第178話 あまあまウィッチ
「大丈夫ですか」
「あ!?まほうしょうじょだ!!」
「ほんとだほんとだ」
「みんなー!!まほうしょうじょだよ」
彩芽に乗っかっていた子供が一斉に凪の方を向き、部屋の入り口から10人以上の子供達が凪を見つめまるで獲物を見つけたような表情を浮かべながら一斉に凪に向かって走り出す。
「あ、え・・その」
「こら!!やめなさい」
子供達が走り出すと同時にそんな声が部屋の中から響き子供達が一斉に動きを止める。
「もうだめでしょ、せっかくのお客さんなのに」
そう言いながら部屋からエプロンを付けた白髪の20代前半の糸目の女性が現れ子供達を部屋の中に戻すと倒れ込む彩芽に手をかし持ち上げる。
「ごめんなさい、この子達たら貴方が来るって聞いたら朝からテンションが高くて」
「このぐらいどうってことないわ、カノンも元気そうで良かった」
「あ、あの」
凪は気まずそうに2人の会話に割って入るとカノンと呼ばれた女性は少ししゃがんで凪と目を合わせる。
「本当に魔法少女だ、かわいい握手してもいい」
「はい大丈夫です」
「ごめんなさい、握手の前に自己紹介しないとね、私はカノンこのはなまる孤児院の先生をしてるの」
「こ、孤児院?」
「あれ彩芽さん教えてないの」
「知らない方が驚くかなって、あといつものお土産」
「別にいいのに」
カノンはそう言いながら凪と手を握りつつ、凪が手に持っていたお菓子が入った袋を受け取ると立ち上がる。
「ありがとね、こんな所まで外は暑かったでしょう、クーラー効いてるから入って」
「し、失礼します」
凪は恐る恐る部屋に入るとそこにはたくさんの子供達が衝撃吸収マットが引かれた床の上で走り回ったり、本を読んだりおもちゃで遊んでいたりしていた、その光景に少し戸惑っていると凪の前に小さな女の子達が駆け寄ってきた。
「ほんとうだ、ほんもののまほうしょうじょだ」
「テレビでみたよ」
「ねえねえあれやってマジカルダイナマイト」
「え、えーっとその」
凪は子供達に囲まれ様々なお願いをされどうしていいかわからない表情を浮かべていると彩芽がしゃがんで目を合わせながら猫なで声で子供達に声をかける。
「こ~らお姉さんと約束したでしょ、魔法少女さんを連れてくるけど迷惑かけちゃダメだって」
「え?(彩芽さんこんな萌えキャラみたいなこえ出せたの、意外と言うよりなんか怖い)」
「でも」
「だってだってだって」
「ほらいい子だから落ち着いて、カノン先生がお菓子を用意してるから、皆で食べに行きましょう」
彩芽のその言葉にコロリと顔の表情を変えてお菓子を抱えるカノンに向かって走り出す。
「なんだか意外です」
「なにが」
「その・・子供にあまり興味ないのかなって」
「そんな冷たい人に見えた」
「そんなことないですよ」
「きたな!!まじょめ」
「わーいわーいまじょだ」
2人の会話に割って入るように目元に傷がある小さな少年が、紙で作った槍をかかげ可愛らしい威圧感を飛ばしながら現れ、最初に彩芽に抱きついた緑髪の小さな少女が小さな足で トテトテ と駆け寄り彩芽に抱きつく。
「どうしたの緑そんなにお姉さんに会いたかったの」
そう言いながらしゃがんで足に抱きつく緑の頭をなでると緑は嬉しそうに体を揺らし満面の笑みを浮かべ、それを見た彩芽も普段は見せないような笑みを見せる。
「(そんな顔するんだ)」
「ねえねえわたしね、きょうちゃんとおきれたんだ」
「偉いじゃない緑」
「おい!!ぼくをむしするなまじょ、みどり!!まじょとくっつくな、のろわれるぞ」
「だって」
「くっ、ひとじじなんて、ひきょうだぞ、なかまもよんで!」
