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第239話 早めのバファリン

「さてお仕置きの時間だぞ」


 拳銃に弾を込めている間に時雨は口に入れてた飴を吐き出し、缶を振り傷を再生させる緑色の飴と移動速度を上げる青色の飴を取り出すと口に入れる。


 脇腹の弾丸が抜け、傷口が徐々に塞がり肉体が再生し始める。


「わ、悪い俺のせいでお前」


「わかってんならとっとと帰れ、邪魔で仕方ねぇんだよ」


「優しいねぇ意外に」


「あぁあ?」


「私に狙われるのが分かってた、だがらその子の家から離れた、戦いに巻き込まないように、優しくて驚いたよ魔法少女と敵対する悪の親玉の幹部らしくない」


「勘違いすんなよ阿婆擦れ、てめぇを殺すのにあそこじゃやりづらかっただけだ」


 傷口が完全に塞がった時雨は瞬きするよりも速いスピードで千歳に近づき殴り掛かる、時雨の拳を真正面からくらい骨が何本かへし折れながら塀に激突し、大量の血を吐き出すが満面の笑みを浮かべながら引き金を引く。


 高速で動く時雨に当たるわけがなく、弾丸は何もない空中を素早く横切り、その弾丸よりも素早く千歳に接近すると拳銃を持つ手を殴り拳銃を落とさせると顔面を殴る。


「はははははは、ははははは」


 目にもとまらぬ高速の打撃の連打は皮膚や神経、筋肉までを削り取り、真っ赤に濡れた頭蓋骨だけが残り、残った頭蓋骨も全力の右ストレートを風穴を開ける。


「はあ、はあ、はあ」


 肩が激しく上下に動くほど呼吸を荒くさせながら、右腕を元に戻した瞬間頭蓋骨の口が動いた。


「なに」


 両腕が上がり時雨の腕を掴むと、頭蓋骨はカタカタと笑いながら頭突きをくらわせ、腕を引っ張り前かがみの姿勢を取らせると下がってきた頭に膝蹴りをくらわせる。


「ぐっ!!」


 カタカタと不気味な音を鳴らしながら千歳は手を離し、腕を横に大きく広げると両手で挟み込むように勢い良く振りかぶり、時雨の頭を叩きそのまま押し潰そうとする。


「ぐあああああああ」


 カタカタと笑う骨は徐々に肉と皮膚を元に戻していき、5秒足らずで元の状態に戻る。


「ははは捕まえた」


「ああああああああ」


「また油断したね、私の能力はより強化されてる、どんな攻撃でも私は倒せない」


 缶を握り締め、逆転を狙おうとするが千歳は時雨の体を揺らし手に持っていた缶を落とさせる、メキメキメキと骨がきしむような音が鳴り響いていると氷に触れたような冷気が吹く。


「あれ?あれあれあれ」


 千歳の体が徐々に凍りはじめ手に力が入らなくなる、その隙に時雨は勢いをつけて千歳を蹴り、千歳の手から離れると地面に落ちた缶を手に取り急いで後ろに下がる。


「ふーん、逃げないで私の邪魔するんだ」


「っち余計なお世話だ」


「そりゃないだろ、命がけで助けてやったのに」


「助けなんて必要ねえ、俺一人でどうにでもなった」


「強がってる場合じゃないだろ」


 領は能力を使って千歳を凍らせ動きを封じるが、千歳の体は小刻みに震えており見るからに効果はなさそうだった。


 例え領と時雨が手を合わせたところで勝てないと考えた領は急いで凪に連絡を入れるも、現在時刻深夜1時。徹夜で宿題を終わらせ爆睡している凪が電話のアラームごときで起きるわけもなく、全然連絡がつながらない。


