第32.5話 実は配信中
「………なんだよ 何が魔法少女だ」
ホノカは冷房が効いた部屋で頭から布団を被る、切れよ冷房をなんで冷房つけて布団を被るんだ、電気代が勿体ない寒いなら切ればいいだろ。
と誰もがツッコミたくなる事をしているとドアを叩くような音がして布団から顔を出す。
「パパ?」
「あ。いやごめん私」
「帰って 別に私魔法少女なんてやらないから ずっとここにいる だから私の事はほかっておいて」
カチャカチャカチャカチャカチャカチャ
「・・・お母さんのこと聞いたよ、目の前に殺されたって」
カチャカチャカチャカチャカチャカチャ
「私もお母さんじゃないけど家族旅行の帰りに信号無視で突っ込もうとした車と激突してお父さんが死んじゃってさ、ファンさんの気持ち少し分かるよ」
カチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャ
「だから」
「ごめんいい話してる所ごめんだけど さっきからカチャカチャうるさいよ そんなにやっても開かないし 全然話に集中できない」
「だってさミスティさん」
「ちょっと待ってくれ、あともう少しで」
「ねえ 何しようとしてるの私の部屋だよ とっとと出てい・」
ガチャ
真琴のピッキングで鍵があき、あいたドアからひょっこりと顔を出す凪を横目に真琴は堂々と入って来る。
「邪魔するよ」
「か 帰ってもらえます まず勝手に入るな」
「思ってた通りだ、ゴミ屋敷じゃないか最後に掃除したのはいつ、もう床もべとべとだし朝なんだからカーテンを開けなさい」
「お お母さんみたいなこと言うな 勝手に部屋に」
ふぁさぁ
パソコンと反対側にあるカーテンを開け電気がついてたが少し暗かった部屋に明るい太陽の光が差し込みホノカはまるで吸血鬼みたいにその光に怯えて布団隠れる。
「み、ミスティ」
「眩しいから閉めて」
「部屋の照明と変わらないだろ、そもそもなんでカーテンを閉めるんだい」
「そ 外の光がパソコンに反射して画面が見えないの!!」
「だったら場所を入れ替えなさい、それにその布団洗ったのいつ、シワシワだし変な匂だし」
「み、ミス」
「ちょっとひ 引っ張らないで」
ホノカが隠れている布団を無理矢理引っぺがし、布団がなくなり今度は下のシートに隠れようとしたホノカを持ち上げ椅子に座らせるとベットのシートと枕のシートをはがして持ち上げる。
「な なにして あ~あ私のベットが」
「ミスティさんもう少し段階を」
「私の経験則だがこう言うのは無理矢理やらないと意味がない」
「だ、だからって」
「そ そうだそうだこ この この・・・ば ばばあ」
「可愛い悪口」
「私がばばあなら3歳年上の君のお父さんはじじいじゃないか、というより服がシワシワでヨレヨレだがいつ着替えた」
「え えーっと1ヶ月前」
「お風呂に入った後も同じ奴着てるの」
「まずお風呂に入ったのが1ヶ月前で」
「入りなさい今すぐ」
「そうだよ、今暑いからシャワーだけだけど体は綺麗にした方がいいよ」
「綺麗もなにも 能力で綺麗な体に変身してるからわざわざお風呂に入る意味がない」
「でも髪ぼさぼさだよ、それに少し汗臭いし、あ、肩にふけが」
「マジカル」
「はい」
「風呂場に連行して体を洗いなさい」
「なんで!! い 嫌だ 私は入らないぞお風呂なんてめんどくさいし時間がかかる無駄なこ・」
ガシッ とホノカの体をがっしりと掴んだ凪はホノカの体をひょいと持ち上げ部屋から出る。
「は はなせぇえ!!! 私をどうする気だ どこに連れて行く気だ」
「そんな地獄に連れていかれる人じゃないんだし」
「隅々まで綺麗にするんだぞマジカル」
「了解」
「待て 了解するな否定しろ 嫌だぞ私は絶対に」
「こら暴れないの」
手の上のうなぎみたいに暴れるホノカを逃がさないようにがっしり掴み下のお風呂場に向かいホノカの服を脱がせる、お風呂に入れたくてもなかなか入ろうとしないホノカに凪は苦戦中、その間に真琴は布団を洗濯機に入れ、ゴミ袋や雑巾などを持って部屋に入り掃除に取り掛かる。
そんな事をしている間にホノカをお風呂の椅子に座らせる事に成功した凪は変身を解除して一緒に風呂場に入り、シャワーを髪にかける。
「つ 冷たい 」
「ごめんごめんそのうち温かくなるから、それにしても長い髪、真琴さんより長い」
「真琴?」
「そうだった名前教えてないよね、私は猿渡 凪であのミスティラウンさんが神川 真琴さん」
「・・・猿渡?」
「うん猿渡だけどどうかしたの」
「お姉さんとかいたりする」
「いないよ、私1人っ子だし」
「そうなんだ・・・髪長いと洗いずらいよね はい」
そう言うと髪がどんどん短くなりお尻のところらへんまであった髪が耳の所までになった。
「お、おお~すごい」
「・・・おかしいでしょ私の能力 誰にもなれる なろうと思えばあなたにも」
そう言った瞬間髪色がピンク色に変わり、胸がへこみ背が伸び一瞬で凪に変身した、そして凪と全く同じ声で喋り始める。
「最低だよね私 お父さんに迷惑ばかりかけて 迷子になった時もお父さんを探しに行かずにずっと泣いてて それにお父さんの前なのに・・家族なのに能力をコントロール出来なくて 本当に親不孝なダメ娘だよ」
「そ、そんなことないよ」
「でも未だにコントロールできてないし もう自分の本当の姿も分からない」
「・・・ごめんこう言うときいい感じに励ませたら良かったのに全然思いつかないや」
「いいよ 別に励まさなくても」
「でも全然親不孝なんかじゃないよ、だってお父さんを助けるために外に出れたんだもん、きっと炎二さんも嬉しかったと思うよ」
「そうかな」
「きっとそうだよ、私のお父さんが言ってた別に甘えたりお金が欲しいわけじゃないお前が胸を張って生きてるだけで親孝行だって、きっと炎二さんも同じ気持ちだよ、引きこもってても胸を張って生きてて笑ってる、だから炎二さんは無理矢理部屋から出さない、だってそれがうれしいから」
「・・・私さ外に出て気付いたんだ 多分外に出ること自体は大丈夫なんだよ だけど問題は人と関わりを持つことが怖いんだ 昨日の仲良くなった人に誰って言われるのに恐れてる だから外に出たくないんだと思う」
「ファンさんは今の生活好き」
「好きだよ 毎日が楽しい けど・・それじゃダメだよね いつまでもお父さんが作った巣に居たら いつかは巣から飛び出さないと」
「なら出来る限り手伝うよ、人を助けたくて魔法少女になったから」
計算したら第1章関係させるのに160話以上必要なことに気付き絶望した作者です、前回の後書に書いたストーリー予定を単純計算したら160話必要なんですよ。
計算方法は1エピソード✖️8ですね、これはまずいいくらキリのいい第1章まで書こうと思ってましたがこっから160話以上も書かないといけないのかこんかアクセス数が100も行かない作品を!?
そんなこと言ってても何も始まらないので縮める努力をしないといけませんね、できるかななんだかんだで前回の後書きで書いてない話しも2、3個あるんだけど…