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第180話 言えない会話のキャッチボール

 孤児院から車を走らせ、車は野球ドームに止まる。


 凪は少し眠い目をこすりあくびをしながら外に出る、彩芽は後部座席に置いていた重そうなクーラーボックスを持ち上げようとしたが重くて少し苦戦し魔法を使おうとしているところで凪がボックスを軽々と持ち上げる。


「よいしょっと」


「・・・貴方結構力持ちなのね、変身してないのによく持ち上げられたわね」


「そこまで重くないですよ、それよりここは・・野球グラウンドですよね」


 孤児院の次は野球ドーム?と疑問に思いながらも彩芽の後ろをついていき会場に入る。


 今日は中学校の練習試合が行われており、少し大きいグラウンドにはその保護者達が集まっていたが、練習試合と言うこともあり数は少なく


 うおー!! みたいな声はなく保護者のひそひそ話が繰り広げられていた、試合を見に来たというより友達同士の会話をしに来たような印象を受ける。


 実際に観客席に行かずに入り口で喋っている保護者もちらほら見かける。


 そんな保護者の視線を集めながら彩芽は選手エリアの出入口に向かっていた。


「あれ、彩芽さんここ選手エリアですよ」


「分かってる分かってる」


 そう言いながら出入口のドアを開け、ボックスを持っている凪を先に行かせるとドアを閉める。


 少し汗臭い廊下には休憩中で半裸になって涼んでいる選手が数名いて、凪は恥ずかしそうに目線をそらしながら進んでいると1人黒の長いシャツを着て顔以外一切露出していない選手が何故か気になり視線を向ける。


「・・・・」


「なんだよ」


「いやなんでも」


 そう言うとすぐに視線を外すと彩芽が選手待機所の出入口の前で止まり、ドアを開けて選手待機所に入ると物凄い熱気と共に試合中の学生達の声援が耳に響く。


「すごい迫力、観客席で見るのとは違いますね」


「少し早かったかな」


「いやそうでもないさ」


 監督と思わしき30代後半ぐらいの男性が立ち上がると彩芽の前に立つ。


 彩芽の背はかなり大きい方だが、その彩芽を超えるほど大きく2mはありそうで、体つきもかなりガッチリしており野球選手と言うりプロレスラーを思わせる体格だった。


「(す、すごい大きい、まるでゴリラみたい)」


「元気だった佐久間」


「少し暑さにやられそうだけど元気だぜ姉さん」


「・・・え?弟さん」


 全然似てないと思いながらもクーラーボックスを地面に降ろす。


「うん、木口 佐久間で私の弟、はい佐久間ドリンクとアイスとか色々持ってきたよ」


「あんがと、そろそろ試合が・・」


 ビー!!


 と言う音と共に試合が終了し汗だらけの選手達が待機所に駆け付け、佐久間がボックスを持って机の上に置くと汗だくの選手達が集まりキンキンに冷えたスポーツドリンクやアイスに手を伸ばす。


