第198話 オーダーメイド品
~~~2年前~~~
夜遅いなか1人の警官がパトロールのため街を歩いていた、近くで不審者が出たと言う通報があり、その不審者を探しながら歩くものも、不審者なんてもう逃げてるだろうし、こんなの何の意味があるんだと内心で思いながらも男はライトで照らしながら公園を散策していると
「ん?なんだあれ」
何か布のようなものが木に引っかかっているのが見えた、肌色のタイツのように見えたが何かが変だ。
「……気味が悪いなぁまったく」
警官は疑問に思いながらもその木に近づき何かに触れるとまるで人間に触れたような感覚が伝わり、警官は驚き手を離しライトを上に向けると布のように平べったい人間が木に引っかかっており、思わず声を上げる。
「う、うわああ!!」
警官は驚き後ろに下がる。
「な、なんだよあれ、人‥なのか」
触ってまじかで見たからこそわかる、作り物なんかじゃない木に引っかかってるこれは間違いなく人間だ
人間が布のように平べったくなってる、警官はまじまじ見るが布のような人間に意識や鼓動のようなものは感じられず、死体がここにあるのだと思った。
「…し、死体…かこれ…」
だとしてもなんで死体が平べったくなっててこんな所で引っかかっているんだと、情報過多でまとまらない頭を必死に考えていると
パチパチパチ
と拍手のような音が聞こえて思わず拳銃を握りしめながら音が聞こえた方を振り返る。
「だ、誰た」
「そこまで警戒しなくたっていいじゃないか」
ベンチには1人の老人が座り込んでおり警官を見ながら笑っていた。
警官は恐怖に近い感情を抱きながらも震える体を押さえ老人を睨む。
「な、何者だ」
「君は赤口くんだね天才芸術家 蕪木 博才刃卍の実の弟で警察官」
「なぜ僕のことを知ってる、これは貴様がしたのか」
「少し待ってくれ、ちょっと・」
老人が立ち上がるともぞもぞと体を動かし始めたかと思うと老人の腕がゴムのようにフニャフニャになり、それに続くように体のあちこちがフニャフニャになっていく。
「なんだ・・これ」
そんな異質な光景に恐怖症を抱いていると老人の背中から若い女性の腕が飛び出し、老人の体から脱皮でもするかのように女性の体が生え始め、あまりの異常事態に警官は声を上げそうになるが必死に口を抑える。
「………」
老人の体から全裸の女性が飛び出し、老人の体は木に引っかかっている人間のように平べったい布のようになっていた。
「ふう・ごめんなさいね、何枚も重ねてると熱くて」
そう言いながら全裸な女は老人が履いてた靴を履くと赤口に近づく。
夜中の誰もいない公園で全裸の美しい女性が近づいてくる、文字だけ見ればエロ漫画か何かに見えそうだが当事者の赤口からすればホラー映画とかで序盤に死ぬ警官と同じ気分だろう。
「や、やめろ来るな」
「待ってよ誤解しないで、お 兄 さ ん」
女性は可愛らしくスキップしながら赤口に抱きつき、赤口は恐怖か生理的興奮かどちらかわからないが心拍数が高まり顔が真っ赤になる。
そんな赤口を妖艶な表情でクスクス笑いながら赤口の胸元に触れそのまま手を下の方に持って行く、赤口は恐怖からか女を突き飛ばし拳銃を向ける。
「てててて・手を上げろぉ!!!」
「もういけず、そんなに強く否定しなくてもいいじゃない」
「何者だ貴様!!」
「あ~待って待ってごめんって、本当にごめん最初からこの姿で会えばよかったね」
「黙れ!!何者かと聞いている」
「・・私はね人生売り屋、世間やマスコミはマルチスキンって呼ぶんだ、人をこう言う皮のスーツにして販売しているの、全く別人の皮を被って全く別の人生を歩ませる、それが私の仕事だよ」
「ま、マルチスキンだと・・あの警察署襲撃事件の首謀者の」
「待って待って、私は首謀者じゃないよヤクザがスキンを買いたいって言うから販売しただ〜け」
「それで何人死んだと思ってるんだ」
「まあまあいいじゃん、そんな昔のことなんてさ、それにその罪なら死んで償ってじゃん、あのガソスタ大爆発でさ、激しかったなぁあれ」
「ならなんで僕の目の前にいる」
「さあ何でだろう、トリックなしのマジックかな、そんな細かいことはどうでもいいからさ少し話をしようよ」
