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第169話 必死な誤魔化し

「・・・危ない後ろ!!・・・」


 真琴はその声と背後から感じる殺意や殺気を感じ取り、条件反射的に体を動かし攻撃を回避する。


 振り返りながら真琴は攻撃してきた存在を目視する、それは白とブラウンの可愛らしい服に赤い度がないない少し大きい伊達メガネをつける、自分と瓜二つの姿をした魔法少女 ミスティワイトだった。


「・・な、なるほどこれが自分自身の前にいる感覚か、少しむず痒いな」


「・・・・・・」


「なんか、むず痒いな私ってそんな顔か、もうちょっとダンディな…って!!」


 ミスティは剣先が鎖になる定めの鎖を作り出すと剣先を鎖に変えて振るう、真琴は壁を生成して防ごうと考えたが、その壁でクリフォトを押さえ込んでいるため、そうしたくてもできなかった。


「もう!!なんで2枚だけなの」


 真琴は鎖をかわそうと体を動かす、鞭のように振るわれた鎖は音速を超え、そんなスピードをかわさるわけもなく、鋭い痛みと出血を伴うと同時に鎖が腹に巻き付く。


「ウグッ!!」


 普段真琴は鎖を使うとき手加減をしていたが、このミスティに手加減なんて言葉はなく鎖が音速を超える速度で振るう。


 その激痛を必死にこらえている暇もなく、ミスティは剣をブンブン振るい、まるでジェットコースターのような速度で真琴を振り回す。


「うわァァァァァ!!ウッ!!はきそう」


「真琴!!」


「・・・だめよ、今助けるよりも魔術の準備をしたほうがいい・・・」


「わ、わかってる、わかってるけど…」


 速度が出てきたところで鎖から真琴を解放し、真琴は隕石のように国会議事堂に激突する。


「あ、が・・」


 頭から血を流し意識を失いそうになったが、飛んでくる鎖の先端を目にして急いで起き上がり攻撃をよける。


「はあ、はあ・・もう血だらけ、マジカルが羨ましい思えてくるな」


 そんな弱音を漏らしながら走って移動しようとした真琴だが見えない壁に激突し、鼻から血を流す。


「グベぇ!!な、なんだこれ」


 その見えな壁は普段から真琴が使っている金色の壁に色を変え、ミスティは背後にもう一枚同じ壁が出現するとその壁を操り真琴をサンドイッチの用に押し潰す。


「ぐぐぐぐぐ」


「真琴の能力を使ってる」


「・・・まずい・・・」



【この程度で我を止めれるものか!!】


 クリフォトがそう叫びながら真琴の壁を破壊して真琴の目の前に瞬間移動で現れる。


「くっ・」


【友達が心配してるぞ】


「こん・・なもの」


【藻掻いても無駄だ、分かっているだろ叔母さん、その壁は我以外に破壊は不可能、貴様にどうすることもできんのだ!!】


 クリフォトはどす黒い漆黒の剣を作り出すと、サンドイッチみたいに挟まれいる真琴を切断しようとした。


「かかった」


 ニヤリと真琴が笑うと自身を挟んでいた壁を能力で操り、カードサイズに縮小させるとクリフォトの手にめがけて投げつける。


【なに】


 真琴の投擲にくわえて能力で高速回転している壁はクリフォトの指を切断しながら手に命中し、クリフォトは剣を手から離す。


【ばかなどういう・・】


「破壊は無理だ、だがこの壁を操れるのは私だけだ例え偽物だとしても私はこれを操れる」


 クリフォトは想定外の攻撃に驚いている隙に手のひらに壁を作り出すと、クリフォトの上下背後を壁で囲み逃げ道を完全に塞ぐ。


「これはやりたくなかったけど、もう治った手を見る限り、やってもいいよね」


 そう言いながら手のひらの壁を電動工具のサンダーのように高速回転させる。


【……な、なんだそれは】


「なにって…破壊不可能の壁を高速で回転させてるだけよ」


 ギュイーン!!とドリルのような耳障りな音が鳴り響き、高速回転中の壁を中心に風が吹荒れ明らかに当たったら一溜まりもないのは目に見えていた。


 真琴はそんな高速回転する壁を逃げ場を失ったクリフォトに容赦なく突きつける。


【ぐおおおおおおおお!!くっこの・・】


 激しい火花が舞い散り、クリフォトは耐えきれずにすぐさま瞬間移動したが、真琴はマジカルリングの力で移動先を見つけ出し、そこにスペルコード投げつける。


【こんなもの】


 飛んでくるスペルコードを破壊し、真琴に反撃しようとしたが真琴は既にクリフォトの懐に入り込んでいた。


【このっ】


 高速で回転する壁を持つ真琴から距離を離したが真琴はその壁を投げつける。


 クリフォトは間一髪の所で回避した所で、すかさず2枚目を投げつけ2枚目は再生した指を切断する。


【この程度】


 飛んでくる3枚目を弾こうと手を振るがその手を切断し、防げない事を理解した4枚目は体を変形させて回避した。


【想像以上だ、貴様がここまでやれるとはな】


「ならこれはそれを超えたな」