「おれんのだ」

「おいソーダ味取んなよ」

「いっぱいあるんだし騒ぐなよ」

「このおにぎりコンビニのじゃないぞ」

「まじか手作りだぞ」


「お前ら取り合う前に姉さんにありがとうぐらい言え」


「「「ありがとうございます!!」」」

「よっしゃおにぎりゲット」

「ずりーぞ」

「と言うかあれ本当に監督の姉かよ、全然似てねえ」

「てか凄い美人だよな」

「すげえエロい」

「ゴリラスパイダーとは大違いだな」


「おい!!誰がゴリラだこらああ」


 佐久間はそう言うと指から糸を生成し、その糸でゴリラと呼んだ生徒の口を縛る。


「んぐぅ!!」

「やべこっち来た」

「臭いからこっちくんな」


「な、なんだかすごい楽しそう」


「混ざりに行く?」


「いや止めておきます、異性だし(汗だくでなんか嫌だし)所で・・彩芽さんって結婚してたんですか」


「してないけど・・どうして」


「いや苗字違ったから結婚したのかなって」


「両親が離婚して母親に引き取られたのが佐久間で父親に引き取られてたのが私」


「虐待されてたんでしたっけ」


「そう、辛くて逃げ出してる間に記憶を失ったの、そして暁大学の校長先生に引き取られて苗字が変わった」


「・・・え?彩芽さんの能力って記憶を忘れない能力ですよね」


「記憶喪失になった原因は分からないの、虐待が辛すぎて忘れたいと思ったから忘れたのか、能力の限界地が来たのか、未だによくわかってないの確かめる方法もないしね」


「そうなんですね」


「さて」


 彩芽は魔法でボックスの中にあるスポーツドリンクとおにぎりを操作して手元に持ってくる。


「便利ですねそれ」


「後で教えてあげる、佐久間!!もういくね」


「もう行くのか、せっかくなら次の試合も見てけよ」


「まだ行くところがあるの」


「(まだあるんだ)」


「そうか分かった、そう言えば野坂なら・」


「待機所の真ん前でしょ、分かってるじゃあ試合頑張って、行こう凪」


「野坂さんって人に会うんですか」


「あなたが会話してた子よ」


 そう言いながらドアを開けクーラーが効いている廊下に移動する。待機所のドアから近い位置で壁にもたれかかっている黒の長いシャツを着ている選手の前に立つ。


 熱そうにくたびれている選手に彩芽はスポーツドリンクとおにぎりを差し出す。


「どうぞ野坂 有馬くん」


「いいっすよ俺は先輩達の補欠で来てるだけっすから」


 この2人知り合いなのかな、まあ名前知ってるし知り合いか、でも知り合いにしては母と子ぐらい年齢離れてるし、組織の関係者でもなさそうだし、弟さんの子供でもないよね苗字も違うし、何のかかわりがあるんだろう。


 と凪は2人の関係に疑問を抱きながら口をはさむのもお門違いかと考え黙って見つめる。


「いっぱい用意したから受け取って」


「そう言うなら」


 野坂は渋々受け取る。


「最近どう」


「別にどうもないっすよ、と言うか俺とあんたなんか繋がりあるんすか、親戚でも生徒の保護者でもない、なのにこの前の大会でも昔の小学校の運動会でも同じようなことしてたっすよね、クーラーボックスを持って来て、少し離れたところに居る俺に届けに来る」


「記憶力がいいのね、忘れてると思ってた」


「まあ無駄に記憶力はいいんで」


「そうするのは君だけ仲間はずれにするのは良くないって思っただけよ、今回もそう暑いのは分かるけど少しは皆と絡んだら」


「大丈夫っすそう言うの、これありがとうございます」


 そう言うとこれ以上話しかけるなと言いたいように帽子を目元が隠れるぐらい下げ、瞼を閉じる。赤の他人にグチグチ言われるのが嫌なのは何となく分かるけど、そんな態度しなくてもなぁ、そう思いながら凪は彩芽の顔を見ると何だかつらそうな顔を浮かべていた。


 まるで何か言いたいけど言わないように心の底で押し殺している、そんな表情だった。


「・・じゃあ頑張って」


「補欠を?」


「言われてみるとそうね、まあ色々頑張って」


 彩芽は少し名残惜しそうにしながらも出口に向かい車に乗り込む。

どうもケングレンオーのデッキを作りたくなりカーナベルで買ったワンケングレンオーを買うのを忘れて追加で買った作者です。

わからない人に説明するとデュエマにはデジモンみたいに進化を重ねて滅茶苦茶強い最終形態に進化させるデッキがあるのですが、第二形態に当たるワンケングレンオーを買うのを忘れていました、それ以外の形態は全部買ったのになんで第2形態だけ忘れるんだ。


さて、今回は前々回から話してた彩芽さんの話です、私は作品を作る際にイメージがしやすいように一旦他作品のキャラクターをイメージしてストーリーを書き、文章にする際にオリジナルキャラにするやり方をやっています。


一言で言えばオマージュやパロディ…悪く言えばパクリになるわけですが…‥まぁキャラクターをそのまま使ってるわけではないのでパクリではないですよ、ただ少し雰囲気が似てるだけで‥


まあそんなやり方のため1番のキャラクターには元ネタと言えるキャラがいたりします。

 

彩芽さんはスターレイルのルワンメイとブラックスワンを出したようなイメージで作りました、スワンの雰囲気やビジュアルを意識しつう、ルワンの顔がいいだけで倫理観に欠けている所を出す感じで彩芽さんを作りました。


ただ最初期はそう言うイメージだったと言うだけで今ではそこまで面影がない感じがしますね。

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