第207話 地獄からの使者
電波も届かない崩壊した街で開始されたデスゲーム、図書館のような場所でルールを聞いた翼と彩香ともう1人はは慌てることなく冷静に状況をまとめていた。
「いやあ~大変なことになったね、新作ゲームの収録がデスゲームになるなんてびっくりだよ」
「びっくりじゃないですわよ、どうしますのこれ!!」
そうなことを言いながら赤髪の女性はスマホで連絡をしようとするが県外で繋がらず全身から汗を流していた、彼女は川流と言う配信者だが詳しい説明は必要ないだろう。
「まあまあ落ち着いてよ、ほら一息すって吐いてラジオ体操でも」
「あんた無茶言わないでくださいます」
「彩香、随分落ち着いてるんだね」
「まあ私はこう言うこと慣れてますし、翼先輩もじゃあいですか結構落ち着いてる」
「なんかグルグル回って頭がさえるんだよね」
「あの主催者?ゲームマスター?名前分からないけど喋り方からするに私達以外にも参加者が居るみたいだね、居るとしたら待合室に居た5人」
「と、とにかく合流することを考えた方がよしげだね」
「合流って殺人鬼が居ますのよ、それに出口も探さないとなのに2人を探すなんて無理ですわ」
「でも置いて逃げるわけにはいかないよ」
「死んでもおかしくないのよ、誰かの命より自分の命が大切に決まってますわ」
川流は今にでも泣き出しそうな表情を浮かべながら大きな声で訴えるが川流は何か重要なことを忘れているようだ、もうゲームが始まっている事に・・声を聞いて3人の居場所が分かったスナイパーがスコープを覗き引き金を引く。
放たれた3発の弾丸は真っ直ぐ3人の脳天めかけて飛んでいく、しかし彩香は2人の腕を引っ張り弾丸を外させる。
「なに?かわされた」
「ひよおおおおおおお、これって・・銃の・」
「ほ、本気で殺しに・・」
「方向的に・・あそこか、先輩達少ししゃがんでて」
「サクラ様何を・・」
彩香は2人をしゃがませると走り出しスナイパーが居る方へと走り出す。
「なんだあの女」
予想外の展開に驚きながら銃を構え頭を狙おうとすると彩香はスライディングで滑り始め、「馬鹿かあの女、起き上がる時ががら空きだぞ」そう思いながら起き上がるのをまつがスライディングのスピードが落ちることなく、逆にスピードが速くなっていた。
「俺とやる気か、ならそのかわいい顔に風穴開けてやるぜ」
スナイパーが引き金を引き弾丸が放たれるが彩香が蛇のようにぐにゃりと動き弾をかわす。
「馬鹿などうなって・・」
「よそ見は厳禁だよ」
スライディングでスナイパーの目の前に滑り込むと手で地面を押し出し飛び上がり、両足で挟み込むように蹴りを叩き込む。
「ぐっ・・この」
本棚に叩きつけられたスナイパーは拳銃を取出し銃口を向けるが引き金を引くよりも早い回し蹴りをくらい拳銃を落とす、反撃に移そうとするも金的を思いっきり蹴られスナイパーは情けない声をあげながら地面にうずくまる。
「ぐが!!!この・あ・・ま」
「気づかないのは少し寂しいな私、まあ気づかなくていいんだけど、終わったよ2人とも」
「・・す、凄い」
「どうやりましたの今の」
スナイパーの武装を淡々と解除している彩香に隠れてた2人が近づく。
「すごいですわねサクラ様、まるでヒーローみたいでしたわ」
「ふふふでしょ先輩、もっと褒めてもいいですよ」
「この人どこかで見たことある」
「1年前に警察署長を殺そうとして逮捕された人だね、ムイナに倒されて刑務所にいるはずだけど・・何でここに居るんだろう、刑期まだ全然残ってるはずだけど」
「よく知ってますわねそんなこと」
「まあね、そうなってくるとあの2人が心配だね」
~~~~響と穂乃花~~~~
「ううう うううう ド ドボジデゴンナゴトニ!! 新作ゲームも出来ないし 殺人鬼が居る廃墟で脱出ゲームとかも”う”な”ん”な”ん”だよ”」
