第233話 話すべきだよね
〜〜〜姫乃国立大図書館・地下魔術関連物保管所〜〜〜
様々な魔術に管理する姫乃図書館、現在は鳥籠に拘束されたクリフォトの魂と精神治療の一環で療養中の美穂もそこにいた。
真琴は世羅が使っていた鏡の世界に繋がる事ができる石を彩芽に見せるために図書館に来ていた。
「何かわかる彩芽?」
「この石…魔術的な物ね、と言うか…」
「まぁ…薄々わかってたけど」
「え?なになに?」
真琴と彩芽はゆっくりとクリフォトの方を見つめる。
【なんだ我に何かようか】
「この石から貴方の魔力をとても感じるけど…また何かしたの」
「ちょっとクリフォト、約束したじゃん、しばらくはおとなしくするって、私の体を乗っ取らないからって別の悪い事したらダメだよ」
【言っておくが我は何もしていないぞ】
「ならこれはなんだい、ある犯罪者がこれを使って君の庭である次元を行き来していたぞ」
【我は無実だ、その事は我の心臓が証明するはずだ、我は常に監視されている】
「人のこと心臓呼びはひどくない、もう君の心臓じゃないんだよ私」
「ならこれはなんだ」
しばらくの沈黙の後クリフォトは答える。
【1つ心当たりがある、我がヒーローズハントに手を貸していた時、代表者の1人にアスルタルスの魔石を与えた】
「なんだそれ」
「私も聞いたことないアーティファクトね」
【簡単に言えば我の次元を行き来できる力だ、だがその石ではない】
「世羅は組織の連中が作ったと言っていた、もしかするとその魔石を元にこの石を作ったのかも」
【可能性は否定できんな、だが1つ言えるのは我は何もしていないし、我の言葉は正しかったわけだ、人類は過ちを繰り返し我の次元を荒らす】
「また暴れる気」
【もし…我の次元が荒らさせる事があるなら、我は動かざるおえない】
「早いところこれを作ってる奴らを見つけないと、クリフォトがまた暴れ出すな」
「そうね、所でその魔石は誰に渡したの、その人間をヘンリーさんに調べてもらうわ」
【柳田 羽矢三郎と言うか男だったな】
その言葉を聞いた彩芽の手が突然止まった。
「本当にその男なの」
「知ってるのかい」
「もとMSCの研究部門の管理者だった男よ、私の子供を勝手に研究の材料にした挙句、処分しようとした男」
「彩芽から永歌ちゃん(クローシア)や美鈴ちゃん(サイキックス)を引き剥がした人だよね」
「処分の件で組織をクビになった。再就職先がどこになったのか興味もなかったけどハントに所属していたなんて」
「魔術を研究する組織の元トップか…まったくなんて奴に変なものを与えるんだ」
【奴らのおかげでヒーローはある程度処理できた、我が栄で暴れられたのも奴らのおかげだ】
「そのせいで今や自分の次元が荒らされそうになっているんだぞ」
【その時は人類にその罪の償いをさせるまで】
「ほんとこいつTwitterで人間を調べたような思考回路してるね」
【もうXだぞ】
「取り敢えず私はこの石を調べてみるわ、柳田についてわかるかもだし」
「忙しいのに悪いね」
「全然これぐらい大丈夫よ、大きな子供も世話に比べればこのぐらいなんてことないわ」
「ねえ、大きな子供って私の子と言ってる」
「私もいろいろ調べないといけないから今日は帰るよ、だから...その...美穂ぬいぐるみみたいに私を抱きしめてないで離してくれないか」
真琴が図書館に入った瞬間からずっと美穂にぬいぐるみのように抱きしめられ、持ち上げられていた。
「え、やだ」
「私だってそんなに軽くないだろ、それに少し汗臭くて恥ずかしいから離してくれ」
「こうしてないと逃げるじゃん」
「何から」
「私から。真琴に少し聞きたいことがあるから」
「なにを」
「翼のこと」
「...マルチスキンと言う犯罪者のせいだ、触れた人間を着ぐるみみたいなスキンに変え...」
「その話じゃないよ、真琴さあの廃墟でネタばらしがある前から偽物だって気づいてたよね」
「何を根拠に」
「真琴の反応とか顔見れば映像越しでも分かるよ、あ、事前に知ってたんだなって」
「世羅が隠しカメラを仕掛ける時、映像には何も映らずカメラは宙を浮いて居た、世羅が遠隔で操ってるとも思ったが、世羅は見えていないと操れない
そして関係者じゃないと知りえない情報の数々に赤口の殺害方法にゲームを撮影している見えないカメラ、それらを見て犯人は翼だと思った、それを確信に近づけるため彼女に会いに行った」
「それで偽物だと確信したんだ」
「うん、彼女はどうでもいい情報だと思って言ったメフィスに合っていないと言う情報で確信に近づき、サブの携帯で連絡先を交換した時に確信した
既に連絡先を交換してるのに、交換してないことに関して何も言わなかった。確信を得た時点で君に連絡しようか悩んだんだが君の精神状態はまだ」
「私のことじゃないよ、あの子達の事考えたの」
「私もあんなタイミングで正体を現すとは思わなかったんだ、少し泳がせれば尻尾を掴めると思って泳がせた」
「だとしても気づいたタイミングで知らせておくべきじゃないの」
「...あの子達の知らない所で私が処理しようと考えていた、知らないうちに」
「反省してないね真琴、私がなんでこの図書館で暴れたか覚えてないの」
「クリフォトの影響下にあったからで・・」
「それもあるけど、一番の理由は夫と両親の死因についてずっと黙ってたことだよ、ガンで死にかけてる時ですら言わなかった」
「・・・」
【つくづく愚かだな、隠蔽体質が体に染みついている。隠して誰にも言わなければ問題はない、自分が押し込めば皆が幸せだと思い込んでいる】
「いっときはそれで幸せかもしれないけど、隠されてる時間が長ければ長いほど、隠されてる側は嫌な気持ちで溢れてくる」
「それは・・」
「私でそのこと経験したんだから、同じ過ちを繰り返さないでよ、彩芽もだよ。それにあの子達は仲間なんでしょ、1人でかたずようとしないで皆で解決しなよ」
「そう・・だね」
どうも医者に3年で20kg増えたねと言われた作者です、筋肉でしようかいいえ脂肪です、逆に言えば3年前は60キロだったのか。
さて、今回は私がどんな感じにシナリオを考えているかを書くますね。まああまり結果を残せてない人が考えてるシナリオなんでそこまで説得力はないですけどね。
基本的に私は終わりを先に考えています、その終わりに必要な要素を考えて、その要素に関する話を考え、その話のメインになるキャラクターを考えます。
ボブがいい例ですね、終わりにゴッドウォーズが必要だったため、ウォーズの要素とウォーズを形作るキャラクターとしてボブを出しました。
この話にこのキャラが必要だからこの話を考えて、その話にあれが必要だからこの話を考える、と言うように私は作品を作ってます。
そして個別の話も基本終わりを考えてから細かいところを書いてます、前回のアーケーダー編も終わりと細かい要素だけが決まってましたが細かい内容は決まってなかったです。
わかりやすいように1.2.3章で書きますが、まず1章の文章を書いてる時に2章の細かいシナリオを考えつつ、3章の終わりや要素を考えその伏線を1章で出せるかなどを考えます。
で2章を書いてる時に3章の細かい話を考えて、終わりに必要な要素から4章の終わりや伏線を考える、とこんな感じにやってます。