第18話 友達だから
「……ぐえ、べぇ……」
領は凪を蹴るのをやめると首を掴み口と鼻を塞ぐ、抵抗する体力なんてない凪は必死にもがくがそれは蚊がぶつかった程度もなく、そんな攻撃でどうにかできるかと言われればできるわけがない。
目の焦点が徐々に合わなくなり白目を向きながら瞳から涙を流す。
《最初からこうすればよかったんだ》
抵抗する力も意識も消えかけ手がぶらりと垂れ意識を手放しかけたその瞬間30cmほどの四角い板が領の頭に突き刺さり、凪から手を離す。
《こうすれば あいつが 俺の》
「はぁはぁはぁはぁ」
領が刺さった板を引き抜いている間に肩で呼吸しながら距離を置くが疲れたからか普段ならこけない段差でこけ倒れそうになったがその手を魔法少女に変身した真琴が握った。
「大丈夫、さ…マジカル」
「だ、誰?」
[新しい仲間だよマジカル、名前はミスティラウン]
「よろしく…と言っても初対面じゃないから違和感あるけど」
「え?もしかしてこの子私の知り合い?うそ全然わかんない誰?南くん」
[この身長で南くんではないよ、そもそも男性は魔法少女にできな…]
《居場所が》
「ん? 危ない!!」
突き刺さった板を引き抜いた領は身体中から氷柱をその全てを放つ、パッと見て20個はある氷柱に凪は真琴を抱き抱え自分の体を盾にする。
しかし氷柱が凪に刺さることはなかった、不思議に思い後ろを見るとそこには5m✖️5mの金色の板が凪を守った。
「これは…あなたがやったの」
[これがミスティラウンの能力さ、2つの板……ゴールデンシールドを作り出し、それを操りサイズを自由自在に変える能力]
「ゴールデンシールド?」
「ダサい」
[ダサくないよ]
《な、何を言って イカれてる本気で マインドレス》
ドンドン
領は板と言うより壁に近いシールドを何度も殴る、しかしシールドには傷1つつかない、仕方ないからシールドが張ってない横から周ろうとしたが領が動くたびシールドも動き行手を阻む。
それにイラついたのかシールドを思いっきり蹴るがシールドには傷1つつかない。
「ここで休んでて私がやります」
「待って、あなたまだ変身したばかりでしょ無理しない方がいいよ」
「大丈夫よ、勝負はあなたが思ってるより早く終わるから」
そう呟くとシールドに手をかざす、領はシールドを壊そうと手のひらに氷柱を作りその氷柱で壊そうとするがシールドは壊れることはない、そんな姿に真琴は挑発するような笑みを浮かべる。
その挑発に乗るかのように全身から氷柱を生やしその氷柱を至近距離どころかゼロ距離で発射する領、その射撃でも傷1つつくことはない。
これ以上やっても無駄と言うことが理解できずに領は何度も攻撃を重ねる、領はその攻撃に夢中になり気づくとこができなかった、自分の頭に突き刺さっていたもう1つのシールドが大きくなって近づいていることに
「注射と同じで一瞬で終わるわ」
そう言いパチンと指を鳴らすと2つのシールドが動き領を押しす、迫るシールドに潰されないようにもがくが骨や肉で作られず氷のみで作られた体は脆くいとも簡単に砕けバラバラに砕けちる。
「ほら一瞬で…」
[まだだ、彼はまだ]
バラバラになった氷の残骸は溶け水たまりになると、その水たまりは徐々に周囲の空気を凍らせ人形の姿を作り出し走り出す。
真琴は冷静にシールドを張り領はそのシールドに激突しバラバラに砕けるが砕けた体は周囲の空気を凍らせ元の姿に戻る。
「どうなってるの」
[なるほど今の彼は怨念だけの存在らしい]
「どゆこと?」
「幽霊みたいな感じかい」
[そうだね、魂とあの道具が混ざり合い能力によって彼の今の姿が作られている、この怪人のような姿は能力で作った着ぐるみでしかないのさ]
「イテテテ、じゃあどうやって倒すの」
「多分このまま壊し続ければ倒せると思う、無限のエネルギーは人類が簡単に手に入れれる物じゃない、壊し続ければエネルギー切れで倒せると思う
実際壊すたびに彼の力は弱くなってる、今は氷柱すら出せてない」
[そうさ、だけど問題はそのエネルギー源は彼の魂から来ている、エネルギー切れは彼の死を意味する]
「それじゃあ倒すためには領くんを殺さないといけないの」
「……マジカルは下がってて後は私が…」
[1つだけ彼を殺さずに助け出す方法がある]
「その方法は?」
[道具と魂を分離させる方法だよ、ただ問題は…道具が魂と一体化してるせいで見えないし触れない]
「どうするのそれ」
[ワンデイを使うんだ、ドロップスの戦いの時に言っただろワンデイは肉体ではなく魂そのものに攻撃する、ワンデイで魂を撃てば分離できるはず]
「た、魂ってどうやって見るの」
[普通は見えないけど僕なら見れる、魔法少女の素質は魂を見るようなものだからね、魂の位置は僕が指示するからその位置に撃つんだ]
「クラフトさんが打てばいいじゃん」
[僕があの矢を持てるとでも]
「作戦はマジカルが打つだけでいいの」
「え?私が打つの」
「それは…ほら矢を使ったことないから」
[いや打つだけじゃ無理だ、あの偽りの肉体から魂を引き剥がさないといけない、だけど問題は魂単体に矢を当てないといけない]
「なんで?あの弓って肉体を貫通して魂に攻撃するんでしょ」
[生物に対してはね、無機物には貫通せずに破壊する、魂を分離させるには最大火力を当てないといけない、もし氷で少しでも威力が下がれば分離はできない]
「じゃあどうするの?」
「体を完全に破壊するタイミングと矢を当てるタイミングを合わせればいいのね」
[察しが良くて助かるよミスティラウン、だけど問題がある君のシールドは矢を防いでしまう、君はシールドを使わずにアイツを倒さないといけない]
「それ…できるの?魔法を教えてる時間もないよね、初めての戦闘で領くんを倒せるの」
「私を甘く見ないでください、こう見えて名探偵なので」
そう言うとどこからか手鏡を取り出すと、その手鏡に指を入れる。
「え、えええ!!鏡に手がえ、どうなってるの」
[バカなミラーディメンションに干渉してる]
「ちょっと借りるよ美穂」
鏡の景色がグニャグニャに歪みその歪んだ先の何かを掴むと真琴は引き抜く。
………マジか。
真琴が鏡から引き抜いたものそれは31cm程の大きさの剣だった、持ち手は6cmで10kgの重さの剣、一般的に想像できる普通の剣のように見える、しかしその剣は普通の剣ではない。
その剣は誰もが喉から手が出るほど欲しがり、博物館に厳重に保管させるほどの貴重なもの、その剣の名は定めの鎖。
伝説の剣だ。
最後に懐かしい物が出ましたね、定めの鎖と言うのは僕が過去に書いた小説で主人公が使ってた剣ですね、もうあの小説を書いてから3年経ったのか、まだ完結してないけど。
今見ると文書めちゃくちゃで見てると恥ずかしくなります。
とは言えこの小説よりも伸びてることは事実で僕の小説で未だに変えた作品がないのも事実、いずれ圧倒的に変えて欲しいですね、今はブックマーク1という絶望的な数値で超えれる感じはしないですね。
超えて欲しいなぁ、なのでブックマークをお願いします。