまで言うなら]


 クラフト玄関に置いてあった傘を尻尾で取ると[ありがとう]と一声いい店を出た。


 外は雨が降る感じがないほど晴れている、やはりあの店主の間違いだったかと思った瞬間ポツリと雨がクラフトの額に当たった。


 ポツポツと軽い雨が降り始め黒い雲が上空にでき始めクラフトは急いで傘をさし尻尾で傘を持つ。


[凄いな本当に降ったぞ雨]


 ポツポツだった雨が次第に酷い雨に変わる、クラフトはそんな雨の中をひたすら歩く。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「おひさ!!リーたん」


「ぐぇ」


 アーさんと呼ばれる赤髪の女性はホノカに抱きつくと猫のように頭をすりすりさせる。


 忘れている人が大半だろうから改めて紹介しよう、ホノカはネットではリード・ファンエスタとして活動しており他の実況者と交流があったりする。


 その実況者の中でも1番仲のいい実況者がVtuberグループ【スキップ!】に所属する活動歴6年の自称18歳の子猫系配信者の猫耳 アリンである、この2人はかなり仲のいい姿が配信されておりホノカの家でお泊まり配信した際の同時視聴率は61万を言っており切り抜きは100万再生をいっている。


 どこでこんな情報出たかって?第32話を見返してみよう。


「離して きついよ」


「あ、めんごめんご、でもやっと外出れるようになったんだねお姉さん嬉しぴっぴよ」


「痛い痛い!! 助けてねぇマジさんねえ」



〔にゃ〜〕


「おいで(ねこ)太郎(たろう)


「名前それで行くの」


「もう少し考えたほうがいいんじゃないかい、なめ猫とか」


「チピチャパは」


「よしよし(ねこ)太郎(たろう)


 猫太郎は太一の腕の中に入るとカードの姿に変化した。


「ねえ助けて 私食べられちゃうよ」


「そんなぁ酷いよ食べるなんて」


「そもそもなにしにきたの 翼さん」



「本名翼さんなんだ」


「……翼…もしかして鈴木 翼くんじゃないかい」


「おばさんの()()い?」


「いや知り合いじゃないよ、ほら前に話したじゃないか君の父親が能力者最強を決める大会に出場して優勝したって

その大会に騎城大学病院の代表者として出場したのが翼くんだ、ミサリア・スメルって芸名でアイドルやってた気がする」


「聞いたことある、なんか気づいたら消えてたよね」


「ずいぶん昔の話してるね、20年前の大会なんて小さい子知らないと思ってたよ」


 翼はホノカを人形を抱きしめるみたいに抱きしめながら立ち上がり真琴達に近づく。


「あ、そう言えば私と同じぐらいの年齢だっけ」


「ん?なぜ私の年齢を知っているんだい」


「えーっとね ミスさん…その……マジさんが私の部屋に入ってきたじゃん あの時配信切ったと思ったんだけど切れてなかったみたいで会話全部聞かれててさ」


「部屋に入った時……ってえ!?うそアレ全部聞かれてた」


「ちみたち気づかなかったのかい、ネットでバカ受けでバズってるよ、切り抜きとか50万再生いってるし」


「どうしよう本名とか言ってないよね」


「えーっと…言ってなかったかな、炎二さんの事は言ってたかな、もう気をつけないとダメダメだよ」


「アイドルはやめてYouTubeになったのか」


「ちょっと病気で激しい動きができなくなっちゃってさ、全国ライブの時にぶっ倒れてこれ以上は無理だって話になって辞めたんだ」


「で なんで来たの 別に来なくてゲームで会えるのに」


「そんな悲しいこと言わないでよ、栄でリアルイベントがあるからその下見で来てたの、イベント始まるためお世話になるってお父さんに言ったけど…」


「そこ繋がってるんだ」


 ポツポツ


 軽い雨が頭に当たる。


「雨が降りそうだね、長い話になりそうだし場所を移そう」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「雨か」


 紫髪の小汚い格好をした女性は右手に落ちてくる雨を見てそう呟く。


 その右手に指は1つもない、髪もボサボサで服もボロボロで簡単に言えばホームレスだ、しかしご飯は食べれているのかそのお腹は膨れていた。


「……………」


[いきなり降るとはついてない]


 女性は遠くに居るクラフトの声を聞くと穴が空いている傘をさすとその場を離れた。


[……ん?今のは、気のせいか]


 クラフトは気にせずそのまま進む。


「…」


 女性は左手手首にあるバンドを隠しながらそのままどこかに消えた。

休みの日だけどほとんど外出てない作者です、出るのがめんどくさいし外には何もないんですよ、もう何をするのもめんどくさい。


さて今回は過去キャラの話をしましょう、今回はウェザー・シャイニングの話をします、彼はモンスターウルフと呼ばれる種族で天気に関連した能力を持っています。


その能力から天気予報士を目指しましたがその見た目の怖さから予報士にはならず現在はとある花屋の店主とアイドルのマネージャーをしています。

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