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第57話 君のために

「大丈夫!!エボくん」


 色々あったが暴走を止め、その主犯格のユカイは逃走した、危険な犯人を逃した事は完璧な勝利とは言えないかもしれないが、誰1人死なずに全員の暴走を止めたことは勝利と言ってもいいのではないだろうか。


 凪はグラウンドで倒れている太一に近づくと体を揺らして意識を確かめると太一は「う〜」と小さな声で答える。


「よかった、凄い爆発だったから心配したよ、大丈夫だったよムイナさん…あれ?どこ行ったんだろう」


 凪は太一をお姫様抱っこで抱きしめながら後ろを振り向くがそこにムイナの姿はなかった。


 ならムイナはどこに居るのかと言うと校舎屋上に移動していた、屋上でゴブリンに噛まれた傷や背中の傷を簡単に治していた。


「痛ててて、かなり刺さってる…血は引き寄せたから問題ないけどね、さて…君だよね」


 ムイナは自分の隣にいる少女に話しかける。


 その少女の名札には赤い花が取れたような跡があり、そのせいか名札はかなり汚れていた。


「ユカイが言ってたね、祭りを見にきたって、最初のカマキリはユカイだけどスーツで皆んなを暴走させたのは君だよね」


「……………」


「えーっと、何か辛い方でもあった、たまにあるよね全部めちゃくちゃにしたい時って、私も子供の時学校爆発しないかなとか思ったりしたよ」


「………」


「でもやっていい事とやったらダメな事は理解してた、けど本当に辛い時はやりそうになったし…もしかしたら君やってたかもね

だからそこまで怒る気はないし、そもそも怒るのは他の人がやってくれる、だから私は君が皆んなに謝る手伝いをするよ」


「……失敗した」


「ん?どこに行くのねえ」


 少女はゆっくりと歩き始めムイナはその肩を軽く掴んだ。


「怖いのはわかるよ、でもこのまま黙ってても自分が辛くなるだけだよ」


「…………助けて」


「え?」


 少女の声は震えていた、その目に正気を感じられないが涙は流れていた、少女は体を震わせながらムイナの手を払いのけ走り出す。


「待って!!危ない」


「飛び降りる飛び降りる飛び降りる飛び降りる飛び飛び飛び飛び飛びとととととととととと!!」


 震える足を前に出しながら少女はフェンスを飛び越えそのまま校舎から飛び降りる。


「ダメ!!」


 ムイナは急いで校舎から飛び降り自分の体を地面に引き寄せ猛スピードで少女に追いつき手を握ると少女を抱きしめ、自分の背を地面に向け地面に激突する。


 ズドーン!!


「くっ!!はぁ…大丈夫怪我ない?」


「なんだ今のは」

「何があったの」


 現場に到着し現場の確認をしていた警官の2人が急いでムイナの元に駆けつけ、その騒ぎに何があったんだろうと凪も急いで駆けつけた。


「な、何があったんですが」


「ピンクちゃんに…警部の部下の人」


「ヘイヘイ部下ですよ」


桜井(さくらい) 琉偉(るい)よ毎回名乗ってるんだから覚えなさい、で何があったの」


「少し自殺未遂者とお話しして…おっと」


 ムイナに抱きしめられていた少女は無理矢理ムイナから離れると警察を押しのけ木に向かうと自分の頭を木に叩きつけ始めた。


「な、何してるの」


 桜井は急いで少女に近づき腕を掴むが少女は能力を使って桜井を浮かせて地面に叩きつけるとまた木に頭を叩きつけ始めた。


「しないと、しないと、しないと…しないと、はははハハハハハ!!」


「なんで自分で…」


 少女は満面の笑みを浮かべながら何度と何度も自分の頭を木に叩きつける、大量の血が流れているのにも関わらず少女は止まらずずっと木に頭を叩きつける。


 その場にいる警官が少女を抑える頃には少女の意識はなかった。


 ムイナと凪はそんな異質な状況をただ見ることしかできなかった。


「何があったんですかあの子、なんで…」


「…わからない、助けてって言ってたけど助けれなかった、助けれたはずなのに」




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 1人の男がほとんど開いていないシャッター街を歩いている、特に変な所はないただの普通の日常だ、男はシャッター街の中で相変わらずやっているコロッケ屋でコロッケを買うと歩き始める。


 男は鼻歌なんか歌い出すほど気分がいい感じに歩いてきた。


 しかしシャッター街はさっき行ったコロッケ屋以外は特にやっていないしコロッケ屋もわざわざ行くほどの人気はない、そんな場所には偏見になってしまうがろくでもない人間が集まるものだ。


 そんなろくでもないチンピラがわざと男にぶつかり、男は手に持っていた袋を落としてしまった。


「ふん」


 男は少し嫌悪感を抱きながらも文句も言わず落ちた袋を取ろうとする、しかしチンピラの仲間は袋をわざと踏みつけ笑いながら去っていく。


「はぁ、おい止まれ」


 男はイラついた様子を見せながらそう言う、ただのチンピラが男の命令に従うわけがないしチンピラも従うつもりは無かった、しかしチンピラの足は止まっていた。


「な、なんだ」


「はぁ、今日はいい日になるはずだった、別に気に入ってないけどそれなりに美味しいコロッケでも食べようと思ってたのになぁ」


「なにしやがった」


「俺は何もしてない、ただ命令するだけだ実行するのはお前達だ、今すぐズボンを脱げパンツもだ」


 男の命令のままチンピラ2人は体を震わせながらシャッター街のど真ん中でズボンとパンツを脱いだ。


「見苦しい、金髪は今すぐちんこをこいつのけつの穴にぶっさせ、チックソが」


「おいよせ、よせよあ、あ、アアアアアア!!!!」


 男はチンピラの頭に痰を吐くとそのまま歩き出しシャッター街を出ていった。

とても眠い作者です、現在時刻1時とても眠いのに深夜テンションで書く内容じゃない、さて今回で敵が動き始めた感じがしますね、能力に関してはもうわかった人も居るのではないのでしょうか。


今回はその話でもいいんですが、流石に眠いので今日はここで終わります。

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