「・・え?仲間って私」
「ふふふふ、魔法少女も私のしもべよ」
「あ、彩芽さん」
「妹を取り返したければ、この魔女を倒してみるんだなガハハハ」
少し暗いけど優しい声を出しながら魔法で手からライターぐらいの小さな火を作り出す。
「くらえ!!スパイラル・・・え、えーっと、ぷううううううううあああああああああ」
少年は少し前の巨大ヒーロのように紙で作った槍を投げるが飛距離が足りずに地面に落ちそうになったが、彩芽が魔法で浮かせて自分の体に当て
「ぐわあああああ、や~ら~れ~た~」
と若干の棒読みでゆっくり倒れる。
この人・・そんなにノリノリで子供のおままごとに付き合う人だったんだと驚きながらただ呆然と彩芽を見つめる。
「やったぞ!!まじょをたおしたぞ」
「わああんまじょさん!!」
倒れ込む彩芽に抱きついて体を揺らす緑と、投げた槍を手に取ってバチバチ彩芽を殴る少年を止めようとしたが、彩芽が目をつぶりながらも笑っていて止めた方が良いのか悩んでいると
「こらあ!!ダメでしょ啓介」
お菓子の準備をしていたカノンが駆け付け、啓介の武器を取り上げて彩芽を起こす。
「ダメでしょ人に攻撃したら」
「だってまじょだよ」
「彩芽さんは良い魔女でしょ、正義のヒーローは良い人を傷つけないでしょ」
「だって」
「ほらごめんなさいして、おやつを食べるよ」
「・ごめんなさい、みどりいくぞ」
ペコリと軽く頭を下げると走って机に向かう。
「まってよおにいちゃん」
カノンと緑は歩いて啓介の後をおう。
「大丈夫でしたか」
「子供の遊びよ、全然大丈夫でもありがとう心配してくれて」
「なんか意外ですね、すごいノリノリだし・・それより魔女って呼ばれてるんですね」
「冗談で言ったら本気にし出したのよ、まあ魔術師も魔女もさほど変わらないけど」
「何回も来てるんですかこの・・えーっとはなまる孤児院でしたっけ、何か彩芽さんと関わりがあるんですか」
「私の仕事はお金がたくさん手に入るのよ、そのお金の使い道に迷ってる時に火事で壊された孤児院があったの、だから罪滅ぼしの思いを込めて寄付したの、あのカノンって子は火事でなくなった孤児院の卒業生」
「・・その火事って」
「マジカルクレセントがマインドレスに洗脳されてした火事よ」
「美穂さんとかクリフォトさんとかであやふやになって聞いてませんでしたけど、マインドレスを作ったんですよね」
「ええ」
「少し聞いていいですか」
どうもデュエマの新弾が楽しみだけどどうせ買えないと諦めてる作者です、まさかポケモンカードみたいに予約すら出来ないことになるとは
まあ流石に再販で買えるようになるとは思いますが、転売ヤーに目をつけられるようになったのは悲しい話ですね、もうフラゲ販売とか8000円販売とかありすからね。
さて今回は彩芽さんの元ネタの話を少しします、過去作の後書きで書いた気がするのですが、元々妖怪ウォッチの二次創作を脳内で作ってた時がありまして。
シャドウサイドに登場する姫乃アヤメと言うキャラクターを意識したキャラクターとして檀野彩芽を出しました、時間が経ち二次創作よりもオリジナル小説を書くようになり、その小説を書いている時に主人公以外のキャラクターのイメージが掴めないでいました、そこで二次創作のキャラクターを再利用すれば楽できるなと考え一部のキャラクターを再利用する形で出しました。
天野久詩や神川麻央などがそうですね、で彩芽さんは女郎蜘蛛関連の話を削除して新たに能力を追加して登場しました。
流石に昔の設定のままではないので現在は別の元ネタを取り入れていますが、それは次回書きますね。