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第171話 壊れたブレーキ

【なんだ・・あれは】


 太陽のような2つの光がゴミだらけの次元を照らす、クリフォトがあの光は何だと目線をずらしたその瞬間。


【………なに…】


 銀色に髪をなびかせる凪がクリフォトの前に現れ剣を振るう、一瞬のことだったがクリフォトは瞬間移動で凪の背後を取り、足を上げて凪の頭を蹴り飛ばそうとする。


 そうしようとしたクリフォトの体をグランリューズが槍を突き刺し、真琴の首から手を離させる。


【ぐっ】


「真琴さん」


 凪は振り返って落ちてくる真琴をお姫様抱っこで持ち上げ、すぐさま距離を離すがクリフォトがそれを許さずエネルギー弾を放とうとした、しかしリューズが槍を抜いて左手の盾でそれを防ぐ。


〔もうよすんだ、ここで止まれクリフォト」


【この恨みはらさでおくべきか、貴様ら人類が我のブレーキを外したのだ、もう我は止まらんぞ】



「大丈夫ですか真琴さん」


「う、うん大丈夫」


「すみませんがここに居ててください」


 凪はそう言い2つのゴッドウォーズを握りしめ投げつける。


 凪の手から離れた地面をえぐり取りながら突き進み、リューズを避けてクリフォトに突き刺さり青い稲妻を放ちクリフォトを攻める。


【このてい…ど!!】


 リューズはクリフォトの腹を蹴って5mほど吹き飛ばすと盾で身を隠す、すると盾に魔法陣が浮かび緑色の光を放つ。


〔チェックメイト・リーチ」


 この声と共に盾から緑の光線が放たれたる。


【ミスティ!!】


 何か底知れない力を感じたクリフォトはミスティに壁を生成させて防ごうとしたがビームは壁を貫通させクリフォトに命中する。


 苦痛を感じると言うよりも体から力が抜けていく感覚を感じ、クリフォトは膝をつくが周囲の空間を吸収して失った体力を取り戻し、何もない空間に向かって手刀を繰り出すと三日月型の斬撃が放たれる。


 リューズはその斬撃をはじき返し、はじかれた斬撃は猛スピードで姫野図書館に激突し真っ二つに切断する。


「・・・くっ、なんて威力・・・」


「ここはもう駄目ね」


「・・・移動するしかないわね・・・」


 大きな揺れを起こしながら崩壊し始める図書館でムーンは魔術を唱えている彩芽を持ち上げるとそのまま移動する、その姿がクリフォトの目に入り手のひらに力をためる。


【あの女…これ以上好きにはさせんぞ】


「それはこっちのセリフだ!!」


 空飛ぶムーンを撃ち落そうと攻撃を放つクリフォトを球体のエネルギーフィールドの内部に閉じ込め、クリフォトの攻撃を無効化する。


【・きさ・・】


 言葉の最後を聞くまでもなく凪クリフォトに接近し顔面を思いっきり殴る。


【その程度か】


 しかし蚊がぶつかった様な軽い攻撃でクリフォトは内心笑いながらすぐさま反撃しよう足を上げた、しかし凪とクリフォトの間に剣が現れ攻撃を防ぎ、変な態勢になったクリフォトの顔面に全力のアッパーカットが炸裂する。


「おりゃ!!!」


【くそ、囮か】


 最初の一撃は油断させるための囮で本当の狙いはこのアッパーカットにあった、そのことに今頃気づいても意味がない。


 凪はクリフォトに向かって手を振り下ろし、それと同時に二本の剣が放たれる。


【この程度どうってことないわ】


 瞬間移動で攻撃を回避し凪の背後に回り込んだが、それを予知していたリューズが回し蹴りを頭にくらわせ、壁に激突しめり込む。


 その隙に槍に魔法陣を浮かび上がらせ、槍を何もない空間に突き刺すと同時に青と白の光線が放たれる。


〔グラムセイバー!!」


 光線は一直線にクリフォトに命中し、壁を突き破り爆走する電車に激突し空中で停止する。


 さらに追撃と言わんばかりに凪が念力で電車を操り、クリフォトを押しつぶしそのままゴミだらけの地面に叩きつけようとする。


 しかしクリフォトは体中に小さな穴を開けるとその穴からレーザービームを放ち電車をバラバラに破壊し、そのレーザを一点に集約させる。


「何それ」


【止まらんぞこの我は!!】


 集約される紫色の輝きを放つ高威力の光線を放ち、議事堂を軽々と破壊しながら突き進む。


〔とてつもない威力だ」


「まずい」


 凪は同じ議事堂に居る真琴にエネルギーフィールドで囲み、念力でそのフィールドごと持ち上げ穂乃花のいるビルに投げつけ避難させる。


「ちょとまあああああああああ!!」


「ごめんファンさんお願い」


「ま 待って こっちに急に投げつけんな!!」

 

 ドカーンとビルが半壊する勢いで激突し、その勢いでフィールドが消え勢いよくなげだされた真琴を穂乃花は体を伸ばしてキャッチする。


「あ あぶな なんちゅう威力で投げとんねん」


「し、死ぬかと思った」


 穂乃花に無事キャッチされた真琴だが凪達に向かってくるレーザーは止まらない。


 距離がかなり離れているが、真琴はまだ生きている偽物の盾を操作しレーザーを受け止めようとしたが間に合わない。


〔仕方ない」


「何する気…え、えーっと太一くん?太一くんでいいんだよね」


 その問いに答えることはなくリューズは盾を構え受け止める態勢に入る。


〔シニスター・イージス」


 盾に魔法陣が浮かびあがり、飛んでくるレーザーを防ぐ。


〔ぐっ・・これは」


 しかしその威力にリューズの体が持ち上がり上空に押され始め、空にある墓場に激突しそうになる。


〔ぐぅううううう!!」


「太一くん!!」


【ハハハ!!このまま…ハッ】


 緑のマントが墓に触れもう少しすれば墓に激突するのは目に見えていた、そのことに気づいたクリフォトは冷静になってレーザーを解除し、凪の目の前に現れる。


「解除した、もしかして、墓が壊されるのを防いだの」


【ゴミに触れぬようにと貴重なものは宙に浮かせた、空に墓があるのは貴重で大切な物だからだ、わかるかこの次元の空を埋め尽くす程の死が貴様らによってもたらされた、この怒りがおさまるわけがない】


「なら全力で行きます」

どうも頭が痛い作者です、毎回後書きでどこかが痛いと言ってる気がしますが、言うてそんなに痛くないので気にしないでください…まあ痛い時は痛いんですけどね。


さて、さて…戦闘シーンで特に書くことがないんですよね、困りましたね頭が痛いせいなのか何も思いつかない、なので今回の後書きはなしです。

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