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第202話 責任

「おーい三流芸術家出ておいで」


 ムイナは地面に降り立つと笑点で流れてそうな陽気なBGMを爆音で流しながら地面の赤口を挑発していると、地面から勢い良く飛び出し、拳を握り叩きつける。


 ムイナはその攻撃を軽くかわすが追撃するように腕を伸ばすとムイナはダッシュで逃げ始める。


「やーい下手くそ当てて見なよ、そんなんだから5位なんだよ」


「黙れええええええ」


「まさか自分を囮に」


 なんて危ないことを


 そう思いながらもムイナが言っていた責任を思い出し、これがあの人なりの責任なんだと考え、腰につけたピンクの矢を元の大きなサイズに戻すと一呼吸して落ち着くと糸を引く。


「いけるよ私落ち着け・・」


「赤口として見てもらいたかった、どこに行っても僕は才木の弟だ!!どいつもこいつも誰も誰も・俺を見ない!!!」


「ねえ多分そんなことないと思うよ、私君のこと初めて知ったし誰も君に興味なんてな・」


 そう言ってる途中に赤口は地面の泥を操ると刺のように尖った2mの泥を無数に生成し、ムイナは足を止めた。


「こんなにデカいの踏むわけが・」


 ないと思っていると刺から腕が伸びムイナの足を掴んだ。


「こいつ・・」


 周りの刺から泥人形が現れムイナの体を掴む。


「不味い速くし・・」


「大丈夫だからこんなの、こうやって」


 その場で突然両腕を広げたかと思うと高速でグルグルと回転し、体にしがみついた泥人形を振り払い、そのまま刺に向かってダブルラリアットをくらわせ破壊する。


「私のことは気にしなくても全然いいよ、こんな不格好な出来損ないの相手なんて朝飯前だよ、もう昼だけど」


 知能が足りていないのか赤口はムイナの鳥の羽のように軽い挑発に乗り殴りかかり凪を視界にすら入れない、ムイナの命をかけた囮を無駄にするわけにはいかない、凪は外さないよう弓を強く握りしめ赤口に狙いを定める。


 自分は薄っぺらい人間だ、赤口が言ってたことも本当のことだ、理解したいと口では言うが心の底では理解する気などない、確かにそうだだけど人を助けたいと思ったことに嘘偽りもなく心の底から思っていることだ、そんな想いに応えるように弓が強く光り輝き、糸を離す。


「いけえええええ!!!」


「ん!?」


 放たれた矢は曲がることなく真っ直ぐ赤口に向かっていく、赤口が反応するよりも速く矢は赤口の体を貫き体のど真ん中に巨大な風穴を開ける。


「ぼ、僕が・・この僕が・・・」


「や、やった」


「これにて一件落着、早く帰ってお風呂でも・・」


 形を保てなり崩れた赤口だったが完全に崩壊することはない、それどころか直ぐに形を取り戻し凪に向かって泥を投げつける。


「な!?」


 想定外のことで泥を避けることもできず泥は激突、泥が目に入り込みその泥を赤口が操作し眼球をえぐり取る。


「ぐあああああああ!!」


「ピンクちゃ・」


「この凡人どもがあああああ」


 心配して動きを止めたムイナを掴み、泥に引きずり込もうとする、ムイナは自身の体を空に向かって引き寄せ抜け出そうとするが赤口は引き寄せる力よりも強い力でムイナを引きずり込む。


「目がああああ!!目が見えない!!」


「どいつもこいつも凡人のくせして僕を凡人だと罵倒する、自分も凡人のくせしてよぉ!!」


 眼球をえぐり取られ断末魔のような声をあげながら空中浮遊をコントロール出来なくなり、30m上空から地面に激突し、体のありとあらゆる骨が折れ、肋骨が体の臓器に突き刺さり口から大量の血を吐き出す。


「ごぼぉ!!」


 再生能力で徐々に回復するもののあまりの激痛に意識が消えそうになったが何とかこらえる、そんな消えそうになった意識の中で矢のことを考える、確実に矢は赤口に当たったそれなのに効いていない、いったいどうしてと。


