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第200話 迷子で去って運が来て

「もう言い逃れはできないぞ赤口」


 複数の視線が赤口に集まる。


 しばらく続く静寂の中その静寂を破るように赤口は不気味に笑い始める。


「ハハハハハそうですよ、兄の才木の皮をかぶり妻も娘も両親も殺した、そうだ僕がブラザーフェイスだ」


 ムイナに抱えられてる凪はムイナから離れ拳を握りしめながら声を上げる。


「なんで、どうしてこんなことを」


「どうしてだって、君は人を恨んだことはないのかな、自分よりも速く走れたり自分より賢かったり、そう言う人間が酷い目に合わないかなって考えたことはないのかな」


「考えたことは…ありますけど、でもそ、そんな理由でこんな事を」


「そんな事?君に何がわかる」


「警察官じゃないんですか、私に言った責任って言葉は嘘なんですか」


「嘘じゃないさ、僕は責任なんてどうでもいいってだけさ」


「あなたがわからない」


「酷いなマジカルピンク痛みの理由を聞いてそんな顔を向けるなんて、だから君の言葉は薄っぺらいんだよ、同情したいとか言っておいて、心の底では否定する気満々、そんな奴に責任が背負えるわけがない」


「それは…」


「お前にはしたことの責任を背負ってもらう、マルチスキンについて洗いざらい吐いてもらうぞ」


 炎二の言葉に警官は手錠を取出し赤口にはめようとしたその時


 バタン


 その警官の首元から突然血があふれ出し地面に倒れ込んだ。


「なに!?」


 突然のことに数名の警官が悲鳴をあげ、ムイナは急いで凪の目を手で覆い被せる。


「え?な、なんですかムイナさんいきなり」


「ちょっとこれは・・刺激が強いかもね」


「手を挙げて地面に伏せろ」


 そう言いながら拳銃を向ける炎二だったが何かが当たったみたいに炎二は拳銃を落とし、落した拳銃は地面に触れた瞬間消滅した。


「なに!?」


「拳銃が消えた」


「・・・そうか、まだ友達でいてくれるのか」


 赤口が手のひらを上に向けるとその手のひらに星型の道具 スーツが突然現れた。


 スーツは使用者は一種の中毒症状を引き起こし、肉体を怪人のように変形させ能力を格段に向上させる道具、様々な犯罪者が使用しヒーローでも対処できない事件を引き起こしたりしている。


 そんなスーツが突然手のひらに出現したのだ、使わせるのはまずいと考えた警官がすぐさま発砲する。


「無駄だ・・影は俺のもとに来た」


 赤口の体から禍々しい黒い何かが溢れ出し、黒い煙のような何かは弾丸を弾き返す。


「なんだあれ」


「コンプレックス」


【さあ、始めるぞ】


 コンプレックスが赤口の周りを取り囲み、地面に落ちた才木の皮を手に取りながらスーツを腕に装着すると周囲に砂嵐が吹き荒れ、周りを取り囲んでいた警官が吹き飛ばされ周りの木に激突する。


「ハハハハハ!!!!はははははは!!!」


 嵐が止まり異様な姿になった赤口が姿を現す。


 5mはある泥の巨体で下半身はなく地面と一体化しており、巨大な腕の肘からもう一本手がない腕が伸び、手首から4つの手が生えている、1つの首には赤口に似た頭と才木に似た頭と黒い袋を被った頭の3つが繋がっており、体の至る所から汗のようにぽたぽたと泥が地面に落ちる。


 まるで芸術作品のような異様な怪物は体から2m程の泥人形を作り出すと凪に向かわせた。


「もう誰も止めれない」


「あ、赤口さん」


「ほら前向いて来るよ」


 泥人形は拳を握り殴りかかるが2人は攻撃を軽くかわし、ムイナは回し蹴りを喰らわせるが泥で出来た肉体を足を通り抜け、腕を伸ばしてムイナを弾き飛ばす。


「ぐべ!!」


「ムイナさん」


「ふざけるな!」


 赤口の心の叫びに続くように泥人形は攻撃を仕掛ける。


「やめてください!!」


 凪は攻撃をかわしながらスペルコードを取出し泥人形に突き刺す。


「なんだと!!凡人に5位が与えられただけで素晴らしいだと!!」


 赤口は突然何もない地面を殴り始め周囲の木をなぎ倒す。


 殴ったことで地面が大きく揺れ凪は体勢を崩すとその隙をついて凪の頭を掴み、泥で覆いかぶそうとしたがムイナが木を引き抜き投げつける。


 木は泥人形の体を通り抜け凪の体に激突し、凪の体は泥人形の手から離れると木の上を歩いて泥人形の体を飛び越えてムイナのもとに駆け付ける。


「いったあああああああ!!あのめちゃくちゃ痛かったんですけど」


「でも泥で窒息死よりよくない」


「僕の独自性がないだと!!誰かの真似事をしているみたいだと、ふざけるな!ふざけるな!」


「なんか・・あれ大丈夫?体もそうだけど頭も」


「もしかするとスーツとコンプレックスの力が暴走してるんだと思います、昔友達があんな感じになってるのを見た事があります」


「なるほどね」


「これに何年かけた思ってる、僕の青春の全てをこめたそれが凡作だと!!」


 赤口は上空を殴り始めると腕から ぽたぽた と泥が落ちその泥が人の形を形成する。


「ま、まじか」


「ムイナさん・・セメント持ってたりします」


「スーパーので在庫切れ」


 腕から零れ落ちた泥人形達は一斉に2人を見ると走り出す、2人はジャンプして空を飛び泥人形から逃げる。


「ただの泥だし空までは来ないでしょ」


 と高を括っていると一体の泥人形Aが突然かがんで膝当たりの位置で両手を合わせると、他の泥人形BがAに向かって走り出しジャンプしてAの両手に足を乗せると、かがんでいるAがBを持ち上げると同時にBがジャンプして飛び上がる。


 それに続くように泥人形Cが走り出し、構えているAの両手に足を乗せるとタイミングを合わせてジャンプし、落下中のBを踏み台にして飛び、空を飛んでいる凪の足を掴む。


「うわあ!!う、噓でしょこいつら」


 驚くのも束の間、同じ方法でジャンプした泥人形D~Z達は凪の体に飛びつき地面に叩きつける。


「ぐべ!!!」


「ピンクちゃん」


 助けに行こうとしたムイナに対して赤口が泥の弾丸を投げつけ、ムイナはそれを回避する。


「ああ・・もう面倒くさいな」

どうと昨日は眠たすぎて後書きを書けなかった作者です。


さて皆さん!!あらすじを除いて200話突破しましたね、突破してもなおブックマーク数は少ないですけどね、しかも後100話以上は投稿しないと完結しないと言う軽い地獄が見えてますが…まぁ頑張ります。

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