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第2話 ホットリミット

 昭和の大昔にすら居ないような不良の格好をした少年は教室の黒板の真ん前に立ちながら「レスを知っているか?」と聞いてくる。


 そんな少年を真っ直ぐ見つめる凪の脳内にハテナマークが浮かぶと同時に宇宙ネコの画像が大量に思い浮かんでくる。


「……お前か?」


 少年は猫すらビビらないような吊り目をさせながら凪を睨みつけ、目の前の机を足でどかしながら凪に近づく。


「え?私」


 こんな状況になった時取る態度は人それぞれだ、例えば雑談するとか怯えるとか逃げるとか、もし私なら殴りかかったりするかもしれない。


 だが凪はただ見ているだけだった、怯えて動けないとかではなくただひたすら見つめている、黒目の割合が大きいつぶらな瞳で見つめている。


 首を少し傾げ、愛想笑いに近い表情のまま少年を見つめる。


「あ、あの〜なんの話で」


「…………」


「えーっと……」


「…………」


 少年が近づくたび凪も後ろに下がる。


「…………」


「その…怖いよ顔、そもそも君は誰なの」


 愛想笑いの表情が崩れ顔がひきつれる。


「おっと…」


 後ろに下がる凪だったが授業割が書かれた黒板にぶつかり、前から来た少年と凪との距離は30cmの定規で測れるほどの近い距離になった。


 恋愛漫画的に例えるならガチ恋距離、MajiでKoiする5秒前だが相手が昭和の遺物なら抱く感情は恋心ではなく嫌悪感だ。


「あ、あの〜」


 少年は静かに拳を握る、流石にまずいと感じた凪は


「ご、ごめんなさい」


 と一言いうと少年を両手で押し、少年は2、3歩下がり舌打ちを挟む。


 凪は何がどうなってるのか分からぬまま急足で教室から出る。


 外は悲鳴を上げながら逃げる生徒と野次馬根性で観にくる生徒で廊下は朝の通勤ラッシュみたいにギチギチになっていた。


 そんなギチギチの人混みの中を進みながら女子トイレに逃げ込んだ。


「はぁ、はぁ、はぁ、何あの人」


 キーン コーン カー ドカーン!!!


「え?なんの音」


 授業終わりを告げるチャイムが鳴ると同時に爆発音が2-2教室の方向から聞こえてきた。


「まさかあの人が、みんなが危ない」


 なんの力もない凪はトイレから出て教室に戻ろうとした、だがその時母親の言葉が脳裏にチラついた。


 なんの力もない、そんなあなたが関わっても怪我するだけ、当然な話だ火事が起きてるのに消化器も防火服も用意せずに火事場に行くよくなもの。


 間抜けでそれで死ねば井戸に落ちたニワトリを助けようとして死んだ6人が受賞したダーウィン賞が貰えるだろう。


 そんなことは凪自身も知っている事だ、だが凪はそれでもトイレから出ようとした、多分2023年のダーウィン賞は彼女のものだな、おめでとう。家族総出で号泣な葬式になるだろうな。


 だがそんな葬式は開かれることはなかった、トイレから出ようとする凪を後ろに居た人形のような生物が止めた。


[正気ですかあなた]


「止めないでっ……って∑(゜Д゜)誰!?」


 凪の後ろに居た生物はそれはマスコットのようなデザインをした猫の人形みたいな生物だった。


 大きさは30cmほどで白くて宙を浮いている、声は猫の鳴き声みたいに高く女性のような声で敵意はないように感じる。


 UMAと言われればUMAにも見えてくる謎の生命体を見た凪は口を大きく開け止まった。


「たぬき?」


[猫ですよ!!いや猫でもないんですけどね、僕は妖精です]


「ホットリミット?」


[なんで第一声がそれなんですか、ナマ足魅力のマーメイドじゃないですよ、妖精です]


「そうなんだ、私陰性だから近づかないで欲しいか…」


[だ か ら妖精フェアリーです!!]


 知らない人間にいきなりフェアリーと言われて信じる人間は居るだろうか、怪しい宗教勧誘で神を信じていますかと言われるようなものだ


 そう言う時は反吐が出ると言って心の中で唾を吐けばいい。


「………そ、そうなんだ」


[信じてませんね]


「まぁ、うんってそんなことよりみんなが危ない」


[あなたもですよ、なんの力もないのに行く気ですか]


「うっ…」


[彼に生身で勝てる人間はそうそう居ませんよ]


「あなたかの人を知ってるの」


[ドロップス、魔法少女と敵対する組織クトゥーグの幹部の1人です]


「魔法…少女?」


[はい、あ、紹介してませんでしたね、僕はレスクラフトと言いまして魔法少女のマスコットをやってましてですね]


「うそ、魔法少女って…存在するの?」


[居ますよそれぐらい、そもそもこの世界能力者とかいっぱい居るんですから居ても変じゃないでしょ]


「そう言うわけじゃなくて、魔法少女はもういないじゃない」


[そうなんですけどね、現在魔法少女の人数はゼロ、その隙をついてかドロップスのような悪の組織の連中が暴れてる始末で]


「そうなんだ、ねえその…ドロップスさんが言ってた【レス】って君の事?」


[そう…かもですね、おそらく新たな魔法少女を作らせないためでしょうか]


「大変だね、それにその…ドロップスさんもあなたを探すためだけにあんなことを…」


 ドカーン!!


 2-2教室からまたしても爆発音が聞こえてくる、その爆発で廊下に居た野次馬の生徒や先生達が一斉に逃げ出す。

 

「みんな大丈夫かな」


[大丈夫だと思いますよ、ですがそこまで時間はないでしょう、今ドロップスを止められる者は居ない、ベテランヒーローも出動許可が降りる頃にはドロップスは逃げてます]


 ズン!! ズン!!


 大きな揺れがトイレにまで伝わる、天井から砂のような粉が凪の髪の毛にかかり、天井の照明がチカチカ点滅する。


[で、薄々予想されてると思うんですけど]


「なんの話?」


[君には才能がある、僕と契約して魔法少女にならないかい]

 実は本編よりも後書きを書くのが楽しい作者です、投稿して知ったんですけどなろうが新しくなってましたね、前までは下書きが全部一緒だったんですけどそれが作品ごとに分けられるようになりましたね。


 他には前書きと後書きが投稿前から書けるようになったり、他には投稿予約が分刻みの投稿ができなかったのに10分刻みの投稿ができるようになりましたね。


 便利な時代になりましたね。


 しかし導入に時間をかけたくないと思って駆け足で話を進めたんですけど次の3話はなんと導入なんですね、他の人みたいにサクサクいけたらいいんですけど、バトルシーンより導入書いてる方が楽しいんですね。


 安心してください4話はちゃんと戦って主人公が花壇の肥料になります。

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