第33話 襲撃
お風呂というのは単純に体を洗うだけではない、気持ちを落ち着かせたり絆を深めたり、お風呂は心と体を綺麗にするとはよくある宣伝だがあながち間違いではない、そんなお風呂からあがり服を着替えた2人は2階のホノカの部屋に戻る。
「なんか疲れた 今日は寝よう」
「お風呂に入っただけでじゃん、そんなに疲れないよ」
「私は疲れた ってなにあれ」
ホノカの部屋の前にはパンパンになった2つのゴミ袋が置かれ、その横に疲れて横たわっている真琴の姿があった。
「ん?戻って来たか」
「すごいごみだねこれ、これ全部中にあったの」
「全くすごい量のごみだったよ、よくここまで散らかせるもんだ、掃除するのが大変だったよ」
「掃除って 私の部屋を」
ホノカは自分の部屋を覗いてみると部屋全体が輝いて見えるほど綺麗で片付けられていた、床が見えないほどゴミで散らかっていた床はゴミが全て袋に入ったことで床が見え、何故かべたついていた床も頬っぺたですりすりしたいほど綺麗に磨かれ誇り1つない。
ベッドや机の上に置かれたゲームや雑誌は本棚に片付けられ、学習机の隣にメタルラックが置かれたことでさらに収納スペースがふえ学習机に収まらなかったPC一式が本体がラックに置かれたことで更に広く快適になり、床に雑に置かれた色んなゲーム機が全てラックの中に、まるで別の部屋に思えるほどの違いにホノカは啞然とし立ち止まった。
「噓でしょ お風呂そんなに長く入ってなかったよね」
「もう少しこまめに掃除したまえ、毎日じゃなくていいから、週一ぐらいはね」
「凄い自分の部屋に下着とか脱ぎ散らかしてたからそんなに掃除得意じゃないと思ってたのに」
「だからあれは飲み過ぎて脱いだだけで常日頃からああしてるわけじゃ・・」
「あ あの」
「どうしたんだい」
「その ありがとうござい ま ます こんな綺麗にしてくれて」
「気にしないでくれお得意様の娘だこれぐらいはやらないとな、さて綺麗になったことだしお茶で・・」
[2人とも大変です]
突然部屋の壁に魔法陣が浮かび上がり、その魔法陣からなにか焦ってる様子のクラフトが現れた。
「あ あの時の毛玉」
[だから僕は毛玉じゃありません、僕はレス・クラフト立派な妖精です]
「よ 妖精 こんな太った猫みたいなのが」
「でどうしたんだいクラフト、慌てて」
[研究所にクトゥーグの幹部が現れたんです]
「幹部が」
「またドロップス」
[いえ今回はクローシアとスカルキングJrです、既にかなりの被害が出てます]
「新しい人が2人も」
「研究所?いったい何が目的だ」
「そもそもあるのかな目的、フェイスみたいに特にないんじゃないかな」
「なかったとしても襲われているなら研究所の役員が危ない今すぐいこう」
「待って、ファンさんはどうする」
「え 私はその・・・」
「無理しなくていい、ここは私達2人だけで行こう」
「そうだね、ファンさんまた来るから待ってて」
2人は各々の変身アイテムを取出し手首のバンドにアイテムをかざし変身するとクラフトに導かれるまま魔法陣を通過する。
魔法陣の先は外で周りには研究所の残骸と思われる瓦礫や鉄骨などが散らばっており、その瓦礫の山の上には全身に包帯を巻いた女幹部のクローシアと禍々しい殺気とオーラを放つスケルトンのスカルキングJrが研究結果が保存されているPCを分解していた。
「あれがクローシアとスカルキングJr」
「ん?あら誰かと思えば魔法少女ね、来るのが早いわね」
クローシアは手に持っていたPCを素手で真っ二つに割ると宙を浮きながらゆっくりと瓦礫の山を降りる、スカルキングJrは何もせずに瓦礫の上に座り込み石造みたいに動くのをやめ沈黙を貫く。
「クラフトくん彼らの情報はあるかい」
[クローシアは何度か会ってますがその正体は謎です、そんなクローシアよりも警戒するのはスカルキングJrです、あいつは魔物の始祖と呼ばれるスカルキングの子供で相当の実力者です、地球に現れた旧支配者を一撃で撃退した規格外の怪物です]
「ふーん、まるで私が警戒すらしなくていい人みたいじゃない」
「何が目的」
「ここの全員を皆殺しにすることよ」
「なんでそんな事を」
「私がファッションで全身に包帯を巻いてると思う」
「えーっとパリコレに出るんですか」
「違うわ、こうなったのもここの研究のせいよ、廃棄子供を実験体にしたクローシス実験」
「君はその実験の被験者だったのか」
「これでいいかしら、話したから帰ってもらえる」
「そうですかと帰る訳がないだろ、悪いがここで帰ってもらうのは君達だ」
「いい子ちゃんの集まりね、大人しくゲームピコピコしていればいいのに、ねサイキックス」
「【あ そ ん で あげる】」
この場の全員の脳内におっとりとした女の子の声が響き渡る、クラフトが使っていた魔法と同じ、自分の思考を他人の脳に伝える魔法【テレパシー】異質な声と同時に2人は激しい頭痛に襲われる。
「な、なにこれ」
「頭が」
2人は突然脳に激しい痛みが走りその場に膝をつく、脳内を激しくかき乱されるような痛みに2人は悶えるがクローシアは平然とした様子で宙に止まりスカルキングJrも微動だにしない。
「【さあ いくよ 私と 一緒に】」
空間に魔法陣が映し出されその魔法陣から緑髪の羊みたいにモコモコした髪をした少女が現れた、その少女は口に猿轡をし目には包帯をまき全裸、一応申し訳程度に胸や下半身を魔法で作り出した濃い緑色の雲で隠しているがほぼ意味がない。
相方のクローシアが露出度ゼロの格好なのに対してこっちは露出前回のファッション、いやこれはファッションなのか、パリコレは着てるからファッションと言い張れるが着てないファッションはないだろ。
「【た の し ませて もらう わ】」
健康診断で地獄を見た作者です、そもそもそこまで好きじゃないんですよ健康診断あれ血を抜かれるじゃないですかそれが1番嫌いです。
まあそれよりアレだったのはレントゲンですね、レントゲンをみて地獄を見ましたね、骨や心臓は去年と全く変わってないのに明らかに脂肪が増えてたんですよ。
見た感じ1.5倍ぐらい横に伸びてました、なんで身長が伸びないのに体重は増えるんでしょうか、1番の謎です。