第176話 話し合い
~~~アント・ヘンリー特別会議室~~~
事件から1日が経過し、首謀者であるクリフォトが納得するような話し合いの場が設けられていた、ここにはヘンリーとムーン、彩芽と美穂そして鳥かごに封印されたクリフォトが集結していた。
全員昨日の事件での疲れが全く取れていない状況でヘンリーに至っては骨が何本か折れた状態だったが、手を挙げ状況をまとめる。
「つまり、ゴミをまき散らし私の偽物で町を破壊して、多数の怪我人を出した事件の首謀者がそこの鳥かごに居て和解をしたいと、で和解の条件は世界を埋め尽くすレベルのゴミのかたずけと、世界中に散らばった体の部位を探し出すこと、と」
【多少の妥協はしてやろう、だが条件は変えるつもりはない】
「・・・悪いけどこのまま封印し続けるって考えはないの・・・」
「それは無理ね、私よりも強くて大勢の魔術師がこいつを封印したけど、結局自力で封印を解除している」
「所で・・私達は初対面だよなミス彩芽、真琴くんから聞かされた話で非人道組織MSCの人間で魔術師なのは聞いたが、隣りのレデイは連続施設襲撃犯でいいんだな」
「間違いないわ、でもMSCは貴方と同じ国に認められた組織よ、それに美穂は・」
「今頃否定する気はありません、あれは私の意志でおこなった物です」
「君達を捕まえるべきなのかね、MSCが何をしているのか知らないが、研究所を調べれば確実に黒なのは分かっている、録音してる君の証言で組織を解体させるのがヒーローとしてすべきことかな」
「私はそこのシスターがスカルキングの妹だと知っているけど、何かある」
【ここは我の話し合いの場ではなかったのかな】
「・・・そうね今はこれの対処が先よ・・・」
「少なくとも君と和解できなければ、世界を滅ぼすと、言ったらあれだが我々は君との和解は望まない」
「なに?」
【面白いことを言う】
「一度君の次元を見たけど、到底片付けられる量じゃない、それに危険な魔物で溢れている、遠すぎて見えなかったが龍や50mの巨人とか居ただろ」
【貴様らの先祖は危険な魔物や罪人を我の次元に封印した、貴様が見たよりもずっと恐ろしい存在が溢れている】
「それに、君の体だが・・その一部をラスべニアとアメリカ合衆国が保管している、それを奪うとなれば戦争が起こるぞ、君には悪いがその提案にのれない」
「・・・私達の意見としては、お前を消滅させるか永久に封印する、この2つが良いところだと思っている・・・」
「悪いけどそれは無理よ」
「・・・なんで・・・」
「こいつは消滅できないし、しても記憶と能力を引き継いで転生する、それに私は不老でも不死でもない、封印は数年のうちに重ね掛けしないといけないから、私が死ねばこいつは5年以内に解放される」
「君の他に魔術師はいるだろう」
「居ないわ、居るにはいるけどスカルとマックスは封印するつもりはないし、クラフトは魔術の威力を下げることで複数の力を使うように進化した種族、クリフォトを永遠に封印できるほどの魔術は使えない」
「・・・なら、あまり言いずらいけど貴方の子供なら魔術を使えるんじゃないの・・・」
「組織(MSC)と同じ考えね、組織は私に30人の子供を出産させたけど、魔術を使える子供は2人だけ、だけどその子供は行方不明だし、遺伝子欠陥が片手でおさまらない程ある、だから無理よ」
「それに彩芽の子供が封印しても、こいつは永遠に生き続ける、そうなれば彩芽の子孫達は永遠に封印し続けることになる、少数の不幸で大多数が救えると考えるならいいかもだけど」
「なるほど、封印は無理か」
「・・・だけど今回暴れたのはあんたを取り込んだからよね、少なくともあんたが死ぬまではこいつは封印できと思うし、常日頃ヒーロの監視を付ければ問題ないんじゃないの・・・」
「それは私に子供を産むなって言ってる、子供ができればその子供に心臓が移る、その子供も監視するの、下手したら1000年後まで続けることになるけど、それまでヒーロは生きてる?」
【1つ言っておくが、心臓は血縁者が居ない状況で持ち主が死ねば、その時に生まれた新成人に引き継がれる、我はこの女乗り移った時にマークを付けた、心臓の居場所なら目をつぶっても分かる】
「・・・め、どこよ・・・」
「つまり条件を受け入れるしかないのか」
【そうだ】
「今の世代のことを考えるなら断っても問題ないが、未来のことを考えるなら受けるしかないのか」
「そうよ、ヒーロー代表として意見を聞きたい」
「・・・どうするお爺ちゃん・・・」
「少なくともゴミは魔力消失以前の歴史を紐解く貴重品だ、魔物も今は存在しない研究にはとてもいい存在だが・・如何せん量が・」
「・・・何年かかるか・・・」
【我としては片付けるなら何年かかってもいい】
「仕方ない時間も金もかかるが君の和解条件をのもう、ただゴミの処理施設に他の国との協力要請を考えなければならない、少なくとも私が死ぬぐらいに準備が完了すると思う」
【いいだろう時間がかかったとしても、成し遂げると言うのなら我は永遠に待とう】
どうも、ラングッチで負けまくり腹いせにクイックマッチに行ったらヒーラーで25キル5デス23サポを達成した作者です
インビジブルウーマンでワンヒーラで全員アタッカーなので回復するの馬鹿らしいと思いヒーラーで敵陣突っ込んだら25人殺してました、私はバーサーカーです止めてみろ。
さて長いクリフォト編が終わり正直に言って燃えた感じがします、ここが一旦の区切りと言いますがいわゆる山の頂上で後は降るだけなんですよね。
とは言え頂上を見るだけが登山かと言われればそう言うわけがなく、道中の景色を眺めるのも登山です…したことないけど。
なので次回からは下り坂ですが、下り坂でもいい景色は広がってますので見に来てください。