第52話 マジックナンバー
ホームルームと朝の読書時間が終わり授業が始まる、なんだか久しぶりに感じる授業だが凪は相変わらずに黒板の文字をうつすだけ、黒板を書いていない時は何度見ても変わらない窓の外を眺める。授業中の先生は生徒のことを見ていないようで案外見てるものだ、明らかに聞いていない凪を見つけ凪を当てる。
「おい凪」
「・・・は、はい」
「答えてみろ」
いきなり当てられ焦りながら立ち上がり黒板を見つめるがまともに話を聞いていなかった凪に答えられるわけもなく助けを求め横を見るが領は目を開けながら眠っている、ずるい何その技と思いながらも必死にそれっぽい答えを考えていると コンコン と窓をたたく音が聞こえ窓を見る。
窓の外には空を飛ぶムイナが居た、え何してんのと思いながら見ているとホワイトボードを取り出しそこに答えを書く。
「どうした答えられないのか」
「え、えーっと1と2は尊敬語で3は謙譲語で4は丁寧語」
「なら次の文章の文の間違ってる敬語を正しく直せ、父はいらっしゃいません 先生が、私の絵を拝見しました 好きな方をお譲りします」
「え、えーっと」
ホワイトボードの字を消し カキカキ と書き凪に見せる。
「父は「おり」ません 先生が、私の絵を「ご覧になり」ました 最後は・・・えーっと・・・」
ホワイトボードには最後の答えは書かれていない、どういうことかと思い必死に答えを考えていると先生が拍手し始めた。
「正解だ、最後の文章は正しい文章だ、ひっかからなかったな、もう座っていいぞその前に横で目を開けながら寝てる奴を起こしてくれ」
「凄いね凪さん」
「と言うかあれ寝てるの」
「ほんとだよく見たら全然動いてない」
「凄いなあいつ」
凪は座る前に隣で領を起こし椅子に座り窓を見るとムイナは「真面目が一番 暇な指名手配犯より」と書かれたホワイトボードを見せるとそのまま空を飛び校舎の屋根に降りると何かを探すみたいに辺りを見渡しす。
そんなムイナの背後にクラフトが現れた。
[やあ久しぶりだね、元気そうで何より]
「ん?ああ君か久しぶり、なにしてるのここで」
[それは僕の台詞さ、なんでここに]
「まあ色々ね、そう言えば魔法少女出来たんだね色々活躍聞いてるよ」
[ああ君もならないかい、そもそも君をリーダーにしたかったんだ、今からでも・・]
「ごめんなさいお断りします」
[そんなぁ]
「私は1人の方がやりやすいしこのヘルメットの下は誰にも見せたくない」
[残念だよ、君なら立派な魔法少女になれるのに、で・なんで君はここに?]
「学校生活を思い出したくなった・・・みたいな感じ?まあ違うけど」
そう言いながらムイナは腕の装甲の中から赤い羽根を取り出した。
[・・・なんだいこれ]
「赤い羽根だよ」
[見ればわかるさ]
「あれ、君もしかして知らない?これ」
[なにか貴重な羽なのかい、まさか絶滅危惧の・・]
「そんなものじゃないよ、これは赤い羽根共同募金のやつ、学校とかで募金の応募する時や活動を知ってもらうために配られるの、大人も募金したら貰えるのかな、久しぶりみたよ凄い懐かしい」
[・それが何だって言うんだい]
「君の魔法少女とドロップスが戦った倉庫はスーツを売りさばく犯罪者の取引に使われている倉庫だった、でその倉庫に隠してあったスーツが大量に入ってる箱の中にこれがあった」
[あの場所でそんなことが、でまさか君は取引相手が学生と思ってるのかい、流石に無理があるんじゃないのかい、少なくともその羽は募金すれば誰でも貰えるだろ]
「確かにそうだけど、この羽をよく見てよかなりボロボロだし後ろのシールの所は黒い糸が付いてる、誰かが貼ってたまたま剝がれましたみたいな感じ、それにシールに付いてる糸はこの学校の名刺に使われている布と同じ、それにこれを貼るのって子供ぐらいしかしないと思わない」
[確かに、だがなぜこの学校なんだい、たまたまかしらみつぶしに調べる気かい]
「簡単だよ、この学校に過去にスーツの使用者が居てスーツから復讐する人間を探そうとしているドロップスがこの学校に現れた、それとたまたま私がこの学校の生徒でスーツ使った子と戦ったからかな」
[なるほど君の読みは正しい、実際にこの学校の隣にある夕日小でスーツを配ってた子供がいたという発言があったよ]
「え、まじ本当、実は確証はなかったんだよね、暇だったから来たんだ」
[そうかい、ん?]
「ん?なんだろうヘッドリスプレイに警告が・ここじゃない夕日小から」
少し前
ここは太一が通う夕日小、凪が通う夕日中の隣にあり夕日小と東小の卒業生が夕日中に通うことになる、ちなみに凪は東小の卒業生である、そんなことはどうでもいいが夕日小の2年生である太一は凪とは違い真面目に授業を受けていた。
先生がここ呼んでくれる人と言うと全員が元気そうに手を挙げる、もちろん太一も手を挙げるが当てられず少しへこむが教科書を見て今読んでいる所を指でなぞる。
「おう なつだぜ おれは げんきだぜ」
授業が嫌いなわけじゃないがクラスメイトが読み終わるのを待つのは退屈で仕方ない、太一はその退屈から抜け出すように窓を見た、すると びゅん と窓の外を大きな何かが通り過ぎた、気のせいかと思った瞬間窓ガラスが割れ教室中に悲鳴がこだまする。
太一は目を細めながら外を見続ける、外には巨大な鎌を腕にする大きなカマキリがそこに居た。
凄い前の話を書こうとしている作者です、いつ話そうかなと思いずっと放置していた小ネタがあのですが今回はその話です第32話で配信中だったホノカの部屋に入ったシーンがありますがホノカと凪は配信が止まってるものだと思っているのですが実は配信中なんですね。
続く32.5話のタイトルはそういうことです、ついでになんで32.5話なのかと言うと単純にミスっただけです、なのでホノカが戦いに行くまでの会話全部がネットに乗ってるんです。実はネットの反応みたいな文を投稿しようかなとか思っていたんですが本編書く方が先だろと思い投稿しませんでした。