第182話 30/5
メッセージを送った美空に会いにキャンプ場に訪れた凪達だったが、そのキャンプ場に美空以外にも凪の同級生である南と領が居たのだ。
「なんか凄い久しぶりだね9か月ぶりな気がする」
「何言ってんだお前、普通に夏休み前どころかビーチで会っただろ」
「そうなんだけど、なんかそれぐらい前な気がするんだよね」
「気持ちはわからなくもないけど9か月は言い過ぎじゃないかな、所でなんで猿渡くんがここに?キャンプって感じじゃないけど」
「私は彩芽さんの付き添いで美空さんに会いに来たんだ」
「なんか俺ウーバー呼んだって聞いたけど、ウーバはそのお姉さんのこと」
「ふーん私の事そう呼んでたんだ」
「いやその・・ほら荷物届けてくれるからう・」
彩芽は美空にじりじり近づくと整えた髪を掴んでぐしゃぐしゃにする。
「わあーやめて」
「で、なんで2人が美空さんと一緒にキャンプしてるの」
「俺達は美空先輩が免許取った記念にバーベキューするって言うから来た、ってのに野菜を忘れるなんてな」
「肉とお菓子は用意しているあたり美空さんらしい」
「2人は知り合いなの、美空さん多分大学生だよね」
「水泳クラブで一緒だったんだよ、こん中だともう南しか入ってねえけど」
「美空さんも領もやめたしね」
「え?領クラブやめたの、なんかクラブで最高記録取って新聞乗ってたよね」
「もう水泳なんてどうでもいいんだよ」
そう言うとマシュマロを棒に刺して火に近づけた瞬間その火が消えた。
「はあ」
「・・あ、そうだったごめん能力で出場権無くなったんだっけ」
昔の話なのでおさらいすると、この大月 領は凪の同級生で将来はプロの水泳選手を目指し、その目標を達成するには問題ないほどの実力を持っていたが氷結能力に覚醒し、水泳の大会で出場禁止になり水泳部の部長も隣にいる水泳の才能がない南に取られたのだ
そのことの腹いせに南を冤罪をかぶせたが真琴が領が犯人である事を暴露し、誰かから貰ったスーツを使い暴走したが凪と真琴に止められた過去がある。
「能力がどんどん強くなってる、なあ凪お前今暑いか?」
「え?そ、そう言えば全然暑くない」
「意識してないのに能力が勝手に発動して周囲の温度を下げてるんだ」
「なんだかゲンガーの図鑑説明みたい」
「それで済めばいいがさっきみたいに勝手に火が消える、はあ・・もう俺ってだめだ」
「そ、そんなに気を病むな領、火なんて何度でも付け直せばいいんだし」
そう言いながらライターを取り出しグリルに火をつける。
「ねえ仲良く会話するのはいいけど助けてよ、せっかく整えた髪がぐしゃぐしゃだよぉ」
「自業自得ですよ、領先に焼いて食べてよう」
「ああ」
南はダンボールに手を伸ばし野菜を掴むと軽く切り、領が串に突き刺しグリルに置くとグリルの火が突然消えた。
「あ」
「いい美空、貴方もう18にもなるんだから心配させないで」
「ごめんって、と言うかそんなに怒らんでもいいじゃん」
「怒ってないわよ、心配してるだけよ」
そう言うと髪から手を離し魔法で美空の髪を直し、消えたグリルの火を付け直す。
「なんだこれどういう能力だ」
「おお!!凄いやこれ」
「まったく免許取って変わったと思ったのに」
「変わったよ後輩乗せてここまで来たし」
「人ひきそうになったけどな」
「3回ぐらい吐きそうになったけど」
「そこ黙ってなさい」
「そんなので本当に大丈夫なの大学生活」
「大丈夫だよ何の問題もないし」
「ほんと?」
「ほんとほんと、と言うかなんでそんなママみたいなこと言うの、ママでも何でもないのにママずらしやがって」
「ふーん、そう言うなら野菜持って帰るけど」
「ごめんってあやママ、冗談じゃん、ね、許して」
帰ろうとした彩芽に抱きつく美空を見て仲いいなと思いながらも今日ずっと思っている疑問が脳内に駆け巡り、口から出てくる。
「で、お2人の関係って」
「え?ただの友達だよ、自転車で明太パーク行こうとして道に迷ったときに家に送ってくれたんだ」
「お家ってここらへんなんですか」
「ちげぇよ、俺らの先輩ってこと考えろ夕日中学の近くだよ」
「え、待ってあそこから明太パークって電車でも1時間ぐらいかからない」
「いやあ~車で検索したら50分だったから自転車だよ2時間ぐらいでいけるかなとか思ってたんだよね」
「高速使って24kmよ、分速80mの計算で5時間かかる」
「5時間!!」
「それ歩きの計算式でしょ、自転車ならもう少し早い」
「道に迷っておいて言うんじゃないの、まったく小5でスマホ無しで行く距離じゃないでしょ」
「・・・(え、この人バカなの)」
「こんな馬鹿でも免許取れて大学行けるんだな」
「最近の大学とかは少子高齢化で少ない生徒を入れるために少しづつ簡単になってるらしいから」
「おいバカにすんなよお前ら」
「そう思われないような立ち振る舞いをしなさい」
「あやちゃんまでそう言う」
「皆あなたのことが心配なのよ、本当に今後が思いやれらる、今日も少し予定をずらしたし」
「え?あやちゃんなんか予定あったの」
「そうよだからもう行くわね」
凪と言おうとして視線を凪に向けると串に刺された野菜と肉を口いっぱいに頬張る凪が居た。
「(´~`)モグモグ、え?もう行くんですか」
「なに食べてんのよあんた」
「あやちゃんも食べなよ、もう1時だしそれにせっかく来たんだしさ」
「悪いけどお昼ご飯は私も凪も食べてきたの、そこまでお腹はすいて・」
ぐぅ~
「・・・凪?」
「ご、ごめんなさい、なんだか最近お腹が空いて」
「ざるうどん大盛り2杯食べたばかりで」
「あああああ!!ちょっと言わないでくださいよ」
「嘘だろお前、そんなに食べてまだ腹減るってどんな胃袋してんだよ」
「言わないでってば」
「ほらほら連れの子が食べたがってるわけだしさあやちゃんも」
「・はあ、もうわかったわよ」
すみません、昨日の夜なろうサイトが動かなかったので遅れました。