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第183話 壁一枚の魔術師

~~~~14年前~~~~


 彩芽は真っ白な施設の中で目を覚ます、説明できないような体の痛みに苦しみながらもベットから起き上がろうとしたところでスピーカーから「少し待ってください」と言う声が鳴り、1分も経たない内にスピーカーから聞こえた声と同じ声をした茶髪の女性が部屋に入ってくる。


「まだ動くのは危ないですよ、彩芽さん大人しくしててください」


「今何日」


「今ですか4月12日ですよ」


「そう」


「あ、そう言えば私の自己紹介が・・」


二宮にのみや 賛歌さんかでしょ、あの子を引き取ってくれたMCSの役員」


「あ、知ってました、ぜひ気軽にニーサーって呼んでください」


「呼ばないし、私は職員の全員の名前と顔と情報は全部脳に入ってるから」


「流石彩芽さんですね」


「そう言う能力だから褒められても嬉しくないわ、所であの子は元気?」


「はい、顎門くんは元気ですよ、いや・・くんじゃなくてちゃんか?」


「元気そうならいいわ、所で私の子供は?」


「それがですね彩芽さん今回のお子さんは適性があったみたいで今検査が行われてるんですよ」


「・・本当に」


「はい、5人目でよくやく魔力の適性がみられました!!おめでとうございます、今施設中は大慌てですよ」


「良かった」


 そう言うとほっとしたのか肩を落としベットに横たわる。


「実験はまだやるの」


「まあ・・その・・少し言いずらいですけど、はいですやります」


「日本語へんよ、やるってことでいいのね」


「そう・・です、その・やめたいならやめてもいいと代表は・」


「私はいいわ世界記録の69を目指すつもりはないし、後継者は多い方が良い」


「気持ちはうれしいですけど、もっと自分の体と子供を大切に思ってわ」


 冷蔵庫に手を伸ばそうとし、それに気づいた賛歌が冷蔵庫を開き


「何か飲みます?」


「お茶でいいわ」


 賛歌は冷蔵庫からお茶を取出し彩芽に手渡す。


「子供は貴方達がちゃんと管理してるんでしょ、なら私は文句はない、きっと私なんかが育てるより何十倍もいい」


「自分を卑下しすぎですよ、それに・・その魔術師がいなくても研究は出来ます」


「いなかったら何人死んで何百年かかるの」


「それは・・その・・・」


「それに世界のバランスが崩れ始めてる、過去では能力者と魔術師の割合は綺麗に半分だったそうよ、魔力が消えて魔術師は無能力者になっても問題はさほど無かったって本当に言える」


「その・・端的にお願いできません」


「世界が崩壊した理由は同じように魔術師が消えたからだと思っています、あくまで憶測でバランスなんて関係なかったとしても…世界の崩壊はいずれ起きてそれを止めるには魔術師が必要だと思ってます」


「…………えーっと……はい、そうですね」


「よくわかってないわねあなた」


「まぁ…はい……」


「世界の未来のためにやってると思って、所で…賛歌さんは何でここに居るの、子供のことを伝えにきただけ」


「それもありますけど、今日から私は彩芽さんのお世話係に任命されたんですよ」


「…お世話?」


「はい、いや…監視って言った方がいいですか?それとも秘書いや助手?」


「どれでもいいけど、私はまた研究対象に戻ったの」


「そう言うことじゃないですよ、あくまで私はメンターです、1日の予定から仕事の前準備や身の回りのお世話まで何もかも私にお任せください」


「別に必要ないからそう言うの」


「まあまあそう言わずに、よろしくです彩芽さん」




〜〜〜3年後〜〜〜


 彩芽の存在は組織にとって必要不可欠だと言うことを証明するように彩芽は組織内で功績を残していた、それに伴い階級も上がり多少のわがままなら聞いてもらえるほどにまで登り詰めた。


 しかし、そんな彩芽のとある些細な願いには組織は聞くことはなかった。


「なんで」


「その…彩芽さんすこし…」


 彩芽は苛立ちをぶつけるように賛歌に手元の書類を投げつける。


「怒る理由はわかりますけど…ここは」


「貴方と始めたあった日から私はずっと言ってるし、何も難しい話じゃないでしょ、それなのに子供に合わせないってどう言うことなの」


「きっと…その深いわけが……」


「私があの子達を見たのは産んだ時だけよ、それから一度も顔を見れてない、どう言うことなの」


「わ、わかりました、わ、私からその…伝えてきますから」


「あんたに何ができるのよ」


「私の息子の件で脅します」


「………あ、うん……そう…なんかごめんなさい、怒鳴ったりして」


「大丈夫ですよ、それは普通の反応ですから」


 賛歌の脅しにも取れる直談判に組織も動かざるおえず、子供が居る施設に案内され、そこの個室にて子供との再会が行われてた。


 研究代表者である男が部屋の扉を開け3歳児と共に入ってくる、感動で少し涙が出そうな讃歌とは違い彩芽はくすんだような目を少女に向けていた。


「すまなかったね、少々研究が…」


「違う」


「え?どう言うことですか彩芽さん」


「私の子じゃない」


「柳田さん」


 代表者の言い訳を聞くままなく彩芽は部屋から飛び出し、研究対象が隔離されているエリアを走る。


 ガラス越しに中が見え、部屋には虹色に輝く豚やゴブリンに木のゴーレム、彩芽が関与してないものや報告書にすら書かれてない存在まで隔離されていた。


 気分が悪くなるほどそんな施設を走り回っても彩芽の子供はどこにも居なかった、走り疲れ蜘蛛の糸で遊んでいるおかしな顔の女の子の前で立ち止まると代表者が現れた。


「気はすんだかね」


「どう言うことですか柳田さん、彩芽さんの子供に合わせるって」


「私の子をどこにやったの」


「少し勘違いしてないかな」


「なにが」


「あの子はいまや君の子供じゃない、我々組織の子供だ、産んでくれたことには感謝するが…それ以上のものを求めないでくれ」


「酷いですよそんなの」


「我々の慈善活動でこんなことをしているわけじゃないし、正義の味方でもないただの研究組織だ、それがわかったならもう帰ってくれないかい」


「帰れって…そんな!!」


「ニーサーもう良い、帰りましょう」


「何でですか彩芽さん」


「もういい、見せないってことは見ない方が幸せだからでしよ、ならもう良い…最初から私に子供なんて居なかったのよ…ただ…」


 そう言いながら彩芽は目の前の代表者を思いっきりぶん殴る。


「これぐらいは許してもらうわよ」


 そう言うと彩芽は賛歌の手を握りしめ施設から出ていく。

どうもサーバーが落ちて昨日は投稿が遅れた作者です、デュエプレのストーリを一気読みしてたら10時になっており急いで予約投稿しようとしたらサーバーが落ちててできませんでした。


まあ他の小説家さんは500文字が消えたとかの被害があったみたいで私はデュエプレのおかげで1文字も書いてなかったので幸運?ですね。


さて、今回は…特に話す事がないと言いますか、話したら完全にネタバレになってしまうので次次回ぐらいで話しますね、では

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