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●5時30分/依頼の日 ファイル1

「最近変な夢を見るんだ」


「どのような」


「日曜の朝からやってる女児向けアニメみたいな、その…ひらひらなスカート着て、探偵みたいなゴスロリ服を着た私が倒れている男を前でひたすら土下座しているんだ、男の額から血が流れてて助けないといけないのに私は狂ったみたいに床に頭を叩きつけるんだ」


「そして5時30分に目が覚めると」


「おかしな話だろ、もう少しで40歳になる私がゴスロリ着て土下座だ、いくら135cmで身長が止まったといえ、おかしな話だ」


「夢にしてはよく覚えていますね」


「え?そ、そうだなとてもリアルな夢だったからかな」


「・・・どうやらあなたは今どこに居るのか分かっていないらしい」


「なにを言って・・・」


「ここはどこです、メンタルクリニックですか、それとも学校、もしくは占いの館、それか懺悔室、それとも牢獄、いやどれも違いますね、ここは夢の中です、あなたはまだ眠っているんですよ神川しんかわ 真琴まことさん、そろそろ起きましょう」


          【・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・】


「・・うぅ・またこの夢か」


 5時30分 私のまぶたが自然に開き目が覚める、よく人は目が覚めた時は視界がぼやけていたり、半開きだったりするものだがそんなことはなくパッチリお目目で視界はぼやけていない。


 なのに頭が少し痛くて体がだるい、いつものことだが非常に困る。


 私は枕元に置いたスマホで時間を確認する、スマホに映る時間は5時31分、壁に飾られている時計の針も5時31分、とても困る時間を指している。


「はあ、またかね、なんで6時30分にアラームをかけているのに1時間前に目が覚めるんだ」


 誰も居ない部屋でそんな文句を言いながらベッドから出て仕事部屋に行く。


 私の家は自宅兼事務所で寝室を抜けた先は仕事場の探偵室になっている、簡単な料理を作れるキッチンがあって依頼人が5人座れるでかい椅子があって机もある。


 全体的に茶色と緑色で構成された仕事部屋は一目見るだけで探偵事務所と誰もが思う部屋になっている、私は形から入るタイプだ事務所はドラマで見た物をドラマで見た配置にしている、我ながら完ぺきな再現だ


「ふわぁあ・・あくびが出ちゃった、まだ眠いのかな」


 テレビの電源を付ける。


 着てたパジャマを脱ぎ捨て私服に着替えてその上に茶色の英国風タートルネックコートを羽織りテレビの前にある椅子に腰掛け、ココアを片手にテレビを眺める、これが私の普段の生活だ。


『精神医学の専門家として知られ、この番組にも度々出演頂いていた【野上のがみ 佐山さやま】さんがご自身が経営する野上メンタルクリニックで野上さんの死体が発見されました、警察は・・』


「殺人か・・」


【電話だよ ぴぴぴ 電話だよ ぴぴぴ】


 飲み会のノリで設定した自分による全力の萌え声着信音がなりスマホを手に取る、スマホに表示されている名前は【四宮警部】名前で分かる確実にプライベートのお誘いじゃないこれは仕事のお誘いだ。




    ~~~~野上メンタルクリニック 駐車場~~~~


「よーし、そのままハンドルを動かすなよ私、そうそうそう、あと少しで」


 ガゴンと車のタイヤが車止めにぶつかり車内が揺れる、自分でも驚くほど上手な駐車だ左右の白線のバランスの完璧な駐車、今日はいい日になりそうだ。バックミラーで髪型とメイクを確認して車をでる。


 しかしメンタルクリニックで殺人か、相当嫌な事でもあったのかな。駐車場から現場までそこそこに離れているし、歩きながら四宮さんからメールで貰った情報でもまとめよう。


 被害者はこのメンタルクリニックの医者の野上 佐山 性別は男 年齢は60歳のベテラン 朝の番組でも度々出演する売れっ子、2005年に執筆した『超能力による犯罪心理』はその年のベストセラーだ、今でも度々出している本もかなり人気。


 今では一般的な存在になった能力者の心理は持つ能力に大きく影響を及ぼすと書いた本、事務所の棚にも置いてあって暇な時にみてる。


 ちなみに精神病院とメンタルクリニックの違いは大雑把に言えば大きさらしい。


「そんな人が殺されるなんて」


 クリニックの入り口は進入禁止テープで完全に封鎖されている、数名の警察官がテープの前に立ち野次馬の相手をしている、野次馬の中にはクリニックの患者と思われる人が数名みられた。私はそんな野次馬達の隙間を通ってテープの下を潜る。


「ちょっとダメだよ子供が入ってきたら」


「四宮さんに呼ばれてきた神川 真琴です、四宮さんから聞いていませんか」


「呼ばれた?君が?」


 まただまたこの展開だ


「はい」


「その・・身分を確認出来るものは無いかな、流石にその・・・」


「探偵にしては幼く見えますか」


「うん、そう」


 鞄から免許証を取り出し警官に渡す、警官はあからさまに驚いたような表情をさせながら免許証を見る。


「えーっと本物?」


「そうです、神川 真琴39歳 性別は女性で職業は探偵、能力はなし、幼い理由は幼少期に階段から落ちてホルモン分泌を司る脳下垂体を壊したせい、そのせいで身長が一切伸びてないの」


「そうでしたか、すみません」


「いいの慣れてるから」


 免許証を財布の中にしまい現場に向かう。

使い回しが始まりました、今回から真琴さん視点の話をちょくちょく入れていこうかと思います、それでこの話が真琴さんしてんだと言うことがわかるようにタイトルを普段と変えてみました。


最初に●がついてて最後がファイル◯で終わっている話が真琴さん視点の話だと思ってください。

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