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第53話 エレベイト

「この茶をお使いください」


「あ、あーと…この茶をお召し上がりになるますでしょうか」


「領違う、この「お茶」をお使いくださいだ、敬語に直す直さない以前の話だぞ、なんで使ってくださいが召し上がりになるんだ、まった…」


 ピーポーパーポーン


 授業の途中にスピーカーから音が鳴り教室にいた全員がスピーカーの方に視線が吸い寄せられる、なんだろうとクラス中が騒ぎ出すとスピーカーから緊急避難の連絡が放送される。


「どうしたんだろう」

「え、また壊れるの学校」

「よっしゃ授業潰れた」


「おい騒ぐな、全員廊下に並べ、まったく…どうなってんだ、おい早く並べ」



「こ、これって」


[【考えてる通りさ】]


「うわぁ!!びっくりした」


「どうしたいきなり」


「いやなんでもないよ、うん…」


[【小学校の方で何かあったみたいだ、もしかするとスーツの使用者が暴れてるのかもしれない、太一だけじゃ不安だ君も変身して駆けつけてくれ】]


「そ、そんな事言われても、ここで私が居なくなったらみんな心配するし」


「………えーっと…例のアレか」


「な、なんの話」


「別に暴走してる時の記憶がないわけじゃないからな、普通に覚えてぞ…その…例の…なうん」


「…そうなの」


「別に言いふらさないから安心しろ……それはそれでサインとかって…」


[【困ったな、そうだ変身能力と認識変更で僕が君になりすまそう、それなら問題ないだろ】]


「なりすますって」


「誰と話してるんださっきから」


「あの猫みたいな動物」


「猫みたいな…あぁ〜あの」


[【とりあえず誰にも見られないような場所に行ってくれ】]


「誰にも見られないって…どうしよう」


「俺に聞くなよ、なんだ見られなければいいんだな」


「う、うんでもどうしよう」


「……カーテンの裏にでも隠れろよ」


「そ、そっかありがとう」


[【少し心配だけどやる仕方ないか】]


 凪は急いでカーテンの裏に隠れるとクラフトもカーテンの裏に入ってくると


「変身って穂乃果ちゃんみたいな感じのやつ」


[いや君とは全然似てない、僕が人間界で活動するための姿さ]


 そう言いながらクラフトは魔法で自分の姿を虹色の髪をしたギザギザの歯をした猫耳と尻尾を生やす160cmの猫のような目をした女の子に変身した。


「……可愛い、なにそれ」


[僕がお菓子とか買いに行く時の姿さ、どうだ可愛いだろ]


「うん凄い可愛い、でも私と全然似てないよ、私より小さいし、耳も尻尾も生えてるし」


[だから認識変更を使うのさ、認識変更を使えば周りは本人にしか見えないさ、さあ変身して行くんだ]


「わかった」


 凪はハートのストラップを取り出し手首のバンドにかざしてマジカルピンクに変身すると見られないようにコッソリと窓から出る。


 それを見たクラフトは少し心配な表情を浮かべながらカーテンから出る。


「……ん?終わったか…って…凪じゃないな」


[僕はクラフトさ、ほらいただろ空飛ぶでかい猫]


「居たな、変身したのか」


[しばらくの間ならこれで問題ないだろう、しかし不安だ大丈夫かな凪は]


 



 凪は空を飛び急いで小学校に向かっていると真横を何かが通った。


「ん?なんだろう今の」


 鳥にしては大きいなと思い当たりを見渡すと目の前をムイナが飛んでいた、ムイナは凪の方を向くと軽く手を振り凪よりも早いスピードで小学校に向かった。


 凪も負けじとスピードを早めムイナに追いつこうとするが全く追いつかない。


「は、はや」


 凪はムイナに追いつかないまま小学校に辿り着く、一体何があったんだろうと辺りを見渡してみると校舎と校庭の間の道で5mはある巨大なカマキリと進化したグラウストが戦っていた。


