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第174話 何度でも仲直り

 ホワイトハウスで倒れ込みムーンを仕留めようとしたクリフォトだったが、真琴が電池切れの玩具のように倒れ込みしばらくもせずにクリフォトの黄金の鎧が消滅し、乗っ取った城戸美穂の体が露わになる。


「な、なに・・なんだ何が起きている」


「え?クリフォトが美穂さんに戻った」


「どうなっている、くっ!!」


 美穂の姿をしたクリフォトは彩芽に近づき彩芽の首を絞める。


「貴様!!何をした、どうなっている、何故我の心臓がどこにもない、確かにこの女に体を手にした、この女が我の心臓であるのは間違いない、なのに我の心臓は今どこにもない!!一体何をし・・」


 彩芽の首をしめ完全に息の目を止めようとしたクリフォトの前にリューズが現れ、クリフォトの腹を蹴り首から手を離させ、彩芽をお姫様抱っこで持ち上げ少し距離を離す。


〔すまない、少し遅れてしまった」


「だ、大丈夫よ坊や」


〔それなら良かった、しかし…これはどう言う状況だ」


「くっ、い、痛い骨すら折れていないのに、なぜここまで痛む、一体何をし・・」


 クリフォトは彩芽が描いた魔法陣を見てハッとした、その魔法陣には見覚えがあった、見覚えどころの話ではない、これはクリフォトが作ったのだから。


「て、転生術・・まさか」


 コツコツコツ と靴の音が響きクリフォトは後ろを向くとそこには倒れた真琴が普段とは違う目つきをしながら壁を足元に生成しながらホワイトハウスに向かってきた居たのだ。


 死にかけの年増が歩いてくることに別に驚くことはない、だがその年増の中にクリフォトの心臓があることにクリフォトは驚きを隠せないでいた。


「はかな…まさか」


「ほんとあんた馬鹿じゃないの、自分の体を他人に譲るなんて」


「転生術を使って我の中に存在していた美穂あのおんなと心臓を引き剥がし、真琴の体に転生させたと言うのか、そんな馬鹿な真似を・・1つの体に2つの魂があることすら危険だと言うのに、一般人のカスに我の心臓を埋め込んだと言うのか」


〔な、なんて危険なことを下手をすれば死ぬぞ」


「貴方も同じことしてるのに気づいているかしら」


「ほんと馬鹿よね真琴って、私なんかの為に「なんかじゃない友達だから」そうね、友達ね」


 真琴の体を操りながら美穂はゆっくりと近づく。


「ずっと自分の人生は呪われていると思ってた、自然現象みたいなどうしようもないものが私を不幸にしていると、けど・・お前だったのね」


「黙れ、ただの心臓の分際で感情があるように振舞うんじゃない」


「ただの魂が私の人生に口出ししないでよ」


 美穂はホワイトハウスに足を踏み入れ、地面に倒れ込むクリフォトと睨み合う。


「自分の体から好き放題できないけど、取り敢えず・・」


 美穂はクリフォトの背後にまわるとクリフォトの腋下に両腕を通し、首の後ろで両手を握り逃げ場のないガッチリとした羽交い締めを決める。


「お、おい貴様!!何をする気d」


「知ってる?プロセスには受け身がとれない投げ技は禁止されてるって」


「な、なぜいきなりプロレスをうぉ!!」


 羽交い締めした状態で体を持ち上げ、その状態でブリッジするように勢いよく、そして思いっ切りクリフォトの後頭部を地面に叩きつける。


 バゴン!!


「う”!!」


「にしし」


 今までの怒りを全てこめたドラゴン・スープレックスにクリフォトはたまらず白目をむき気絶しそうになる。


「あ・・・く・そ・・この我が」


「言っとくけどこの程度で私の怒りがおさまると思わないで」


〔クリフォトに匹敵する途轍もない怒りだ」


「み、美穂やるなら程々に・・ね、一応貴方の体だし」


「大丈夫ですか」


 穂乃花に肩を貸してもらいながら凪と穂乃花はホワイトハウスにたどり着き、戦いは終わったと判断したリューズが融合を解除し、太一とグラウストの体に戻る。


〔つかれたよ〕


「おつかれグラウスト」


「・・え!? あの聖騎士って太一なの!」


「穂乃花さん気づいてなかったの」


「ま、だだ、我はまだ負けて・・・ない」


「その姿で何ができるのか教えてくれかしら、貴方はもう負けたのよ」


 彩芽がそう言いながら手に魔法陣を浮かべると、その手を握りしめクリフォトを殴る。


「ぐっ!!」


 すると美穂の体からクリフォトの魂のようなものが現れ、クラフトはその魂を魔道具の鳥かごの中に封じ込める。


[大人しくしたまえ]


