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第48話 心なきもの

 グラウストの攻撃をまともに喰らったドロップスは地面に倒れ込んだ。


 空を飛んでいる凪は達成感を感じると同時に疲労感が一気に押し寄せ、気絶し空から落ちそうになったが天使が凪をお姫様抱っこで抱きかかえるとゆっくりと地面に降り立つとフェイスを睨んだ。


〔・・・これで残るはあなただけですね、まだやるつもりですか〕


〔それなら おれたちが あいてをしてやるよ〕


「Jrちゃんとマックス先生がどこかで言ってましたわ、スカルとついをなす存在がMCJJJだと、そこにいる新たな魔法少女…それがMCJJJなら」


 フェイスは両手をあげ、カメラを地面に置く。


「降参ですわ」


〔いい選択ですね〕


「目の前で可愛い女子を作られたらこうするしかないでしょう、映像も取れましたし満足ですわ」


 そう言うと地面に魔法陣を作り出しその中にカメラと照明ついでにドロップスを入れると名残惜しそうな顔をさせながら魔法陣の中に入って行った。


「ふぅ…やっと帰ったよ、それにしても何が起きたんだろう」


「クラフトくんはエボくんの能力を生物を進化させる力と言っていたが、これが進化なんか」


「なんかゲームキャラクターの進化みたい いつも思うけどあれ進化と言うより変態だよね」


「変態にすると…ほらフェイスみたいな事を言ってると勘違いするからじゃないのかな」


「変態仮面とかそうだもんね」


〔ぐらぁぁあ〕


 グラウストは大きなあくびをすると体が光初めて元の1mほどの小さな姿に戻り地面に倒れるように眠りにつき、それと同時に太一も地面に倒れた。


「あれ眠っちゃったよ」


「流石に疲れたんだろうね、ほらマジカルもグッスリだし」


〔そもそもお姉様はMCJJJの戦いもありましたし、仕方ないですよ〕


天使は腕の中ですやすや眠る凪を持ちながら2人に近寄る。


「あ え…えっと…そ その……」


「初めまして…だよね、私はミスティラウンで隣なのがファンラントくんだ、君は何者なんだい」


「ぐ グラウストと そ その…ぜぜぜ全然違います…よね」


〔さ、さあ私は何者なのでしょう〕


「それを聞いているんだけど」


〔私達は主人様の想像力と知識や記憶や感情から作られる存在、私は主人様の中にある天使のイメージの塊から作られた存在

私は主人様の天使のイメージであり、それ以上でもそれ以下でもありません、ですから質問に答えるなら主人様の天使としか言いようがありません〕


「そそそそ その…えーっと……」


「エボくんが作った天使でいいんだね」


〔簡単に言えばそうです、取り敢えずここで話すのもアレですし落ち着けるところで話しましょう〕


「いや、待て……それはなんだ」


 真琴は天使を手で軽くどかす。


 そこにはフェイスが連れていたクトゥと呼ばれるタコなのかイカなのかどっちかわからない怪物の死骸があった。


 グラウストの火で焼けたからか祭りの屋台のような匂いが公園中に広がっていたが問題はそこじゃ無かった、クトゥの死骸が徐々に1箇所に集まっていたのだ。


「え なにあれきも」


「どう言うことだフェイスが何かしたのか」


〔…いえ、そうではありません、あそこから僅かに主人様の力を感じます〕


 クトゥの死骸が全て集まり圧縮し1つの卵に変わった、その卵はグラグラと左右に揺れながらひびを作りパカっと卵が割れた。


 割れた卵から小さな触手が伸び、卵の中からイカとタコが混ざったようななんとも言えない生命体が姿を現した。


〔クトゥ!!!〕




   〜〜〜〜〜??????〜〜〜〜〜


 ここは気持ち悪い言い方をするのであればよくある愛を確かめ合うホテル、普通の言い方ならラブホテル、少し前に経営者が行方不明になり現在は廃墟となった薄暗いホテルに1人の男と数人の女性が居た。


 1人の女は体を震わせながら裸で男の上にまたがり体を上下に動かす、その顔はひきつっていて目は恐怖で歪んでいる。


 その女の手には拳銃があり、その拳銃を口に咥えながら上下に動かしていた。


「はぁ、あ…はぁ……」


「……もういい」


 男がそう言うと女は自らの手で引き金を引く。


 バンと言う銃声が鳴り響き女は跨ったまま頭から血を流し死ぬ、男はそんな女を床に突き落とす、ホテルにいる人間は誰1人驚きも悲しみもしない。


 なぜなら1人を除いで全員が床に倒れ血を流しているからだ。


「終わりました」


 行為の一部始終を見ていた女は何も気にすることなく、なんなら床に転がる死体を踏みながら着ていた服を脱ぎながら男の上に乗っかる。


「ああ、終わったさどいつもこいつも退屈で仕方ないね、君みたいに素直ならいいのに」


 男はそう言いながら女の胸元に手を近づけそのまま胸を揉みしだく。


「そう言うなら調教すれば良い、私みたいに」


「そうだな、1人逃げられたしそろそろ次を探さないとだな、そうだ新しく出てきた君の後輩なんかはどうだい」


 男のそんな質問に女は男の手を噛んで答える。


「おいおい甘噛みとはいえやめてくれ、なんだ嫉妬したのか可愛いやつめ」


「…やはり、貴方様には私だけで十分です、本命は私だけで…」


「わかったよ、増やそうなんて考えないさ、君と言う最高の駒を話すと思うかい、なあ梔子…君は永遠に私のものだ」

この後書を読んでる人は何人いるんだろうと気になってる作者です、今回でマッドでクライマックスな奴 は終わり次回からはついにムイナの話になってきます。


ずっと名前だけ出てた人ですがどんな人なのかおさらいしましょう、簡単に言うと良いことをする全国指名手配犯で四宮炎二が捜査の担当をしています。


捜査担当と言いながらも実際は捕まえる気はなく、なんなら炎二とムイナは互いに協力関係にある不思議な関係でなキャラです、そんなキャラが登場しますのでお楽しみを

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