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第21話 ごめんでもう一回

 事務所に来た警察官は椅子に座ると真琴が出したコーヒーの匂いを嗅ぎゆっくりとコーヒーを飲む。


「ここに来たと言うことは今日は仕事がないのかな」


「仕事なら山積みだ、ムイナの件といい昨日の魔法少女も件もあるしな、お前の話だと現れた氷の怪物の正体が大月 領らしいな」


「そうだよこの目で見た」


「そうだ領くんはどうなったんですか」


「どうにもなってないさ、少なくとも警察は怪物と領は別人だと言う判断だ、病院で検査を受けて、今は……」


 コーヒーを机に置き入り口を見るが言うだけ野暮かとすぐさま視線を戻す。


「まあ無事だ、これと言って怪我はない、ただ問題はあの道具だ」


「星型の道具だね」


「警察内ではスターツールの略でスールと呼んでるやつが居たな、ここ最近逮捕された犯罪者も使用していた道具だ

2日前もフリーサイズがその犯罪者と戦ってたよ、使ってはないが部屋に置いてたりバッグの中に入れてたりする犯罪者がかなりいたな」


「どうしてそんな危険な道具を領くんが」


「さあな、だが子供が簡単に手に入れれるわけがない、大人が関与している、そして大月と交流があった大人となれば」


「彼のカウンセラーの野上くんだけね、親という可能性もあるけど」


「領くんの親がそんなことしないと思います」


「だが野上もそんなことができるほど暇じゃないし、他の患者を調べてもスールは出て来てない」


「本人に聞くしかなさそうね」


「結局はそうなるな、とりあえ…」


 プルルルルル プルルルルル


 四宮の電話が鳴りコーヒーを飲み干し立ち上がる。


「チッムイナか」


「え?ムイナ」


「…なんだムイナ仕事中だ」


「なんで連絡先知ってるの一応指名手配犯ですよね」


 さっきから名前が出ているムイナは現在指名手配になっている犯罪者の1人だ、犯罪と言っても悪いことはしていない、街中で暴れている暴徒を鎮圧したり、迷子の子供を助けたり被災地に駆けつけたりなどの善意からくる行動をしている。


 ならなぜ指名手配になっているのかと言うといくら善意からくる活動とはいえその活動が無許可であり法に触れている例が多くからかだ。


 例えば町中の電子機器をおかしくした犯人を捕まえるためにその犯人が経営していた大規模な会社の壁をぶち破りその犯人をボコボコにしたり、日本で盗みを働きそれを海外で売り捌く犯罪者を追って飛んでる飛行機の中に入って飛行機から引き摺り出し証拠付きで警察に突き出したり。


 他にも刑務所に侵入してその刑務所にいる囚人をボコボコにしたり、半グレ集団とヤクザを壊滅させたりとなどなど色々やっているため現在指名手配になっている。


 ちなみに名前は【無許可能力使用常習犯 No.017】が正式名称で017だからムイナと呼ばれている。


「彼とムイナは不思議な関係性でね、簡単に言ったらルパンと銭形みたいな関係でね、特に彼は警察が対処できない事件をムイナに任せる時があるんだ」


「そんなことしていいの警察だよね」


「ダメだよ」


「ですよね」


「いいじゃんじゃなくてだな、はぁ…ん?なに下水道に落とされたせいでスーツが汚れた、おいお前今何して……え?シャワーを貸してだと」


「互いに利用したりされたらの関係なんだよ、本人達の目的と一体してるしね」


「い、いいのかなそれ」


「はぁ、おい待て勝手に入るな、確かに渡したが……銭湯に行けよ銭湯に…はぁぁわかったよ、ただ上の部屋には入るなよいいな」


 ブチ


「すまないが出てく、話はまた聞く」


 そう言いながら椅子にかけていた上着を羽織り胸ポケットから車の鍵を取り出しそのまま事務所から出て行った。


「…た、大変そうですね」


「ちなみに四宮くんは私と3歳差だ」


「そうなんですか」


「うん、で……いつまで外にいるつもりなんだい大月くん」


「え?」


「昨日四宮くんから連絡が来ててね、君を連れて事務所に来るから事情を聞いてやってくれってね」


「ずっと外にいたの」


「今更どんな顔して会っていいのかわからない気持ちは理解できるけど、そのままずっとそこにいる気」


 そう言うと事務所のドアが開くと領が入って来た。


「領くん」


「……その…あの……すまなかった、色々その…迷惑をかけた、あんな殺すような真似を…」


「別にいいよ謝らなくても、こうやって元気ピンピンなんだしさ」


「……お前の言う通りに謝って来たよ、心の底で嫉妬しててムカムカしてた、そんなくだらない理由でやったって

許されるわけがないのはわかった、殴られることを覚悟して頭を下げたよ」


「それで許してもらえたの」


「いや全然、みんなまだ怒ってるよ、だけど許されるまでやるよ」


「それでいいと思うよ」


「そこの子供もすみませんでした」


「あ、いや領くんこの人は…」


「気にしてないからいいよ、だけど問題は謝った先にあるんじゃないかな、君はもう水泳のプロにはならないそれでも続けるのかそれとも別の道に行くのか

大切なことは目の前のことじゃなく、その先の事だよ何事もそうさ」


「あ、ああわかってる(年下に言われてもな)」


「あの領くんこの人こう見えて39歳」


「え!?」


「さて、君には色々聞きたいことがあるんだ、包み隠さず話してくれるかな」

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