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第20話 寝ぼけ眼な名探偵

「……うぅ…ドドリアの卵って……はっ」


 悪夢でうなされていた凪は知らないベッドの上で目を覚ます、ぼやけた視界で当たりを見渡すが知らない天井に知らない棚、知らないビックサイズのベッド。


 見慣れない物ばかりで状況が分からず起きあがろうとすると体が少し重いと感じた。じんわりと温かさを感じながらゆっくりと立ち上がろうとした瞬間左腕に何かが触れた。


「ん?なにこれ」


 恐る恐る布団を捲ると、そこには全裸の真琴がしがみついていた。真琴は幼児のように無邪気に微笑みながら、まるで安らぎを求めるように左腕に寄り添って眠っていた。全裸で


 よくよく周りを見たわしてみると床や布団の上には服や下着が無造作に置かれていた。


「は、はえ」


 理解が追いつかず何が起きたのか分からない凪、ゆっくりと左手を離すと布団がはらりと落ちる。


「え?え?え?え?」


もう一度布団を被せるがやはり現実は変わらない。


「……ん……あれ?さわたりさん……?」


 凪の混乱を知らずに真琴は目をこすりながらゆっくりと起き上がる。


「あ、あの……これは一体……」


「…うむおはよう猿渡さんん?あれ?私……なんで裸?」


 寝ぼけているせいか頭が回らず、真琴は右手で胸を隠しながら周囲を見渡す。そこでやっと頭が働き始めたのか顔がゆっくりと赤くなっていく。


「あ、あの!猿渡さん!ごめんなさい!ちょっと」


「え!どこ行くの!?待って」


 思わず真琴は慌ててベッドのシーツに体を巻いて部屋から飛び出そうとした。しかし足元の缶ビールで足を滑らせ扉にぶつかりその勢いで扉が外れてしまう。


「いっ、たあぁ……」

「ちょっと!?大丈夫!?」


「だい……じょうぶです。え、えっと少し待ってて下さい!服を着るので」


 そう言うと真琴は頭を抑えながらベッドの下に落ちていた下着と服を拾いながら急いで着ていく。凪はただ呆然としながらその行動を見守るしかなかった。


「あ、あの……猿渡さん……」


「な、なに?どうしたの?」


「……す、すみませんお見苦しいものを」


 謝罪しながら淡々と棚にかけていた私服に着替える。


「いやいや別にお見苦しいないよ、それよりここはどこ、それになんで真琴ちゃんが居るの」


「ここは私の家です、覚えてないですか一緒に戦った後に倒れちゃって、そのまま寝かすのもアレだから家に連れて来たの」


「………ん?一緒に戦った?」


「うそ覚えてない、もしかして頭に重症が」


「私が一緒に戦ったのはミスティラウンちゃんだけど、そう言えばラウンちゃんは誰なんだろう」


「わ、私だよほら」


 そう言いながら机の上に置いてあったバンドと赤いメガネを見せる。


「うそ!!え、ラウンちゃんって真琴ちゃんだったの」


「今気づいたの」


「いや〜全然気づかなかったよ、認識変更のおかげかな、ラウンちゃんと真琴ちゃんが別人だと思ってた」


「それなら身バレはしなさそうね、よかったよかった、お腹空いてるよね簡単なの作るから待ってて」


「わかった」


 台所に向かう真琴を見ながら、凪は安堵のため息をつき部屋を出る。


「凄いや、まるで探偵事務所みたい」


「探偵事務所みたいじゃなくて探偵事務所さ、私がやってる神川探偵事務所で私の家」


「…探偵って……小学生でもできるの」


「違う違う、私はこう見えて39歳、お酒だって飲めるし車も運転できる年よ」


「…………え、うそ真琴ちゃん年上なの」


「身長のせいでよく誤解させるの、小さい頃に階段から落ちて打ちどころが悪くてね、成長ホルモン分泌不全性低身長症になって身長が伸びなくなったの」


「そうだったんですね、なんかごめんなさい真琴さん」


「別にいいよ気にしてないし、それよりほら簡単な料理だけど」


 そう言いながらテーブルの上に並べられたのはフレンチトーストだった。凪は目を輝かせながらフォークでフレンチトーストを一口サイズに切り口に運ぶ。


「美味しい!これすごく美味しいです」


「それは良かった」


「……ん?でも39歳ならなんで学校に来たんですか、お姉さんの部活じゃないですよね」


「それは嘘でね、実は野上 佐山さんの件で来たの」


「野上さんってカウンセラーですよね、自殺したって聞いてますけど」


「それが色々あってね、どうにも自殺ぽくないんだそれで最後にカウンセリングを受けた大月くんの話を聞こうとしたんだ、それで学校に来たんだけどまさかあんなことになるなんて」


「そうだったんだ、そう言えば領くんはどうなったんですか」


「それに関してはそろそろ」


 トントントン


「噂をすれば」


「誰か来た」


「入って来ていいぞ四宮くん鍵はかかってない」


「そうか入るぞ」


 そう言いながら入って来たのは金髪の警察官だった。入って来た警察官は凪の顔を見るなり驚きを隠せずにいた。


「あ、えーっと初めまして凪です」


「……ああはじめまして、警察官の四宮だ」


 無愛想な人だと言うのが凪の初対面の感想だった。


「四宮くん彼女は大月くんとクラスメイトで事件の重要参考人だ、野上くんの事件は知ってる」


「あまり一般人に話さないでほしいんだがな」


「まあまあゆっくりしてくれたまえ、コーヒーでも出すよ」

さてGW終了ですねみなさん。結局外には出掛けられませんでした、スペイン村に行ってみようかななんて思ってたんですがまさかトレンド入りするぐらい混むとは

とは言え家でゴロゴロしてるだけのGWもいいものですね。

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