第228話 顔真っ赤
無駄に眩しいだけの太陽に似たアーケーダーの体は崩壊し、スーツに囚われていた魂は元の肉体に戻り、アーケーダーこと世羅は目を覚ますと真琴達が周囲を取り囲んでいた。
「あ、あ~あ・・・どうも」
「ふん!!」
穂乃花は世羅の足を思いっきり踏みつけ、叫び声を上げる。
「ああああああ!!痛った!!おいこの野郎怪我人に何を」
「ほうほう怪我人ですか へーそうですかそうですか こちとら住所やら本名やら公開させて精神的苦痛でノイローゼになった怪我人ですけど!!なにか!!」
世羅の胸ぐらをつかみながら持ち上げ、鉄に変えた頭を押し付ける。
「もう治ってるよねこれ」
「ランドくん世羅を離せ、機嫌悪くなって話さなくなったら大変だ」
「はい」
グギ
「痛てええ!!!このメスガキ俺を落としやがった、絶対に骨折れた絶対に、終わったら訴えてやる」
「さんざん人をボコボコにしておいて自分が痛い目にあったら騒ぐなんて」
「助手君落ち着きたまえ話さなくなる」
「そ、そうだぜ俺の気分次第でマインドレスのことが知れるか知れなくなるか決まるんだぜ、もうちょっと丁寧に扱ってくれても・・」
調子に乗り始めた世羅の正面と背後に壁を作り出してその壁で世羅を挟む。
「ぐべえええええ」
「言っとくが調子のるなよ、私が2人に注意したのは拷問する手間を省くためだ」
「か、カメラの前だぞ」
「このままこの壁を操作して高速回転させるだけだ、身体に何の影響も与えないし他から見れば面白映像で終わるお前以外は」
「お、鬼かよこいつ」
真琴は壁を解除して世羅を解放する。
「まずマジカルはどこに行った」
「か、鏡の世界だよ」
「君の能力は念力のはずだろ、なんで鏡を行き来する能力を持ってるんだい」
世羅は嫌そうな顔を浮かべ答えようとしなかったが、真琴が分かりやすく地面を強く踏むと、いやいや紫色に光る石を取り出した。
「これは」
「詳しくは知らねえよ、ただこれを使えば自由にアクセスできる、原理もどうやって作ったのかも知らねえよ」
「これを作った?」
「だから詳しくは知らねぇって言ってんだろ!!組織の連中が作ったんだ、俺は渡されただけだ!!」
「ほんとかなぁ なんか噓ついてるんじゃない」
「マジカルを鏡の中に入れるときにこの石を使うのを見た、少なくとも本当のことだ、それで本題はマインドレスのこと離してもらうぞ」
その話題になった途端、アーケーダーがあからさまに距離を置こうとしたがボロボロの体ではまともに移動できない、まるで芋虫が動いているみたいに全然進んでいない。
「逃げてるの? これ」
「全然進んでないね」
「逃げれると思ってるのか、早いところ話せ」
「あ、あいつとは・・有料サイトで載せる映像を提供している仲ってだけだ、そこの紫色のガキもそうだがあいつのプレイ映像を俺が買い取って載せてるだけ、あとマルチスキンからゲーム用のスキンを買ったりしたりしてる。あいつが何者でどこに住んでるのかも知らない」
「どうやって取引を」
「鏡を使ってやってる」
「連絡先は」
「・・・」
「連絡先は」
「調子に乗るなよ!!これ以上話して何の意味がある、俺の刑期が短くなるのか!!ならないだろ、てめぇらにペラペラ喋っても何の意味も価値もないんだよ」
「その反応、まだ何か隠してるな」
「そうだよ、だけどそれがどうした、ここで言って何の意味がある!!」
「なら後は警察に任せるとして 私に言うことあるよね」
「何をだ、てめぇみたいな社会のゴミクズに何を言うことがある」
「あんな事件を起こして みんなの個人情報を公開して何も言うことがないって」
「言っただろ俺は望まれてることをしただけだ 見て見ろよあの・・・えーっと吸血鬼のメスガキのゲーム開始時のアクセス数を何万人いたと思う? あの配信もそうだ何万人がわざわざ見に来たと思う」
「そんな数万人よりも何百人が望んでない 声のでかいだけの少数派の意見を全人類の総意だと思うなバーカ」
「うるせえ、と言うかこれが仕事だろ、玩具にしてもらって馬鹿にされるのがてめえら配信者の仕事だろ」
「勝手に決めつけんなよカスあほバカ 壊れない墓石があるからって電動ドリルで壊そうとすんのか やっていいこと言っていいことの区別ぐらいつけろよいい大人だろ」
「気色悪い存在のくせに何言ってんだ、声優もどきのカスがアニメのキャラクターふりしてて気色悪いんだよ」
「セリフが用意されてるアニメと配信を一緒にするとか頭悪いんじゃないの と言うかいい大人なら他人の趣味に寛容になれよ 自分の趣味だって対して変わらないだろ」
「うるせぇ!黙れ黙れ黙れ!!てめえら全員」
「おい!!」
世羅の体が突然浮き始め全員が戦闘態勢に入る。
「なんだよ、俺の意見は正論だろうが、きも豚製造機の民度最悪のゴミが俺にいっちょ前に・・」
「能力を解除しろ世羅」
「は?何言ってんだ、能力なんて使って・・」
突然背後から世羅の体を剣が貫いた。
「なに?」
「・・・は? な、なんだよ、これ」
背中から貫いた剣が抜け、宙を浮いて居た世羅が投げ捨てられるように地面を転がる。
「て……テメェ…おれ……を」
「なに・あれ」
「やはりそうか」
この場に居る全員の視線が地面に転がる世羅には向いておやず、世羅がいた場所を見つめていた。
世羅が居た場所には血が空中に浮かんでおり、まるでそこで誰かいるみたいに血が浮かんでいた。
「ちちちちちちちち 血が!!」
「血が空中に」
「違うよ、と、透明人間だよ」
目には見えない透明の人間が、手についた赤い血を自分の顔に塗りつけると見覚えがある顔が空中に現れた。
「あ、あれって」
「・・・え、つば・さ」
穂乃花がつぶやくと同時に能力を解除してその姿を現す、そこには血で汚れた翼が目の前に居た。
「やっはろぉ〜おひさ皆」
どうも今日は早く帰れると思って夜ご飯を買いに行って家に帰ったら渋滞に巻き込まれた作者です、ほんと最悪ですよ家に着いたの8時ですよ!!
焼きうどんの材料買い込んで、夜は焼きうどんだとワクワクしてたから料理しない手もなく、料理してお風呂入って食べて皿洗えば10時!!ほんと。。!。。
まあこんなに文句を言っても時間は戻ってこないので、本編の話に戻りましょう、さて…翼さんが最後に登場しましたね、ネタバレになるので細かい話は次回の後書きで書きます。
今言えることは彼女の能力でなにができて、なにをしたのかです。