「もうわかったからあたいに抱きつくなよ、なんなんだよ泣きたいのはあたいなのに」
号泣する穂乃花に抱きしめられながら響は恐怖で激しく動く心臓を押し殺しながら前に進む。
「なあファン」
「リードファンエスタは死んだんだ いくら呼んでも帰ってこないんだ もうあの時間は終わって」
「はいはい、ならなんって呼べばいいファンランドって呼ぶ、と言うかなんで偽名に偽名重ねてんの」
「知らないよ もう・・魔法少女辞める辞めてやる」
「何かあったの」
「・・なにもいいことない 必死に戦ってるのに「絵が調子に乗るな」とか「片親の手帳持ち」とか「やくただず」とか 確かにそうかもだけどさ わ”だじだっ”で頑張っ”て”ん”の”に”」
「・・・・き、気にしない方が良いって、ファンが役立たずの訳が」
「リードファンエスタは死んだんだ いくら呼んでも帰ってこないんだ もうあの時・・」
「もういいからそれ、もうあんたで呼べばいい」
「穂乃花」
「・それ本名?」
「こ”こ”で”死”ぬ”な”ら”せ”め”て”名前ぐら”い”わ”」
「不吉なこと言わないでよ」
【10分経過、さて最初の情報公開だ!!】
スピーカーから主催者の声が鳴り、2人は思わず足を止める。
「もう10分か・・早く出口みつけないと」
【最初の情報だから軽めのやつだな、まずリアルの身長と体重とバストサイズの公開だ!!】
「はあああああ!!おいこらどこが軽いだ、頭湧いてんのか」
「よかった 私無傷だ」
【まず猫耳アリン は身長 176cm 体重 66kg バストは・・おおH流石元アイドル、配信者なんてやらずにグラビアやればよかったのになハハハハハ】
「本当に最低」
【次は山城 サクラは身長 169cm 体重 49kg バストはC思ったより痩せてんな、川流 沈華は身長 175㎝ 噓だろおい体重 90㎏ バストはF、おいおいこりゃバストじゃなくて脂肪じゃねえか】
「女の子が気にしてることをさも当然と」
【次は天雷 響は身長 165㎝ 体重 56㎏ バストはF】
「え デっかF!! Fって恋柱と同じ・・え、うそ・・そんなんに大きく見えないけど」
「じろじろみんな馬鹿」
【で・・リードは・・まあ自由自在かつまんねえ、自分ってのがねえんだな、個性のかけらもないマネするだけのゴミが】
「ご ごみ・・」
「あんな奴の言うこと気にすんな、早くこんな場で・・」
コトコトコトコト と誰かが歩いてくる音が聞こえ2人は口を閉じて息を殺す、足音と一緒にガシャガシャと小さな金属が当たるような異質な音が鳴り、その音から確実に同じ配信者ではないと直感的に感じた。
「・・駐車場から聞こえるけど明らかに殺人鬼だよな・・って何してんの」
穂乃花は何故か自分の目を手にこすりつけており何をしてるんだろうと見つめていると、穂乃花は目から手を離しよく見ると顔にあった目が手に移動しており、穂乃花はその手を駐車場まで伸ばす。
「お願いだから誰もいないで 誰もいないで お願いお願いお願いお願い」
「そ、そんなことできたんだ」
穂乃花は手に移動した目で確認しながら手を伸ばすと、穂乃花の目に銃口が長い銃を持ち、他の銃や弾やナイフなどが入ったバッグを背中に背負う、全身包帯のミイラのような女性が駐車場にうろついていた。
「く クローシア」
どうもお墓参りに行って疲れた作者です、大阪まで墓参りに行ってきましたね、墓以外にどこか行ったとかはないんですけどとても疲れましたね、途中真っ直ぐな道の高速道路で事故が起こったせいで滅茶苦茶疲れました。
帰ってきたのが9時ぐらいだったので、結局今日もライバルズはできずじまいでした。とりあえず今日は疲れてますのでここまで