第221話 明けの明星
~~~廃墟と化した大道スタジオ~~~
かつて映画業界で輝きを放ち、世界の大道スタジオとも呼ばれ、毎日映画の撮影で騒がしかったスタジオは今や見る影もなく廃墟になっていた。
薄暗くじめじめしており、映画で使った小道具や服や着ぐるみなどがあちらこちらに散乱し、見るも絶えないほど酷い有様だ、そんなスタジオにアーケーダーは電気やカメラなどを配置していた。
細かいレイアウトにこだわり、廊下や収録室などをステージのように飾り付けていた、そんなことをしているとアーケーダーのスマホが震え手に取る。
「なんだ今忙しい」
【忙しいってどうせ廃墟を飾り付けてるだけでしょ、そんなの意味ないのに】
「黙れ貴様、嫌味を言いに電話したなら殺すぞ」
【落ち着いてよ、それより配信見た】
「は?見るわけないだろ、あんな無価値でゴミみたいなもの、馬鹿か障害者かキモイやつしか見ないぞ、まかさてめぇ俺をそんなカスだと思ってるんじゃねぇだろうな」
【そうじゃないよ、と言うかハントの連中から連絡来てないの】
「連絡、そう言えば来てたな、何度も来るから着信拒否した」
【それ滅茶苦茶重要な情報だよ。配信者のメフィスって子、ラスべニア国出身でドラキュラ伯爵の孫娘なんだってさ】
「ソースは」
【私だよ事実確認はもうした、安全のために実家に帰るんだってさ、もし帰られたら2度と捕まえられないだろうね】
「なるほどだからあんなに連絡してきたのか」
【まさかあんな会社に大物が居るなんてね、でどうするのかなぁ~、常滑の大型スーパーにいるみたいだけど、こんな大きな魚を逃すの】
「そんな馬鹿な事するわけねぇだろ、それに丁度いい・・ゲームはもう完成している」
~~~しばらくあと~~~
鏡に引きずり込まれた2人は異様な臭いの漂う狭間の次元を経由して、大道スタジオに置かれた鏡から2人が飛び出し抱きつきながらスタジオ内を転げまる。
「いてて」
「もう!!なんなんだよ、まだ袖パーツ着れてないんだけど!!」
文句をぶつけるメフィスと無視しながら真琴は立ち上がり辺りを見渡していると、突然撮影などで使われる照明がつき2人を照らし真琴は目を細める。
「ぐあああああ、目がぁ目がぁ!!」
「ずいぶん余裕あるな君」
【こいつは最高だなあ!!蝙蝠だけを狙ったつもりが妹?まで一緒なんてな、運がついてるぜ】
「(あ、姉妹にみえたんだこれで、尻尾や翼もないのに、と言うか私が妹なのは納得いかないな)」
「(やっぱり人間って服装しか見てないんだな)」
「私達を捕まえてどうするつもりだ、”妹”には手を出させないぞ」
「そうだそうだって・・”妹”妹って言った」
「なんだよ」
「どう見ても吾輩が姉だろ」
「は?私の方が1㎝高いぞ」
【間抜けな連中だな!!言っとくが撮影されてること忘れんなよ、はははは、このままてめぇらを誘拐してもいいが、その前にゲームをしてもらうぜ】
スピーカーからそんな声が流れると半裸の男たちが鏡から現れ、2人の周りを取り囲み不気味な笑みを浮かべていた。
男たちはにやにやと笑いながら距離を詰め、汗臭い息を撒き散らす。手にしたロープや拘束具が不気味に揺れ、2人は眉を顰める。
「なななななな、なんだよこいつら」
【前回の反省点だが、陰湿なファンに誹謗中傷されちまってよぉ、俺の心は割れそうだよ、よいよいよいよい、だから今回はファンも喜びつつ死なないゲームを考えてきたぜ】
「それがこの屈強な男どもか」
「これで吾輩のファンが喜ぶわけがないだろ」
【うわ、リアルでも吾輩って言ってるきも、マジできもきもきものきもじゃん、だからファンもきもいんだな、卒業ライブの後とかきもいもんな、いや普段からキモイよな、どうせフィギュアの股とか胸とか舐めてんだろ】
「キモイキモイいうな、そんなこと考えるお前のほうがきもいからな、どうせ160㎝以下の低身長でブスで臭い奴だろ」
【それはてめえのファンだろ】
「実物見たことないくせに決めつけんじゃねえよ、妄想で批判する前に鏡見て来いよ、この〇〇金フェイスのゴブリンが」
「その言葉わりかしブーメランになってないかい」
【うるせえ餓鬼だな見た目だけじゃなく頭も小さいどんぐりサイスだ】
「誰が馬鹿だこのバーカ、人の見た目とか馬鹿にするなら自分の姿見せろよ、自分頭いいかっこいいアピールしてるけど、下を見つけて笑ってるだけでお前も十分下のバカでブスだからなバーカバーカ」
【は、何言ってんだお前、顔真っ赤で草】
「は?どこか顔真っ赤だ、唯一できる隠しカメラの映像を見ることすらできなくなったのか、もう才能ないからハロワいけよ。あ、ごめん刺身にタンポポ乗せる仕事すらできないか」
【状況理解できてねえのかてめぇ、今からテメエらは犯されるんだぜぇ】
「は?何言ってんのきも」
「なるほど下半身のテントがはってると思えば、そういうことか・・よくもまぁ、性犯罪者をこんなに集めたな」
【てめぇみたいな配信者のファンって所詮は絵に欲情する変人だろぉ、ならよぉ実物が無理矢理犯されてる姿にも欲情すんだろ、だから今から行われるゲームはここに居る30人の男ども逃げる単純な鬼ごっこだ】
「遂にネタが枯渇したな、安易なAVのパロデイをし始めた」
「全員が異常性癖のNTRが好きなわけじゃないからな、それぐらい考えろよ馬鹿」
「NTRなのか付き合ってもないだろ、どちらかと言うとBSSじゃないのかい」
【あのただの情けない男のそれだよな、なにが「僕が先に好きだったのに」だよ、てめぇは何もしてねぇだろうが】
「え、そんな漫画読んでんの正直きしょいわ」
【自分が殺されねぇからって調子に乗り過ぎじゃねえか。てめぇは全世界中に犯されてる姿をばらまかれるんだぜぇ】
「悪いがアーケーダー・・いや明智 世羅今日で君のゲームはお終いだ」
【・・は?なんで俺の名前を】
「私の名前を教えてやろう」
そう言いながら真琴はポケットから変身に使用する赤い伊達メガネを手首のバンドにかざし、その眼鏡をかけると、メガネから花火のような閃光を放ちそれと同時にアリスみたいなゴスロリ服が魔法少女のゴスロリ服に変化する。
【な、なんだこの光…!?】
男たちは眩しさに目を細め、動きを止める。
「全員手を挙げ地に伏せろミスティラウンがここに来た」
どうもランクマッチでかなり戦犯の動きをしたので気晴らしにクイックモードをしてみたら無双した作者です、もうねワンダでボコボコにできる、なんでこれがランクマッチでできないのでしょうか。
さて、今回は書いた気がする真琴さんのメガネが赤い理由を書こうと思います、メガネが赤い理由はウルトラセブンが元ネタだかりです、なんでセブンなんだと思う方初登場の回を思い返してみましょう。
初登場の回はですね実はウルトラシリーズのネタが所々にあったんですね。
マジカルダイナマイトがタロウのウルトラダイナマイトのパロディで、どうせならこの回はウルトラネタで攻めようと思い真琴さんのメガネが赤くなりました。