第224話 常に空の上
「なんだぁ」
「いけ、ゴブリンナイト」
170cmぐらいの長身のゴブリンが、鉄製の鎧を纏い槍を持つ、兜の中の瞳を輝かせながら、アーケーダーに槍を振るう。
アーケーダーは自分の体を能力で浮かせながら、槍の突きを回避してハンマーで殴りかかる、その攻撃を後ろにジャンプして回避する。
〔・・・・〕
「チッ、この後に及んでよぉ……舐めてんのか俺をよぉ!!こんな出来損ないで勝てるって思ってんのか!!」
照明のケーブルをあやつりゴブリンを縛りつけようとするが、ゴブリンはそれらをいとも簡単に切り裂き、アーケーダーがそれにイラつき舌打ちをしていると
背後から暫が拳を握り殴りかかるが、床のタイルを引き抜き暫にぶつける。
「くっ」
「引退したまんまの方が良かったな」
腹部に飛んでくるタイルを腕で防ぐも、背後に立つ念力で剥がれた床に激突し、そんな暫に向かってハンマーを振りかぶる。
「おらぁ!!」
「毒霧!」
ハンマーをしゃがんで回避し、手から毒霧を噴射するがアーケーダーはハンマーから手を離して少し下がるとその毒霧に向かって手を向ける。
「そんなにあの男に復讐したいか、俺はテメェが自分からケツ振ってる変態に見えたがな!!」
「黙れ」
「ハハハ!!」
ゴブリンが走りながら槍を構える中、アーケーダーは念力で毒霧を掴み一ヶ所に集約させた。
「な!?」
「俺はなんでも持てる、霧だろうが水だろうが空気だろうが」
そう言いながら念力で持ち上げた毒霧を向かってくるゴブリンに向かって投げつける。
「ナイト!」
〔・・・・〕
毒霧をまともにくらったゴブリンは膝から崩れ落ち動きを止め、そのゴブリンを念力で握りつぶす。
「…そ、そんな……」
「俺のことなんて他の奴らに任せればいい、なのになんで出てきた、体だってボロボロだろ」」
「今のあなたがマインドレスに繋がる唯一の手がかりだからよ、自分の手でその手がかりを掴みたいだけ」
「そんなに会いたいのかあの男に、逃げたと言うのに…会ってなにがしたいだ」
「あの男が私になにをしたと思ってるの、自分の指をバターナイフで切らされて、無理矢理行為をさせられて感情を無茶苦茶にされて、皆んなが死んだ」
「面白い冗談だな」
「なにも冗談なんて言ってないんだけど」
「いやいや、自分は命令された、あれは自分の意思じゃない…本気でそう思ってんのか」
「なにが言いたいの」
「お前は望んでたんだよ…あの男に抱かれる事を支配される事を喜んでいた、自分からケツを振って、ムチで叩かれて絶頂する!!お前は望んでたんだよあの男を!!」
「違う」
「こいクックワドル」
「邪魔を…」
カードから鶏のやうなモンスターを出した瞬間、照明を持ち上げその鶏を押し潰し、太一を念力で持ち上げると。
「うわぁ!!」
「エボ!!」
「あぁあ、そうか…なんであの恐竜とかハイテクなスーツ使わないんだって思ったが…使うにはここが狭いんだな、スーツで暴れたらこんな場所すぐ崩壊するもんな
なるほどなるほど、テメェの事恐れてたが別に恐れる必要はないな簡単な…」
持ち上げられていた太一に金色のカードが飛んでくる、そのカードに激突して太一は地面に落下する。
「なんだぁ」
「いった!!痛いよ伯母さん」
瓦礫の中から真琴が立ち上がり、近くの椅子を投げつける。
「チッ、メスガキが…」
アーケーダーは椅子をかわし、ハンマーを念力で持ち上げるとしたところで暫がアーケーダーの顔面を思いっきりなぐり
頭で動きが止まっているところに真琴が追撃で椅子を投げつけ激突する。
「ぐつ!!」
激突して地面に倒れ込むがすぐさま起き上がり呼吸を整える。
「いてぇだろ!!クソ野郎ども!!骨が折れたらどうしてくれ……」
怒りを爆発するアーケーダーにさらに椅子を投げつけ、それを回避しつつ念力で照明を掴んで投げつけるが真琴は壁を作り出して照明を防ぐと壁をカードサイズに変えて投げつける。
「ぐ!!」
カードはアーケーダーの肩に突き刺さり、痛みで苦しんでいるところに暫の回し蹴りが炸裂する。
「ぐぁ!!!」
血を流しながら地面を転がり、起き上がろうとしているところに照明を投げつけ、体を押しつぶす。
「グァァァァァ!!」
「上手くいったな」
暫は倒れているアーケーダーに向かって神経毒を放ち、アーケーダーの全身が痺れ動けなくなり、真琴は体のほこりをはらいながらゆっくり暫に近づく。
「くそ…力が……」
「大人しくしてなさい」
「くそ、いてぇ…いてぇよ!!血が出てる骨も折れた…テメェらまじで…くそ…あ!!」
「大丈夫ですか…ま……え、えーっとミスティさん」
「無視すんなよ!!くそ…能力が…-」
「問題はない作戦通りさ」
「作戦?僕達なにも聞いてないよ」
「挑発して地面に叩きつけられるのが作戦ですか」
「倒したと油断させる作戦でもあったけど、奴の能力を確かめたくてね」
「確認?念力だよね、かなりつよい」
「強いけど問題はなにができてなにができないのか、もし一瞬で肉体を雑巾みたいに絞れる力があるのに、なんでそれを最初にしなかったと思う」
「なんでって…」
「奴は動いているもの…いやと言うより銃と同じように物を狙う必要がある、動きていたりして狙いが外れれば操れない」
「だから椅子を」
「さて、このまま警察に突き出す前に…マインドレスの事と…謝罪をしてもらうぞ」
「謝罪?ハハハ…なに…い…ってんだ……謝るのは……テメェらの方だろう」
「自分がなにをしたのが理解してないの」
「テメェこそ理解してない…俺が今からなにをするのか」
モゾモゾとアーケーダーが体を動かしたかと思うとポケットから星型のアイテムを取り出した。
「スーツ!!」
急いで奪い取ろうとしたがアーケーダーは最後の力を振り絞り、空気を振動させて3人を吹き飛ばし、スーツを手首に装着する。
「ハハハハハハ!!アハハハハハ」
アーケーダーは突然気絶するが、その声が消えることはなく、アーケーダーの体と言う檻から解放されるように虹色の太陽のような存在が解き放たれ、その太陽からアーケーダーの声が響く。
「捻り潰してやる!!どいつもこいつも!」
どうも久しぶり運動したらめちゃくちゃ疲れて仮眠していたら4時間経っていた作者です、そのせい現在深夜なのですがバチバチに目が覚めてます。