「くそ、あいつどんだけ寝てんだよ」



「何の騒ぎだ」


 近隣の電気がつき始め、家から外に出ようとする足音が聞こえだす。


「ここじゃ不味い」


「だから俺は少しでも離れようと」


「はいはい俺が悪かった、ここだったら公園が近いか、ちょっと大人しくしろよ」


 凍結能力で靴をスケートシューズのように変化させると道路を凍らせ、時雨をお姫様抱っこで持ち上げる。


「おいてめぇこらあ、何の冗談だ」


「俺だって男相手にこんな事したかねえよ、けどとっとと逃げないとまずいだろ」


 領は凍らせた道路をスケートのように走りだしながら猛スピードで公園へ向かう。千歳は体を動かして前から倒れ凍った体を破壊すると体を再生させ領を追跡する。


「もうどうなってんだよお前の姉」


「アンナの姉ですらねえよ」


「良いってそう言うの、くそ...全然連絡があ、やっとつながっ...って切りやがったあいつ」


 公園にたどり着いた領は時雨を降ろしもう一度連絡をかける。


「頼むから起きろよマジで」


「さっきから誰に連絡してんだてめぇ」


「マジカルピンクだよ、あいつを倒してもらう」


「なめんな!!あんな奴俺一人で十分だ」


「ボコボコにやられてたじゃねえかよ、どうやって勝つ気だよ骨から体再生させるバケモン相手によ!!」


「そんなもん正面から」


「強がるなよ、本当は自分でもどうでもできない相手だってわかってんだろ」


「うるせえね、戦わないといけに時に負けることを考えながら戦って勝てるわけないだろ、俺は勝つことだけ頭に入れてる、負けることなんて考えてもないね」


「ならどうやって勝つか頭の中にあるんだろうな」


「...それは......あれだよピンク頭と同じように水で窒息死させれば...」


「頭蓋骨でも呼吸してた女だぞ」


「凍らせて殺せば」


「さっき全身凍りずけにしたけど追って来てただろ」


「うるせえなさっきから、否定ばかりしやがって、人の作戦に文句言うならてめぇも考えろや」


「俺は関係ないだろ」


「てめぇがずかずか入り込んだんだろうがよ!!くそマックスの言う通りになって来たな、魔法少女が倒すまで待てか...くそ反吐が出る」


「誰か知らないけどその人の言うこと聞いてた方がよかったな」


「うるせなくそが、コンプレックスの力で能力が格段に進化してやがる、コンプレックスを何とか引き剥がせれば...」


「な、なにそれコンプレックスって」


「なんか妖怪みたいなやつ、取り憑いて人間の精神をおかしくして能力を強化する」


「じゃあ元の能力よりも強くなってんのかよ」


「さっきからそう言ったんだろ馬鹿」


「バカってなんだよバカって…能力が強化か…」


「あの能力さえ無ければ」


「それ一般人相手に喧嘩してるだけじゃねえかよ、ん?能力がなければ…」


 領は家を出るときにポケットに入れた薬を取り出す。ボブから貰った能力を消す薬これがあれば千歳の能力を消せるはずだ。


「………これがあれば」


 いや、ダメだ。


 これは俺の分だし、能力を消すなんて言う貴重な薬を何個も渡してくれるとは思えない、普通に考えたらなん100万円払っても買えない奴だ


 逆になんでこんなのタダでくれたんだあの人。


 そんな貴重な物を何個も渡すわけがない、それに他人に無理やり使ったとなれば、そんな奴に薬なんて渡したくなくなる。


 これで俺の能力を消せば、夢を追いかけれる…だけど能力を手放すのが怖いし、運動神経も以前より格段に下がってる、そんな状況で頑張ってもいい結果は残さない。


 どっちが正しいのかわかんねぇのに…ここで決めろってか…


「...お、おい」


「なんだ」


 領は自分の中で色々考え、手を開き薬の入ったケースを時雨に見せる。


「もし能力が消せたらどうする」

どうも息抜きで書いた小説が思いのほか楽しくてこっちの投稿が遅れた作者です、いや…あれですよシンプルに239話も書いてると疲れるんですよ。


逆に239話も書いてるのにネタ切れがないどころかネタが溢れるのがおかしいんですけどね。ネタはあるけどやる気が無くなってきてるので、もしかすると投稿頻度が落ちるかもですね。

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