〔こいつ一体どこから〕


()をつけるんだグラウスト、まだみんなの避難(ひなん)()わってな…」


「危ない!!」


 カマキリはデカい体の割に素早く動きグラウストから離れると長い釜を振い太一の後ろにあった木を切り落とす、凪は声を上げながら急いで近づくが間に合いそうに無かった。


 切り落とされた木はそのまま太一に向かって倒れてくる、太一は驚きかわすこともできず目を閉じる、このままだと木は太一を押しつぶすと思われた瞬間木が空中で止まった。


「え、なんで」


「どうなって」


「はいはい、どいてどいて」


 その木は上空に居るムイナに引き寄せられるように上に上がりムイナはその木を掴むとカマキリに向けて投げつける。


 カマキリは落ち着きながら鎌を構え、飛んでくる木を一瞬でバラバラにする。


「おおー凄い」


〔なんだ今のは〕


「お、()()いてグラウスト」


 凪は地面に降りたつと太一に急いで近づき脇に腕を通し抱きしめると空を飛んでカマキリから距離を置く。


「ぐぇ」


「大丈夫エボくん」


「うん大丈夫(だいじょうぶ)だよお(ねえ)さん、ちょっと(いた)いから(ゆる)めて」


「あ、ごめんごめん」


「ラブラブだねお2人さん、でで…これって何、私の知ってるカマキリは手のひらサイズの虫のはずなんだけど」


「よくわからないや、いきなり()れたんだ」


「私デカいカマキリとは戦ったことないんだよね、なんかコツあったりする2人とも」


「いや私も戦っことないですよ」


「どうしようか変に近づいたら切られそうだし…」


「グラウストL2じゃ相性(あいしょう)(わる)いかもなら」


「L2?」


「グラウストチャンジ」


 太一はグラウストに手を向けるとグラウストは光り輝きながらカードに戻り、太一は腰につけたカードショルダーからタコが描かれたカードを取り出すとそのカードに地面に投げつける。


 地面に突き刺さったカードは周囲に水を撒き散らしながら小さなタコの怪物に変わる。


〔クトゥうううう〕


「あ、あれ朝に見たやつだ」


「可愛いデザインだね、今日はたこ焼きにしようかな」


「行くよクトゥ進化レベル2」


 太一は青色に輝く右手を握りしめるとクトゥの体が輝きを放ち進化し始める、元のタコのようなビジュアルのまま正当に成長したみたいに5mのクラーケンのような姿に進化した。


〔ぐとぅうううううう!!!〕


 クトゥはカマキリに一本の触手を伸ばすがカマキリはその触手を簡単に切る、しかし切れた触手は切れた瞬間に2本に枝分かれし2本の触手になりカマキリに襲いかかる。


 カマキリは触手を何度も切るが切っても切っても触手は分裂し伸びカマキリを捉えようとする。


「…私の知るタコじゃないね、タコって切っても触手は生えてこないよ」


「切れた触手が地面にああ…勿体無い」


「まだ洗えば食べれるよ」


「なんで2人して()べることばっかり(かんが)えてるの、お(なか)()いてる」


 これじゃキリがないとカマキリは学んだのか少し距離を置こうとし足を動かした瞬間地面が割れ、その割れた地面から無数の触手が生えカマキリを捉えた。


〔ぐとぅううううううう!!!〕


「よし、よくやったクトゥ」


 クトゥさ触手を絞めカマキリを完全に捉える、ピクリとも動けなくなったカマキリを見て避難中の子供達は足を止めて拍手し始める。


「そのまま()めてて、(ぼく)がなんとかするから」


「あれもう終わり、来なくてもよかったね」


「そんなことないよ、(ぼく)(そら)()べないからこうやって(はな)れてないと(たたか)いに()()まれるから」


「え、飛べないの」


「うん」


「そっか取り敢えず降ろすね」


「…いや、待って」


「ん?どうかしましたムイナさん」



「ねえねえあれなに」

「わぁ、綺麗なお星様」

「キラキラしてる」



 ムイナは何かを感じたのか上を見上げた、すると頭上から雨のように大量のスーツが落ちてきていた。


「な!?」


 スーツはただ落ちるだけではなかった、まるで意思を持つように空を舞い校庭に逃げる途中の生徒や教師の腕に張り付き黒い光を放つ。


「「あぁ〜あ」」

 

「これまずいねお(ねえ)さん」



《《《《グオオォオオオオおおお!!!!!》》》》


 50を超える数のスーツが腕に張り付き全員を禍々しい姿をした怪物に変え、怪物達は雄叫びをあげる。

次のスタレのガチャで金を溶かす予定の作者です、まさかホタルとルアンが同時に来るとは思ってなかったです、さらにデュエプレのコラボですよ今月は金が消し飛びそうです。


さて今回は太一くんが飛べない話をしようと思います、実は太一くんは飛べないんですね、これは特訓をしてないからではなくそもそも他の3人とは違う方法で変身してるため空を飛ぶ力は持ってないんですよ。


ちなみにムイナさんが当たり前のように飛んでますが実はあれ飛んでると言うより落ちてると言う表現が正しいんですよね。


その内明かされますがムイナの能力は引力の操作でムイナは上に引き寄せられることで空を飛んでるんですね、腕につけているクソデカPCも上に引き寄せて待っています。


詳しい能力の解説は設定集の方で書きますので興味がある方は覗いてみてください。

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