【我はまだ】


「はいはい、後で聞くから、ねえ美穂少し痛いけど我慢して」


「痛みなんて今さらよ」


 彩芽がゆっくりと近づき、美穂は瞼を閉じ覚悟を決める。


 彩芽はかがんで美穂の頬に触れ、額を合わせると真琴の体から美穂の魂がはじき出され、倒れる元の体に入り立ち上がり、美穂が抜けた真琴の体はゆっくりと瞼を開ける。


「近い」


「ごめんなさい、でもクリフォトみたいに殴るよりはいいでしょ」


 そう言うとゆっくりと立ち上がると美穂と一緒に鳥かごに封印されたクリフォトの前に立つ。


「さてどうしてくれようか」


「人の彼ぴを殺して、私の心を歪めた恨みどうしてくれようか」


【面白い冗談だ、確かに貴様の恋人を殺した、だがその後の生き方を選んだのは貴様だ、施設を襲撃し友達(笑)を殺しかけたのも、全ては貴様の選んだ道だ】


「全部仕組んでおいてよく・」


 真琴が立ち上がり意義を唱えようとしたが美穂はその真琴の肩を掴んで首を振る。


「いいよ、事実だから」


「で、でも」


「こいつが私の姿であんたに言ったこと全て本心だし、彩芽を殺そうとしたことも施設を破壊したことも全て私の意志」


「でも美穂さんはクリフォトがいなければそんなことはしなかった」


「でしょうね、でも自分の意志なのは違いない、それを否定したら私そのものを否定することになる、精神病と判断された時も恋人が死んだときも、友達だと思ってたやつが裏切っても、それを殺しかけたのも全て私の意志よ」


「ごめん美穂私は」


 美穂は謝ろうとした彩芽をそっと抱きしめる。


「謝るのは私じゃないの、貴方を殺しかけた、確かに葬式まで来ておいて黙ってたのは殺したいほどイラついたけど…逃げようとした貴方に銃弾撃ち込んだ私よりはましよ」


 怒られると思っていた、怒られるならまだましで馬乗りになって殴られる、それ以上のことをされても文句はないし受け止めるつもりだった、だけどこの行動は想定外だった。


 想定外の行動に対する驚きと昔よく見せてくれた美穂の温かさに自然と涙がこぼれだす、それをこらえようとするたびに涙があふれて止まらない。


「・・ご、ごめんなさい、本当にごめんなさい」


「いいから別に気にしてない、私が言えた話じゃないけど友達に戻らない私達」


「う、うん・・・」

どうも、お店でキャプテンカーターの盾が3万で売ってて欲しいけど流石に高いなと思いつつ1週間後に誕生日だし買うかと思いネットを調べたら8000円で誕生日云々関係なく普通に買った作者です。


一瞬詐欺かと思いましたが普通に本物でしたね凄い大きく、思わず投げてしまいたくなるほど大きいです。


さて、今回は没にした裏設定を書いて終わります、この世界は一度滅んでいて7大魔王によって滅んだ世界に似た世界が作られたと言う設定があります。


なので主人公達がいる世界には今登場しているクリフォトとは別のクリフォトが居るんですよ、少しわかりづらくなったので詳しく話すと


クリフォトは滅んだ世界から生き延びてる存在で、そのクリフォトが滅んだ世界とそっくりな世界を作ったわけです、そのためそっくりな世界にもクリフォトがいると言う設定があります。


※クリフォトは本名ではなくコードネームです


この世界のクリフォトが誰なのかと言うのは初期では城戸美穂さんでした、その頃は美穂さんがクリフォトの心臓と言う設定がなく、なぜ美穂を狙うのかと言う疑問を解消するのにピッタリだと思い初期はクリフォト=美穂と言う設定がありました。


ただ、崩壊世界の美穂さんを他の作品で出したいと言う気持ちもあるし、同一人物同士で融合という少しややこしい話になるし、そもそも美穂さんの能力とクリフォトの能力が全く似てないと言う様々な理由があり現在ではクリフォト=美穂さんと言う設定はなくなっています。


ただこの世界のクリフォトが存在していると言う設定はあり、この作品でも既に登場していますが…この設定はこの作品ではいかされることはないのであまり気にしなくてもいいかもしれません。


気になる方は作品を読み直すと分かるかもしれません、もう1人のクリフォトに関する伏線は所々に撒いてますので設定集とかも見るとわかるかもしれません。

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