第177話 30/1
~~~姫野大図書館~~~
「じゃあつまり、和解は成立したんですね」
彩芽に呼び出された凪は地下にある大図書館で彩芽に和解が成立したことを告げ、凪は少し興奮気味に彩芽に聞き返す。
「まあ一応…成立したわ、ただうまくいくかはこれからの話になりそうね」
「良かった」と凪は肩を下ろし、小さくため息をつく、その姿に彩芽は微笑みながらコーヒーを呑み、魔術で浮かべた本のページをめくる。
「まだまだ始まったばかりだけど、ひとまずは安心ね」
「はい、で・その私達に出来ることってありますか、和解を提案したからには何かしないと・・」
「残念ながらないわよ、私も組織とヘンリーがどうにかしてくれるのを待つしかできないの」
「そう言えば彩芽さんの組織の人は説得できたんですか、クリフォトさんの要望に魔力関連の研究や実験をしないってありましたけど、組織の人は研究と実験を仕事にしているんですよね」
「そうだけど・・そもそも実験はどれも上手くいってないのよ」
「なんか私失敗談しか聞いてない気がしますよ、バラバラのところに魔術書を保管して盗まれたり、神様作ろうとして失敗したり…」
「これ以上失敗すれば国からの支援は打ち切られるし、美穂とクローシアが暴れて研究施設がほぼ残ってないから、もう実験はやめようという話が出てたの」
「それって大丈夫なんですか、実験する組織が実験をやめるって…」
「問題ないわよ、少なくともゴミに関しクリフォトは好きにしろと言っていたし、ゴミの中には使いかけのポーションや絶滅した魔物や未発見の物質や猛毒が発見されているし、数年はそれの研究に手一杯になって関連物には手は出せないでしょうね」
「良かった・・でいいんですかねそれ…」
「よかったのよ、今回の件をきにヘンリーが組織と協力関係を結んで、組織の改変が行われてる、数年もすれば悪の組織じゃなくなるわ、さて」
「どうしたんですかいきなり立って…って……」
彩芽はコップを置き本を閉じると席を立ち来ている衣服を脱ぎ、凪の前の前で着替え始める。
物凄い大きさの胸を前に恋心が奪われそうになりながら目を手で隠す。
「ちょ!!ちょっと彩芽さんなんでいきなり脱いで・・」
「話したい話は終わったし、今日は少し外に出ようと思って外用の服に着替えているの」
「だ、だからって目の前で着替えないでください」
「何を焦っているの、女同士だし貴方のお母さんと年齢はさほど変わらないでしょ」
「で、でででででででも、お母さんとはわけが違うと言いますか、そそそ・・その・・」
凪は指を開いて、隙間から彩芽を見つめる。
「面白い反応ね、私の事恋愛対象として見てる?」
「ち、違います!!ただ・・その・・」
「冗談よ本気にしないで」
そう言いながら彩芽は着替え終わるとしゃがんで、顔を真っ赤にしている凪と目を合わせながら凪の両手を握りしめる。
「な、なんですか」
「少し手伝って欲しい事があるの、時間があるなら・・手伝ってほしいかな」
「そ、それは・・べ、別にいいですけど、なんで手を握るんですか」
「………いや、私を好きになる魔術をかけてるんだけど」
「ちょっと!!」
凪は急いで彩芽の手を振り解く。
「あぶな!!ちょっとなんでそんなことするんですか」
「ちょっと…頼み事があって…」
「・・・普通に頼んでくださいよ」
「ごめんなさい、真琴に断られて貴方しか頼める人が居ないのだから無理矢理にでも…」
「そんな事しなくても別にいいですって、所で・・真琴さんに頼んで断られたんですか」
「ええ、あの子ったら恥ずかしいから嫌だって」
「ま、待ってください恥ずかしいって、何を手伝わせるつもりですか」
「もう拒否権はないわよ、さあついてきてもらうわよ」
~~~商店街~~~
図書館から車で20分程の商店街で凪はお徳用お菓子セットが20個入っている袋を持ちながら、彩芽の隣を歩いていた。