 そう言った瞬間後ろに飛んで行った壁が猛スピードで真琴の元に戻ってくる。


 壁は高速で回転しながら背後からクリフォトの体を貫いて真琴の四方を囲む。


【ぐおおおおお!!っこの!!】


 スカルとムーンにしたように国会議事堂の真下にある瓦礫などを持ち上げて攻撃しようとしたが真琴は2人とは違い真下にも自分を守る壁を展開している。


 そんな真琴には攻撃は当たらなかった。


【くそ】


 クリフォトですら破壊するのに時間がかかる鉄壁の壁に囲まれた真琴は


「もういいだろ、美穂を解放しろ」


【面白いことを言う、そもそもこれは我の物だ我の心臓だぞ】


「もう美穂はお前の心臓なんかじゃい、美穂には美穂の人生がある」


【ないな、心臓如きに人生だと笑わせる、貴様の傲慢な我儘など聞くに堪えない】


「そんなに我儘か、友達を助けたいなんて思う気持ちが」


【友達だと笑わせる、この女はそんなこと思ってもいないぞ】


「黙れ、貴方は私を倒せない、偽物よりも私の方が壁を操作する力は強い」


【話を逸らしたな、さっきの言葉が我の思い込みだと思うか、この女は我の中に居る、この女の本心も記憶も我の中にある、言ってやろうか】


「貴方は負けよ、彩芽に向かおうとした瞬間、さっきと同じことをする」


【必死に逸らすな、そんなに聞くのが嫌か友達の本音を】


 クリフォトは頭の鎧を解除して美穂の顔を露わにしながら、美穂の顔で美穂の口を動かし真琴に告げる。


「友達だと思っていた、けどずっと騙されてた家族が死んでもなお黙っていた」


「やめろ」


「なにを?自分はずっと黙ってたからって人にも黙ることを強要するの、酷い女」


「…や、やめて」


「葬式に来た時どんな顔してたの、どんな気持ちで涙を流したの、両方とも死因は彩芽の組織だって知ってたよね」


「ち、違うの・・それは」


「言う機会は何度もあったのに、私が行動に移しても話さなかった」


「違うのだから・・それは」


「何が違うの癌で死にかけても話さなかった癖に・・墓場まで持っていこうとしたじゃない、私は友達だと思ってたそれなのに2人して黙って隠してた」


 クリフォトが同じようなことを数10分前に同じ事を言っていたが真琴には刺さらなかった。


 だが今回は美穂の顔で美穂の声で告げてくる、声のトーンも癖も全く同じ、クリフォトが喋っているのは理解している、それでも真琴の心は揺れ動く。


「友達のふりして陰では馬鹿にして見下してたんでしょ、私のことなんてここのゴミ捨て場と同じ、被害者は永遠に被害者でいてくれ、地獄から這い上がるな永遠に地獄に居て笑いものでいてくれ」


「違う、やめろクリフォト」


「何が違うの、これはクリフォトの言葉じゃない私の言葉だよ、私の本心貴方なんて友達じゃない】


「・やめて・・・」


 美穂がそう思っているのは薄々分かっていた、分かっていた事だがこうして面と向かって言われると心に突き刺さり、自然と涙が流れ頬をつたって地面に落ち、無意識に能力を弱めた。


 その隙を見逃すことはなくミスティが壁を全て削除して守るものがなくなった瞬間に装甲を戻して接近し真琴の首を掴む。


「しま…」


【たな、油断したな、貴様が偽物の壁も操れるなら偽物も操れると思ったよ、油断して力を弱めるこの瞬間を待っていた】


「離し・て・・」


【貴様の罪は重たいな真琴、その罪を償わせてやろう】

どうも寒すぎて冬眠しそうな作者です、寒いと言うより風が強かった印象が強いです、最近は雨ばかりでようやく晴れになったと思ったら強風ですからね、休日は暑かったのに数日でここまで変わるか。


 さて、今回は真琴さんの壁に関してです、正確にはエネルギーシールドなんですが壁の方がわかりやすいので壁と呼んでいます、真琴さんはその壁を2枚作り出す能力でその壁を自在に操作したり大きさを変更したりできます。


 今回で明らかになったように壁を変形させて槍にしたり、高速で回転させることもできますが基本的な使い方は壁として使用しますが壁は破壊不可能になっています。


 銀河爆発にも耐えるほどで破壊は無理です、あれ3回ぐらい破壊されてなかったけ?と思われるかもしれませんが特定の人間には破壊可能で破壊した人には共通点があります。


 1人目は今回のクリフォトと2人目は美穂さんです、美穂さんはクリフォトが力を与えられておりそれによって破壊が可能になっています、美穂さんに破壊はできずクリフォトの力があってようやく破壊可能です。


 あれ、3人目はと思うかと思いますが、初期の方で破壊した子が唯一居ます、その人物は一見クリフォトと無関係に見えますが物凄く関係しています。


 まあ裏設定で明らかにしない方が面白いと思ってますので正解は出しませんし、そんなにガチで考察するほど人は見に来てないのでこの謎の正解は私だけが知ってる事になりそうですね。

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