 矢は魂そのものを攻撃する、随分前の領の時も矢でうまくいった


「・・いや・違う」


 領の時は魂が肉体を離れてその魂と道具が融合し別の肉体を作り出した、それを分離した方法は魂だけを打ち抜くしかない、無機物が矢に当たれば矢の威力が下がり分離が出来なくなる、ただ撃つだけでは意味がない。


 倒すには体の泥を全て吹き飛ばして見えない魂を矢の最大火力で打ち抜くしかない、だが囮役のムイナは捕まっている、さっきみたいに悠長に狙いを定める時間はない、もうどうしようもないのだ。


「まだ、まだ私は」


 えぐり取られた目が再生し、パチパチと瞼を開け閉めしていると自分に近づいてくる泥人形達が目に映る、足はまだ再生しきれておらず必死に手を伸ばして泥人形から逃げようとする。


 手を伸ばして逃げる凪を走って追いかける泥人形は直ぐに追いつき、凪を掴もうとした時銃声が何発も響き渡り、泥人形の腕を吹き飛ばした。


「・な、なにが」


「うおおおおお」


 そう思いながら前を向いているとシールドを持ったボロボロの警官が泥人形に体当たりし、それに続くように他の警官が発砲し、頭から血を流す警官が地面に倒れ込む凪を持ち上げ泥人形から遠ざける。


「皆さん」


「はあ、はあ、す、すまない・・俺らが不甲斐ないばかりに」


 泥人形を抑え込む警官を軽く制圧すると、警察から拳銃を奪い取り凪を持ち上げ逃走する警官の背中を打ち抜いた。


「ぐっ!!」


 背中から血を流し足を止めたことろでその足を狙って引き金を引き、弾丸は足に命中し声をあげながら倒れこみ凪を手から離す。


「そんな・・」


 泥に飲み込まれる警官と血を流しながら倒れる警官を目にし、凪はムイナの言葉を思い返す、これがムイナが言っていた責任なんだと、戦いは自分だけが傷つく訳じゃない、自分の命がなくなるならいい方で落ちるのはよく知らない他人の命だ


 凪は涙を浮かべながら自分が持つ責任の重さに体が囚われ動けなかった、精神的なもののはずなのにもかかわらず重い鎖が巻き付いているみたいに凪は動けない、そんな凪に泥人形は腕を伸ばして攻撃を仕掛ける。


 もうダメだと思いながらその攻撃を見つめていると誰かに服の襟を掴まれ後ろに引っ張られる、驚きながら引っ張った人を見るとそれは炎二だった。


「炎二さん」


「すまないが手荒な真似をさせてもらうぞ」


 そう言うとボロボロ体で凪を遠くに投げ飛ばし、手から火を放ち泥人形を焼き尽くす、しかし泥人形は警官の盾を拾い火を防ぎながらじりじりと炎二に近づく。


「くっ・・ここまでか」


 泥人形は持ってる盾を投げ飛ばし、盾は手に当たり炎二は火を止め、その隙をついて頭に回し蹴りをくらわせ、よろけた所で倒れ込むように殴りかかり炎二を地面にたたきつける。

どうもロマノフシーザーのデッキがメタに滅茶苦茶弱く相手を妨害するカードがなかったから増やした瞬間動きが弱くなって勝ててたデッキにも勝て無くなった作者です。


デュエマ知ってる人でもよくわからないと思いますが、私は復帰した時に買ったパックで当たったカードがロマノフシーザーと言うカードだったんですよね、それで何回か使って遊んでいるんですがとても使いずらい、正直言って弱い。

 ロマノフシーザーの事を書こうとしたら2000文字は余裕で超えそうなのでここら辺にします。


 さて今回は極限まで悩んでいた描写を少しだけ話します、話しすぎるとネタバレになりますからね。


 前回の話で逮捕しようとした警官が殺されて赤口がスーツを使って暴走しましたがこの話は出すか出さないかで極限まで悩んでいました、実はこの話を出すととあるキャラクターの死が確実になってしまうんですね。


 詳しく話しませんが警官が殺されるとあるキャラクターの死が確定になってしまうんですよ、私はあまり人を殺したくない人なのでこれに関しては最後まで悩みましたが話としては殺したほうが面白くなると思い殺しました。


 皆さんも私が言ったとあるが誰なのか考察してみると面白いかもしれませんね、答え合わせは…3ヶ月後とかになるかもしれませんがまぁ…それまで楽しみに待ってください。

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