第24話 君はなぜ
〜〜〜〜〜いつかの車内〜〜〜〜〜
全身を黒いゴム製のスーツを来て特殊なヘルメットどグローブのような武器をつけた犯罪者の1人ムイナは炎二の運転する警察車両の中で大人しくシートベルトをつけて座っていた。
話すことなど特になくしばらくの間沈黙が続いていたがその沈黙に耐えきれずムイナは口を開いた。
「あの刑事さん」
「なんだ」
「いやかれこれ10分は無言だからさ、ほら何か話そうかなと」
「話す?何をだ」
「いや・・ほら休日は何をしてるかとか」
「家事」
「へえ偉いね休みの日は自分で家事をするんだ」
「まあ妻が死んだしな」
「あ~あぁ…うんなんかごめん」
「謝る必要はないもう過ぎたことだしいつまでも指輪をしている俺も悪い」
「本当にごめん」
「いちいち謝るな、謝るなら普段の自警団活動の事を謝れ」
「それはちょっとね、えーっとそうだ子供は元気」
「はぁ…話しをそらすな全く、まぁ元気か、元気だよ部屋から出てくれないけど」
「あ〜その…ごめん」
「何がだ」
「その…子供さんが家から出れないのに元気かなんてデリカシーのない発言を」
「別にいいさ事実だ、それに娘には娘の人生がある、今は出れなくてもいずれは出てくれればいいと思ってる」
「無関心だね、警部が死んだら娘さんは世間を知らないで世間の荒波に呑まれることになるんだよ」
「わ、わかってる」
炎二は虫の居所が悪いのか窓を開け、ポケットからタバコを取り出し口に加える。
「はぁ…」
「その…ごめん、言いすぎた」
「正論で言い返す言葉がないから吸ってるんだ」
「そ、そっか…でも警部の子供なら大丈夫だよ、そのうち出て来てくれるよ、会ったことないけど多分強い子だよ」
「当たり障りのないことを」
「いいじゃん、あんがい警部に会いたくて出て来てくれるかもよ」
「くだらん、俺なんかのために来るかよ」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「はあ はあ はあ」
何してるんだろう、そんな考えが頭を駆け巡った、外に出るのは小学生3年生以来で次に外に出るのは葬式の時ぐらいだと思っていた。
それなのに今は人目を避けながら全力疾走で倉庫に向かっている。
「はぁ はぁ ほんと はぁ な 何してるんだろ私 それにスーツなんて来て来ちゃって 馬鹿みたい」
少女は人のない路地裏に入ると座り込みヘルメットを取る。
無線で自分の父親が死んだかもしれないと思って走り出してたはいいもののこんな自分が行ってなんになるんだろうか、だけど父親が心配でのんびり帰りを待つなんてしていたら心臓がはち切れる。
今少女の中で帰りたいと言う気持ちと父親が心配と言う2つの気持ちでいっぱいいっぱいで自然と涙が流れた。
「パパ うぅぅぅ」
少女は涙をボロボロ流しながら父親の事を考える。
今年で14歳になるな少女だがまるで幼稚園児のように誰もいない路地裏で泣きじゃくる、時間を忘れるほど路地裏で泣いているとその声に誘われたのかピンク髪の女性が路地裏に入って来た。
その女性は少女の変な格好を見つつも、長い髪をなびかせながらポケットからハンカチを取り出し少女の涙を拭き取り声をかける。
「へいムイナ…じゃないよね大丈夫」
「ぐず うぅううう わぁあん!!」
少女は涙を流しながらピンク髪の女性に抱きつき、女性は一瞬驚いたものの直ぐに優しい顔になり少女の背中を優しく撫でた。
「うぉお、よしよしよし、何が良しなのかわからないけどとりあえずよしよしよし、落ち着いて」
「ううう パパ パパぁ…」
「パパ?なんか事情ありげだね、そのスーツも気になるけど、とりあえず泣くのやめよう、女の子は笑顔が1番だよ、ほら」
女性は少女をゆっくりと立ち上がらせるとまたハンカチで涙を拭き取り頭を撫でる、少女は女性の優しい目を見てだんだんと落ち着きを取り戻していった。
「落ち着いた?」
「うぅぅ はい」
「えーっと君はどこの誰?私は猿渡 彩香通りすがりの大学生だよ」
「わ 私は その…えーっと…」
「うん一呼吸しようか」
「……は はい はぁぁぁぁぁぁぁ」
「うん息吸おうか」
「す すみません ごめんなさい ごめんなさい」
「謝らなくていいよ」
「そ そそそそそそそ そうでででででで」
「太鼓の達人?」
「そそそそそ それはその」
「まあ落ち着けって、はい吸ってー吐いてー」
「はあああぁぁぁ すううぅぅぅ はあぁぁぁぁぁ……」
「よしいい子いい子、落ち着いたかな?」
「……はい」
「じゃあ自己紹介できるね?」
「……」
コクン 少女は無言で頷くとまた涙目になりながら勝手に震える口を開く。
「わ わわわ私はし四宮 歩乃華で…です」
「四宮?……もしかして警部の娘さん」
「パパを知ってるの」
「うん知ってる知ってる、でもなんで路地裏で泣いてたの、それにその服はどうしたの」
「い 家にあって きききき気になななって着てたら ヘルメットからパパの声が」
「あ〜あぁ、もしかして断末魔みたいな声だった」
「うん」
「それは…えーっとどう言う言葉をかけたらいいのか、えーっとホノカちゃんはお父さんが心配で来たんだね」
「う、うん」
「そっか、でもお父さんは無事だと思うよ、ああ見えて危機管理はできる人だし、それに危ないから帰った方がいい」
「で でも」
「そんなに心配」
「うん」
「そっか、どうしようかな」
彩香は腕時計とホノカを交互にチラチラ見ながら考えにふける、彩香は何か予定でもあるのか深く考える表情を浮かべつつポケットから車の鍵を取り出した。
「そのお父さんの場所わかるかな、そんなに心配なら送るよ」
「ほんと に ですか」
「お姉さんは暇だからいいよ、だけど見に行くだけだからね、約束できる」
そう言うとしわしわな小指を出す、ホノカも小指を出して彩香の小指に巻きつけ子供のように指切りげんまんをすると手を繋いで路地裏から出て近くに停めていた車の前に立つと鍵のボタンを押す。
「あれ、ちょっと反応悪いな、この」
ピピ
「あいたあいた、どうぞ」
「え その し 失礼しまひゅ」
助手席を開けてくれた彩香、ホノカはヘルメットを座席に置きながら車に乗り込むとシートベルトをつける、そして彩香はエンジンをかけて車を発進させる。
みなさんスターレイルの新ストーリーが来ましたね、本当に好きなキャラクターだけ課金しようと思っていましたがブラックスワン以降の新キャラ全員に課金してしまっています。
流石にブートヒルを回したらホタルちゃんがやばくなりそうなのでブートヒルはスルーしたいですね、まだストーリーを見れてないのでこれでアベンチュリン並のストーリーの良さだったら不味いですね、一体私はあと何万円課金するのでしょうか。