「て、手伝うってただの買い物ですか」
「それを渡さないといけない人が居てね、それを手伝って欲しかったのよ」
「なぁ~んだ、恥ずかしい事って聞いたからいかがわしい撮影か何かだと思ってました」
「私を何だと思ってるのよ、さすがに未成年相手にそんな事させるわけないでしょ」
「ですよね、でもこれぐらいなら1人でできますよね、それに真琴さんはこれの何が恥ずかしいのか」
「私1人で外に出ると大変なことになるからよ」
「敵組織的なあれですか」
「ナンパとかすごい来るの、でも子供がそばに居れば子供連れの人妻に見られて、誰も寄ってこないのよ」
「あ~あ、なるほど」
傍から見れば25歳ぐらいに見えるほどの美人の隣をお菓子袋を抱えて歩く子供が居れば、傍から見れば子連れに見えるだろう、美人じゃなくとも子供と歩いてたら子連れだと大半が思うだろうし、頭がおかしい人間じゃなければ子連れ親子をナンパする人間などどこにもいないだろう。
まあ親子と言うには髪色も顔も全然似てないけど。
「もしかして真琴さんが恥ずかしがってたのって彩芽さんと親子に見られたく無かったから」
「そうよ、見た目は子供だからナンパ避けには丁度良かったのに」
「どうりで嫌がるわけだ、それより彩芽さんってナンパされるんですか」
「物凄くされるわ、ハトの群れにパン投げたぐらいくる、さてついたわ」
彩芽が商店街から少し離れた場所の市民館のような施設の前で突然止まった。
「ここですか」
「そうだけど、ちょっと待ってね」
そう言うとしゃがんで凪に背後から抱きつき、体と薄めのコートで周りから見えないように凪を覆い隠す。
「え!?な、なにして」
「ちょっと変身してほしくて、隠してる」
「さ、先に言ってください!!勘違いするじゃないですか」
「ごめん」
「へ、変身」
手首のバンドにハートのストラップをかざすと凪の口が自然と動き体から眩い光を放つ。
「マジカルマジカル、私のハートもパステルピンクに輝いて、魔法少女 マジカルピンク!!」
そんな口上と共に凪は魔法少女に変身し、彩芽は抱きつくのをやめて立ち上がる。
「・・それ毎回言ってるの」
「はい、私だけ何故か毎回言わされてますよ、なんか初期設定にしたとかクラフトさん言ってましたけど、その初期設定から全然変えてくれないんですよ、まあもう慣れましたけど」
「かわいそうな子」
「本当にあの猫は・・で、なんで変身させたんですか」
「ここには悪魔が居るからよ」
「え?あ、悪魔」
彩芽はそう言いながら施設の玄関ドアを開けて中に入り、凪は変身するために置いたお菓子を持って中に入る。
「待ってくださいあ、悪魔って何ですか」
「冗談を本気にしないで」
「冗談なんですか、彩芽さんが言うと冗談に聞こえませんよ」
「でも、まあ私からすれば悪魔かな」
そう言いながらある一室の前に止まると一呼吸挟んで覚悟を決めてからドアノブに触れドアを開けた瞬間。
「うりゃああああああ!!」
「ぐべっ」
5歳ほどの小さな女の子が勢いよく飛び出し、彩芽に突然するように抱きつき、クッション付きの床で頭から倒れ込む。
「あ、彩芽さん!!」
「わーいきたぞきたぞ」
「わーいわーい」
「まじょだまじょだ」
それに続くようにぞろぞろと子供達が続々と部屋から現れ倒れ込んだ彩芽の上に乗る。
「ぐっつ!!べ!!ら!!」
「大丈夫ですか」
どうもデュエプレのヒーローズセットを回したらシークレットが出まくり最終的に、ミラダンテ4枚ブラックアウト1枚vv8が2枚が集まりました、ライザー以外のシークレットが全部集まりました。
なんでダンテだけ4枚も来てるのでしょうか、そう言えばロージアもシークレット4枚来てたのでもしかすると私は光文明に好かれてるのかもしれません、我を崇めよ。
さて、今回からは彩芽さんの話になります、どこかの後書きで予告したように彩芽さんとクローシアの関係性が明らかになりますのでお楽しみください。