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第51話 リアライズ

 事務所から出た凪は人が周りにいないことを確認してから変身し猛スピードで空を飛び自分の家に戻ると急いで荷物をまとめて家を出る。そして通学路に入る凪だったが通学路には誰もいなかった、それもそうだ今の時間は6時15分でそんなに急いで外に出る必要性はなかったのだ。


 そのことに気づいた凪はショックを受けるが今家に戻るのも時間かかるし仕方ないと振り切り誰もいない通学路を一人寂しく歩いていた。


「はあ、ちゃんと時間見てれば良かった、そもそもクラフトさんを使えば遅刻ギリギリまで入れたじゃん、ああもう少しちゃんと味わいたかったな」


 満員電車に乗るサラリーマン並みにテンションを下げながらフラフラと歩きながら信号で止まる。


 早起きは三文の徳と言うことわざがあるがはっきり言って早起きするぐらいならその時間寝た方が良いと思う、そもそも早起きして特になることはないし日本の社会人は朝の早い時間から通勤しているのだからみんな早起きだ、だが早起きしても待ってるのは仕事であり徳ではない、なんなら休日に9時まで寝ている方が気分がいい。


 早起きなんてしても何の徳もない、そんな事を思いながら自分側にある信号の影を見ていると、その信号の影上に謎の人影があった、凪は上を見上げてみるとそこには信号の上に座るムイナの姿が居て、そのムイナと目が合った。


「・・・あ、どうも」


「どうも、凪ちゃんこんな時間にどうしたの」


 ムイナは信号から飛び降り凪の目の前に着地すると膝をついて凪に目線を合わせた。


「なんで私の名前を知ってるんです」


「だってほら胸に名刺あるじゃん、猿渡 凪って少し傾いてるけど」


 そう言いながらムイナは傾いていた名刺を直し、急いで出たせいで荒れている髪をくしで整えていく。


「あ、すみません」


「いいよいいよ今は平和で暇だから」


「そうなんですね、で・・なんで信号の上に?」


「事件とかあんまりなくて、ない日はこうやって地域のパトロールだったりゴミ拾ったりしてるかな、簡単に言えば暇なだけなんだけどね」


「暇なんだ、そう言えば・・指名手配犯ですよね」


「うん、そうだね」


「通報した方が良いんですかこれ」


「携帯持ってないのにどうやって?」


「あ」


「大丈夫別に酷いことはしないししたこともない、まあ指名手配犯が言っても説得力はないけど、よしできた急いでるからって髪はせっとしないとね、じゃ」


 信号が赤から青に変わるとムイナは宙を浮き再び信号の上に座る。


 馬鹿と煙は高いところが好きとよく言うがそれを言い始めたら高いところに城を建てる日本武将は全員バカではないのかと思うのは私だけだろうか、これを猿に向けて言う奴も居るが人間基準で見たらどの生物も馬鹿になる。


「・・・なんか普通にいい人」


 それなのに指名手配犯なんだと思いながら交差点を渡り学校に辿り着く、教室に入っても誰もいないし時間は有り余るほどある、こういう時は読書したりするといいが凪は教科書を机に入れるとそのまま腕を枕にして目を瞑る。


 こいつ何時間寝れば気が済むんだ、公園での戦いが13時で起きたのが5時45分、16時間以上も寝てまだ眠たいのか。


「・・・ふぁあ・」


 凪は大きなあくびをすると眠りにつく、寝たふりかと思ったが本当に眠ったぞこいつ。


 







「・・・ん?あれ」


 ここはどこだろう、白い靄がかかったみたいに凪の視界は白くぼやけていた、そんなぼやけた視界に映るのは金属のスクラップが溢れる場所、にボロボロになったヘルメットを被るムイナ。


 凪は戸惑いながら下を向くと魔法少女に変身した時のような格好だったが全ての色が真っ黒に染まっていた。


「ごめんね、今からは……」


 ムイナはボロボロのヘルメットを外し地面に投げ捨てる。


 ヘルメットから見えたその姿はピンクの髪で凪と瓜二つだった。







「おい、おい!!」


「うわぁ!!」


 教室に入ってきた領に肩を揺らされ凪は驚き机を蹴り飛ばしながら目を覚ました。


「び、びっくりした、え…ふぇなに?」


「俺の方がびっくりするわ」


「ごめん寝てた」


 凪は体を伸ばし、自分が蹴り飛ばした机を直し再び椅子に座り目を擦る、擦りながらさっき見たものは夢かとほっと息をつく。


「部活に行く前に少し寄った時にも寝てたが、お前あれさらずっと寝てたのかお前」


「え、うん」


「1時間ぐっすりかよ、そんなに大変なのか…ま…いやその…活動は」


「え?活動」


「いやなんでもない、それより聞きたいことがあるんだ」


「聞きたいこと?」


「……その……いや、なんでもない」


「なんでもないってなによ、なんか言ってよ気になるじゃん」


「ヨダレ拭いとけよ」


「で、出てないよ」


 凪はハンカチを取り出し口の周りを拭く、今の時間は8時30分、あともう少しすれば授業が始まるしそもそも今はそこまで眠たくない。


 仕方ないので凪は机の中から買ったけど読んでない本を取り出し時間が来るまでパラパラとまくった。

最近後書きに書くか書かないかで悩んでいる小ネタが多くなってきた作者です、今回の小ネタですが…ムイナに関してです、実はムイナがメインで出てくる話のタイトルにはとある仕掛けがあるんですよ。


その仕掛けと言うか元ネタはまたどこかのタイミングで書きますね、まぁバレない方がいい気はしますけどね。

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