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第210話 罪あるものも石を投げよ

 ~~~収録待機室~~~


 凪の通報で警察が現場に到着し、会社内ではマネージャーや他の配信者などが大慌てで連絡や捜索をしているが見つかることはなかった。


 第一発見者の凪とメフィストは待機室の前で警察の軽い事情聴取を受けていた。


「うん・・つまり君たちは差し入れを持って来て、ここに来たら誰もいなかったんだね」


「そそそそそs、そうだぞわ吾輩達を・・ううううううううたたたた」


「緊張しすぎですよ」


「だ、だって警察だぞ国家権力だぞ」


「別に君達を疑っているわけじゃない、あの絵を現場に残すのは奴だけさ」


 そう言いながら窓に描かれたピエロのイラストを見つめる。


「なにか知ってるんですか」


「あれはアーケーダーの印さ」


「・だ、だれ」


「ヒーローズハントのサイト運営者で、集団を誘拐してどこかでデスゲームを開催して命がけのゲームをさせる犯罪者」


「はあ!?じゃあ皆そのゲームに参加してるってことかよ」


「そのゲーム会場とか分からないんですか」


「それが・・どこかわからないんだ、ネットの検索にも引っかからないし、警察が全力で調査しても尻尾1つもつかめない。それに奴のゲームで生き残れた奴はいない、誰も生かして返さないから、詳しい話を聞くことも出来ない」


「出来ないって、それでも警察かよ、下手したら皆死ぬかもしれないんだぞ」


「まあまあ。分かってる事とかありますか、その・・年齢とか性別とか目的とか」


「年齢は不明だし、性別も声を変えている可能性もあるから断言はできない、目的は単なる金稼ぎか趣味のどちらかだろうな、我々も全力で調査しているが・・」


「しててこれかよ、そんな危険な奴を野放しにしておいて何が全力だ」


「お、落ち着いて」


 今にでも暴れ出しそうなメフィストを止めていると、凪のスマホで調べ物をしていたクラフトが口を開く。


[かなり不味い状況だな、ありとあらゆるウエブサイドに個人情報がばらまかれてる]


「はい?」


[アーケーダーと言うアカウントが10分おきに5人の体重や身長やバストサイズに実年齢、出身校、実家の県、D〇サイト・f〇nzaの購入履歴、通帳金額に・・いろんな情報がばらまかれてる]


「噓だろ」


 メフィストがスマホを取出しXを確認すると急上昇1位にアーケーダーの文字があり、穂乃花たち配信者の個人情報が公開され、様々な意見で飛びかえっていた。


「何だよコレ、滅茶苦茶だよ」


「穂乃果ちゃんの名前が出てる」


[奴らにゲームを用意した、ルールは簡単殺人鬼が溢れる街での追いかけっこだ、そのゲームが始まってから10分後とに個人情報を公開する、なお今回のゲームは音声のみの生配信、顔を含めた映像の公開はゲーム終了時に公開するからお楽しみに・]


「もしかして自分の名前を出しちゃったのかな」


[多分音声のことは聞かされてないんだろうね、名前を手がかりに住所特定がおこなわれて、ネットに住所が貼られてる、まぁ…ファンの住所じゃないのが幸福かな]


「住所貼られてるのにファンじゃねえな」


「ホノカって同じ名前の人の住所って事、それって…喜んで良いのかな」


「こ、こんなのふざけてる」


「俺も驚きだ、闇ネットと呼ばれる場所だけじゃなく、こんな一般の目にさらされる場所で堂々と公開するとは・・気でも触れたか」


「なんで・・」


「ん?」


 メフィストが自身のスマホを見つめながら下を向きポロポロと涙を流す。


「下手したら死ぬかもしれないのに、なんでこんなに賛成されてるんだ」


 ネットでは「どんどん公開しろ」と言う意見やアニメや漫画の一コマで犯行を肯定していたり、ダメだろと言う否定意見に対して「こうなったのはブイ自身の普段の行いのせい」と言う意見で溢れており、音声のみの配信には5万人もの人間が集まり、見るに堪えないコメントを投げかけている。


 事情聴取をしていた警官が近くにいた警官に状況を伝えながらスマホを取り出し確認する。


「あいつ…何が目的だ、金稼ぎにしても手が混みすぎてる、ここから有料サイトに誘導する気か…」


「誰がこんな怪しい…と言うか犯罪者の有料サイトに金を払うんだよ」


「いや…多分それが目的じゃない」


[人が死ぬゲームはアーケーダーやその周りだけじゃなく、一般人も楽しみ石を投げる、その事を証明しながら金を手にする、それが目的のように思えるね]


「自分はおかしくないって思いたいのかも、これはみんなが望んでいる事だって…」


「おかしいだろ、何か悪いことしたのか、したのは他の配信者で皆悪い事してないだろ、なのになんで犯罪者みたいに石を投げられないといけないんだ

飲酒運転で親を失ったからって道路走ってる車を手当たり次第に破壊するのかよ」


[サンドバッグだと思っているんだろうね、それで精神が壊れようが死のうが奴らには関係ない、そうなったのには本人のせいで自分達は関係ない、そう言う考えだろうね]


「何とかこの投稿だけでも止めれないですか」


「そう・・言われてもな、上に相談してみるけど、一つだけじゃないしなぁ・・ありとあらゆる配信サイトで公開されてる、それらすべてを止めるのは・・難しいかも」




  ~~~ゲーム会場~~~



 ゲーム開始から98分が経過した、その間も他の殺人鬼に追われながらも何とか死なずに逃げれていた、しかしゴールは何処にも見つからず、2人の頭の中にはゴールなんてどこにもないんじゃないかと思い始めていた。


 どれだけ待っても助けが来る気配はなく、ただ情報がばらまかれるのを待つしかない、そんな状況に響は目をつぶり壁にもたれかかる。


「もうどうなってんだよ、なんでどこにも出口がないの」


「ここはあ 危ないし 少し離れた見つかりずらいところに・・」


「それで出口が見つかるの、また助けを待てって言うの、隠れて全ての情報が世界中にばらまかれるのを待て?ふざけないでよ、今ばらまかれてる情報だけでも死にたいぐらいだぞ」


「そ それは・・そ そうだけど でも」


「全部・・全部ばれたらどうなると思ってるの、イラスト変えれば全部解決するの、それとも誰もそれを悪用しないほどいい世界だなんて思ってるの」


「思ってないよ でもどうにもできないんだよ」


【そうそう、どうにもできねぇぜ】


 スピーカーから声が鳴り響き、響は怒りに任せて壁を殴る。


【今ネットは大盛り上がり、全員今出てる情報で自力で調べてるぜ、このままじゃ名前にたどり着くのも時間の問題だな・・というわけで先にバラされるぐらいなら先にばらしてあげましょうか】

どうも最近のネットが怖い作者です、丁度こんな気分がよくない話を書いてる時にネットが普段よりおどろおどろしくなってますからね、なんか書いてて精神的に辛いです。


さて、今回はクラフトさんの没案の話をします、実はですね最初はクラフトさんはニャルラトホテプだったと言う設定で行こうとしてたんですね、名前の由来もラブクラフトさんから取っています。


変身能力があるのもそれが理由ですね、ただ没にしたのはマスコットが黒幕と言うのはありきたりだし、マインドレスに魔法少女が敗北して逃走したと言う設定はニャルラトホテプには似合わないなと勝手に思ったため、没にしました。


敵組織の名前がクトゥーグなのはニャルラトホテプの対になる存在がクトゥグアだからですね、まぁ…没にしたので本編とは関係ないんですけどね。

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