「貴様と話すことなんてない」
「まあまあそう硬くならないで聞いてよ、あ、硬いのは下半身かな、なんちゃって…でお兄さんは別人になりたいって思ったことはない」
「何を言って・・」
「別人になって恋したり遊んだり、盗んだり殺したり・・別人になって好き勝手に暴れたいそう思ったことはない」
「・・・な、なにを・・」
女は首の後ろに手を回すとまるで帽子外すように顔の皮が剝がれ中から女児のような顔が現れ、女性の声が幼いものに変わる。
「ふう」
「はあ、はあ、はあ」
心臓の鼓動が赤口本人が驚くレベルで早まり呼吸が荒くなる、興奮からか視界もぼやけ何度も瞬きを繰り返し目をこする。
「ねぇ、お兄たん、ねーねーといっしょに・・心の底のドス黒いもの出しちゃお、たまりにたまったストレスを解き放しちゃお」
「……通報したのはお前か…何が目的だ」
「むちゅてきはね…あたちお巡りさんの友達がほちぃの、ほらお巡りさんのふりしてもスーツだからいつかはバレちゃう、だから生身の友達がほちぃんだ」
「だから通報したのか…警察が来る様に」
「そだよ…でもでも、まさかお兄たんが来るって思ってなかったよぉ……喋りづらいなぁこれ」
そう言いながら外した頭をはめる。
「友達になってくれるならそこの木に引っかかってるやつをお兄さんにあげる、グラビアアイドルの星野たまきちゃん、それがあればやりたい放題、もちろん受け取るなら私とお兄さんだけの2人の秘密だよ…」
呼吸が落ち着かないまま赤口は唾液を飲み込み口を開く。
「……他のはあるの…か」
「手持ちはさっきのおじいちゃんしかないけど…他のが欲しいならあげるよ」
「…………オーダーメイドはいけるのか」
赤口のその発言に女は口が裂けそうなほど口角をあげて悪魔の様な笑みを浮かべる。
「これは…ユカイな展開だなぁ」
どうもデュエプレの新弾で回したらジョリーがシク含めて4枚とゴールデンがシク含めて3枚出ました、まじでついてる個人的にドルマゲドンが欲しかったけどシクが2枚来てる時点で文句は言えない。
さて今回は前回話せなかったブラザーフェイスの話をします。
まずフェイスはマルチスキンを少しだけ登場させるためのキャラクターです、総集編でマルチスキンの話を出しクリフォトまでの話のどこかで出す予定でしたが前回書いた理由で先延ばしになりました。
ようは話を出すのが予定より遅くなったことで少しだけ内容が変わったんですよね、なので今回は元の内容を少しだけ書いて終わります。
話としては図書館の話の後で、美穂と約束したいつか答えを出すと言う約束を果たそうとするけど自分なりの答えが出ずに炎二に相談します
その相談中に事件が発生し向かうとブラザーフェイスを名乗る犯罪者が暴れていて、美穂との約束で頭がいっぱいな凪は苦戦を強いられているところにムイナが現れ共闘します。
フェイスはフェスの会場にて犯行予行を出しており、その予告場所をムイナと凪は隠れて警備していたが隠れていた所を襲撃され、ムイナは警察にしか話していない隠れ場所がバレたことで警察内部にフェイスがいると考え罠を仕掛けます。
無線を聴いていた警官1人1人が孤立する様に配置し、孤立した事をいい事にフェイスになろうとした警官を捕獲すし………と言う話でした。
今の話では芸術家と言う設定がありましたが、初期ではなくただのフェスイベントを滅茶苦茶にしたいと言うキャラクターでしかありませんでした、なぜ芸術家設定を追加したのかと言うと…まぁノリと勢いですね。
大まかなストーリーは変わってなく細かい所が変わってる感じですね。
クリフォトの後すぐに書いても良かったんですが理由があって彩芽さんの話を挟みました
初期の話で美穂さんの事で悩んでいて炎二さんに相談すると言う話になっていて、それを前提に話ができています、しかし美穂さんはクリフォトを倒して解決みたいな雰囲気が出ていたので、解決した問題で悩むのも少し変だなと思い新たな問題を作る必要があり
そのために彩芽さんの話を出しました。
一応この話でロックレイジを登場させることも考えたんですが、誰も興味はないだろうしこの話以降登場する予定はないのでやめました。