第27話 3つの缶と2つの飴
2人の魔法少女は2階から飛び降りスタッと着地しドロップスの目の前に立つ。
「邪魔だとっとと帰れ魔法少女、今日は日曜日じゃないぞ」
「そういうわけには行かないよ、炎二さんを殺させない」
「1人で勝てないから2人で来たのか、片方は初めて見るがなんて名前だ?ボコボコにする前に聞いておいてやるよ」
「ミスティラウンだ、しかしボコボコにするとは聞き捨てならないな、君はマジカル1人に敗北して全裸にされて逃げた腰抜けと聞いけど、ねマジカル」
「え、そ、そうだそうだ」
「同じやり方が通用すると思うなよ、お前がのんびりGWを満喫している間に俺は進化した、すでにお前を超えたんだよ」
「自信満々のようだね」
[気を抜かない方がいい、はったりなんかじゃない、ドロップスの発言は本当だ、学校で戦った時のようには行かない]
「分かってる」
「私は四宮くんを守りながらサポートに回る、マジカルはドロップスを」
「了解、お願い来てスペルコード]
凪はストラップを手首のバンドにかざしストラップを元の40cmの青剣に戻すと剣を握り締めながら走りだす、そんなドロップスはもう一度手のひらに水を集めて圧縮してその水を放つ、レーザーのような水が凪に向かってくるが凪は足を止めなかった。
「ふん死にに来たか」
水の直撃にニヤリと笑みを浮かべてたが水は真琴が作り出した壁に阻まれる。
「なんだと」
「うおおおおおお」
凪はその壁を警備隊が使う盾のようにしながら水を防ぎ前に進む。
ドロップスの視線が凪に向いている隙に真琴は炎二の近くに行き折れた骨を刺激しないようにゆっくり持ち上げる。
「くっ、まさか俺が助けられると、痛てて」
「あまり無視して喋らない方がいい、何本骨が折れたか分からない、このまま外まで運ぶぞ」
「待て娘が」
「娘?おい四宮くんまさか穂乃花ちゃんを連れてきたのか」
「連れてきてない、勝手に来たんだ、いや待てなんで俺の名前と娘の名前を知ってる」
「それに関しては退院したら教えよう、取り敢えず穂乃花ちゃんは私に任せてくれ」
真琴はもう一つの壁を作り出したすとそれを横にした。その壁の上にゆっくりと炎二を乗せると壁を操り壁ごと炎二を外に出した。
「取り敢えず四宮くんはこれで大丈夫か、穂乃花ちゃんは・・・あれか」
「う ううぅ」
真琴は周囲を見たし壁に倒れて項垂れているホノカを見つけ、救出しようと走り出したがドロップスは凪の下手くそな剣撃をかわしながら足元の水道管を破裂させ真琴を打ち上げようとする、しかし真琴は足元に壁を展開しその水を難なく防ぐ。
「くそ、なんなんだあれ」
「よそ見するなんて、随分と余裕だね」
「だだのサンドバッグ相手に本気出すわけないだろ」
「いくら何でもサンドバッグはひどくない」
「事実だろこんな手加減しなくていい奴はなかなかいないからな、適度に強くて適度に弱いお前に相応しい名前だよ」
「なっ」
凪の攻撃はまるで子供が玩具の剣の振るっているかの様に弱く油断してても簡単にかわせてしまう、あくびすらできそうな攻撃にドロップスは口に入れていたドロップを嚙み砕き、ポケットから2つのドロップ缶を取り出した。
「見せやるよ、新しい力を」
パワードロップと書かれた缶から体を固くするオレンジ色のドロップを取り出し、能力ドロップと書かれた缶から雷の模様が描かれた黄色のドロップの合計2つのドロップを取り出すと、ニヤリと笑みを浮かべながらその2つを同時に口に入れた。
ベキ!!
「え」
剣がドロップスの体に当たった瞬間剣が折れた、しかし問題はそれだけではなかった、ドロップスの髪の毛がピンピンに逆立ち周囲にバチバチと電気を放っていたのだ、これは不味いと後ろに下がった凪だが、ドロップスは水浸しの床に向け体から電気を放った。
「どういうこ、ととととととととt」
水浸しの床は電気通し水溜りに足を付けていた凪は感電した、我慢できないほどのビリビリとした衝撃を感じると同時に人体が痙攣を起こして呼吸困難を引き起こす、さらに全身に赤いリヒテンベルク図形が作り出され、胸部にまでその電気が通電し胸部の筋肉が収縮し始める。
「あ、がっ」
凪の体はもはや呼吸困難の域を超え窒息し、バタリとその場に倒れこむ。
「マジカル!!」
「次はてめえだ!!!」
体から溢れる電気を放出し真琴に放つ、ことの顛末を見ていた真琴は足元と目の前に壁を展開し電気を防ぐ。
「クラフトくんあれは一体」
[言ってた通り、彼は進化したみたいだ、ドロップの種類を増やしさらに同時使用とは格段に能力が進化している、間違いなく他にも能力を隠し持っています]
「だろうね」
真琴は電気を壁で防ぎながらゆっくりと距離を置く、ホノカを助けたいが変に近づいて電気の餌食になれば危険だと考えホノカからも距離を置いた。
「・・・」
「壊せないか」
攻めようにも攻めれず攻撃を防ぐことしかできない、互いに見つめあい距離を置く何とも言えない状況になっていた、それにしびれを切られたドロップスは口に入れたドロップを嚙み砕き、アニマルドロップと書かれた缶を取り出し蓋を開けたその時
ビュン!! と魔法の矢が飛んできてドロップ缶を弾き飛ばした。
「な、なに」
矢を飛ばしたのは体を再生させた凪だった。
「このアマ」
凪は急いで立ち上がり走りドロップスに殴りかかる、しかしドロップスは既に缶から鷹のような鳥が描かれた赤色のドロップを取り出していたのだ、凪の拳が飛んでくる前にそのドロップを口に入れると背中から巨大な翼が生え、その翼を羽ばたかせ空高く舞い上がった。
飴の桃味が苦手な作者です、こう毎回あとがきに作品の小ネタを書いていると書く小ネタがなくなって日常生活の話を書くしかなくなって嫌ですね、出したいけどまだ出せない小ネタはいっぱいあるんですが、現時点で出せる小ネタはほぼないですね。
なので少し早いですが四宮家の小ネタをほんの少し話します、父である炎二と母と娘のホノカに設定だけはいる炎二のお兄さんなんですがこの4人には元ネタがあるんですね、特に能力は元ネタから取っている所が少しあります。
正解はある程度話が進んだら答えますね、まだ2名能力すら明らかになってないですしね、ヒントは驚きの4です。分かった人も分からなかった人もブックマークといいねをお願いします。