第31話 君の選択
「…はぁ、わかった話は聞いてやる、よいしょっと」
折れた骨をこれ以上傷めないように座っている椅子から立ち上がりテレビ前に置かれたソファーにゆっくりと寝転がった。
「いててて」
「大丈夫ですか」
「そんなに痛いなら病院に行けばいいだろうに」
「別にいいだろ」
「どうせ穂乃果ちゃんが心配で自宅療養を選んでんだろ、可愛いやつめ」
「何だかんだで優しいんですね」
「で、お前の言う敵はなんだ、ドロップスとは違うのか」
「クラフトが言う悪の組織クトゥーグの全幹部だよね、まだ2人しか見てないけどかなり強かったよ」
「俺が知ってる奴だけでも面倒な奴が多い」
「私まだ全員と戦ってないけどどんな人がいるんですか」
「そうだな、君が知らない奴はこいつらか 道化のユカイ 最強の剣士サムライビーム 王のスカルキングJr 正体不明のクローシア つい最近分かったのはドロップス逃走を手助けしたマックスと呼ばれる男こいつらだな」
「意外に多い、これ全員を相手にするんだ」
「まあそれもあるけど、それに関しては警察の助けは必要ないと思ってる、私達だけでなんとかできるさ」
「え?じゃあ敵って誰」
「私達の敵は野上 佐山を殺した真犯人さ」
「ドロップスいや梔子 時雨が言ってた奴か」
「あの人時雨くんって言うんだ」
「奴の発言が正しいなら、梔子家全員を証拠も残さず殺し、今も殺人を繰り返しているそうだな」
「いったい何のためにそんな事を」
「理由はほかっておくとして、問題はそいつを私たちが倒したとして倒した後はどうなるのかと言う点だ、証拠が十分になければ証拠不十分で釈放、それどころが魔法少女に殴られた無実の人間になってしまう」
「ここまで証拠を残さなかった犯人だ、そう簡単に尻尾を出さないだろうな」
「だから私達は確たる証拠を掴んだうえで倒す必要がある、だが問題は私達が集めれる証拠は限られているし少ない、だから警察と協力して証拠を集める必要があるだ」
「だが簡単に警察と協力関係を結べる訳がないから俺にしたわけか」
「そうさ、今の段階ですら私達よりも持っている情報は多いだろ」
炎二は下を向き少し考えながらポケットからスマホを取り出すとスマホとテレビを同期させる。テレビには明らかに一般人が見てはいけないような機密事項と思われる書類のデータがずらりと表示されていた。
「これは」
「その件に関して俺の知ってる情報を渡そう」
「え、見ていいんですかこれ」
「本来はダメだろうね」
「まずお前らに聞いておきたい事がある、お前らより前の魔法少女と会ったことがあるか」
炎二のそんな問いに2人は首を横に振って答える。
「3年前だ突然魔法少女を名乗る5人のチームが現れた」
「パープル シグマ センプルス クレセント モジョスだね」
「知ってるよずっとニュースで出てたよね、でも2年前ぐらいに突然姿を消したよね」
「あの後調べ直したんだが突然姿を消した日の数日後に別々の家から5人の捜索願が警察に届けられていた、その家の1つに梔子家があった」
「それって・・・どういう事」
「つまり捜索願を出され5人は魔法少女でドロップスの姉か妹かが魔法少女だったということだろ」
「え、そうなの」
「それでだもう一度その届出を出した家を調べたんだが」
「おいおい絶対安静じゃないのかい」
「その5つの家全ての家族が謎の自殺をしていたんだ」
凪はその発言に鳥肌が立ち息を呑んだ。
「謎の自殺」
「車のなかで木炭をたいたり、重いダンベルやらが入ったバッグを背負って池に入ったり、と色々おかしい自殺の仕方でな」
「野上くんと同じだね」
「さらに今から1年前に捜索願が出されていた3人が酷い状態で発見された」
そう言いながらスマホを操作してとある3枚の画像を表示する、1枚目はボロボロの体で片目がえぐられ頭が凹んだ満面の笑みの死体が公園の噴水で浮かんでいる写真、2枚目はサンドバッグの中に入った四肢がない死体の写真、そして最後は病院のベットに居る生きているのか死んでいるのか分からないほど痩せ汚れ目が死んでいる女性の写真だった。
その写真は大人が見ても目を逸らすほどの惨たらしい写真で凪はその写真に恐怖し座っている椅子から立ち上がり洗面所に駆け寄る。
「四宮くん、流石に子供に見せるものじゃないぞ」
「分かっている、だからこそ知るべきなんだ、恐らく犯人は同じで今から倒そうとしている犯人がこう言う奴だと」
「君なりの優しさか」
「サンドバッグがあったボクシングジムの防犯カメラには1枚目で死んだ水鳥 雷華がでかめのバッグを持ちながら誰もいない深夜にジムに入っていくのが写っている」
「彼女がサンドバッグに入れたのかい」
「ごほ ごほ でも何のために、友達なんですよね」
「理由は分からん、だが水鳥の死因もおかしい、噴水に自分の頭を叩きつけて死んでいるんだ、誰かに叩きつけられた訳でもなく自分自身で頭が凹む程叩きつけている、噴水の近くにはジムに入る時に持っていたバッグがあった
そのバッグについた大量の血はサンドバッグに入っていた富吉 優香の血と一致したし、中に入っていたのはサンドバッグの中身だった」
「うっ、よ余計に意味が」
「佐野 饗は今も生きて精神病院に入院中だが発見時はかなり酷い状態だった、今はましになったがそれでも喋らないし意思があるのかすら分からない、ただずっとぼーとしてどこか見つめている、言いたくはないが死んでるのと変わらん」
「・・・・」
「他の2名はどうなんだい」
「部下に手が空いた調べて欲しいと言ってある」
「そうかい」
「他にもここ数年の自殺とかたずけられた事件を一通り確認した、今までの事件同様に自殺する理由が不明の事件を調べてみたら、出で来る出て来るその数おおよそ52件詳しく調べればもっと出て来るぞ」
「うそそんなに人が」
「恐ろしいのはそんなにやって証拠が1つもないことだよ、やっぱり警察と組まないと犯人は捕まえられないね」
「そうだな、警察だけでも犯人逮捕は無理だ、真琴の言う通り協力関係を結ぶしかないようだな」
「そうだな」
「だがその前に凪さんだったが君に聞いておきたい」
「私にですか」
「真琴は大人で覚悟のうえで犯人を捕まえようとしている、だけど君は未成年だし下手をすればあの3人と同じ目に合うかも知れない、だからこそ確認したい、君は魔法少女を続けるかい」
「・・え、えーっと」
「出来ればここで魔法少女をやめて欲しい、これは間違いなく本心だ、本来なら無理矢理にでも変身道具を奪うのが大人の判断だろう、だけど出来れば君の意思を尊重したい、これは子供だらかとかじゃなく1人の人間として聞いている、君は魔法少女を続けるかい」
そう言う炎二の表情はとても険しい表情でありながらもどこか優しさが感じられた、この人は本当に私を心配しているんだと凪は思いながらも心の底から炎二に謝りながら口を開く。
「私は続けます、炎二の言う通り危険なのはわかってます、だけどもし知ってる人が殺されたら、大好きな友達やお母さんが殺されたらそう考えたら許せないと思ったんです」
「そうかそれが君の選択なら止めない、だけど無茶はするな困ったら俺を頼れ出来る限りのことはする」
「あ、ありがとうございます」
前回の後書きで書こうとしたネタをようやく思い出した作者です、書きたかったのは日にちの話ですね、投稿初期は日にちを考えながら書いてましたが今は特に考えずに書いてます。
理由は簡単、大体8話で1日経過するこの小説で日にちを気にして書いていると冬に夏の話を書くことにしまうからです。
わかりやすくするために大袈裟に言いましたが日にちを明確にしてしまうと5月の終わりにGWの話を書くことになるんですよ。
実際に今の作中の日にちが何日なのかと言うと4月28日になります多分、まだGWに入ってないどころかこれからGWに入るんですよ、で私のGWが終わったのに小説内でGWの話を書くのは嫌だし読んでる人もGWが終わってるのにGWの話を読んでもなと思うと思います。
日付を明確にするとこう言うめんどくさい現象が起こるんですよ、なので今は日にちは曖昧にして大体投稿日とと同じだよみたいなスタンスにしています、なので読む時は日付を気にせず読んでください。
気にしてしまうとドロップスがGWは始まってすら居ないのに終わったみたいな発言をしてる頭おかしい人になるのでぜひ気にせず読んでください。