第167話 真実
スカルが開けた峡谷のような巨大な穴は2人の戦いでさらに深くなり、2人は光すら届かない深淵へとたどり着いていた、しかしそんな些細な事は2人には関係なく、死神ですら恐れるような殺気を放ちながら2人は睨み合う。
【そこまで邪魔をするか、この我に勝てると本気で思い違いをしているのか】
クリフォトはそう叫びながら深淵から大量の銃火器を作成し、それらを一気に放出する。
光すら飲み込む深淵に銃火器の火花が巻き上がり、無数の弾丸がスカルに向かって来るがスカルは自身を守る球体のシールドをはってその攻撃を防ぐ。
【貴様は世界の半分を支配し誰もを屈服させたお父上様とは違う、世界のどこも支配せず、部下すら屈服できない半端者、スカルと言う座に甘えた名ばかりプリンセス】
【・・・・】
誰もが見て取れる安い挑発、そんなものに乗るほど安い存在ではない、そう言いたいようにスカルは無言を貫きシールドを解除しない。
【つまらん、お父上様だったら楽しめたというのに】
そう言いながら銃火器をしますクリフォトに何かを感じ取ったスカルは身を構えたが真下からの攻撃は予期していなかった、シールドは自身の周囲に形成されているが自身の足元には形成されていなかった。
もしこれがスカルの父親なら足元にも生成しているだろう、だが所詮は実力を持たない2世の王、その経験のなさから来る隙をクリフォトは見逃さない。
クリフォトは右足を地面に食い込ませそのまま足を文字通り伸ばし、足は地面の中を突き進みスカルの足元に到達すると思いっ切り地面から飛び出しスカルの顔を蹴り上げ、そのままシールドを破壊した。
【やはりこの程度か】
右手に漆黒の炎を纏わせるとスカルに向かってその炎を放ちスカルを焼き尽くそうとしたがスカルは車すら簡単に吹き飛ばすほどの息を吹きかけ炎をかき消し、スカルは反撃に黒い稲妻を放つ。
【無駄だ】
そう言いながら自身の目の前とスカルの背後に鏡を作り出すと、その2つを接続し鏡をポータルに変えると黒い稲妻は鏡に吸い込まれ、背後から出てきてスカルを貫く。
【グっ!!】
その激痛に思わず口から衝撃波を放つがクリフォトはその衝撃的を軽くはじき、鏡からスカルとムーンの偽物を作り出し口を開いて攻撃を繰り出そうとする。
しかしスカルは一瞬で偽物に接近するとその顔を掴み地面に叩きつけ、手から出る黒い稲妻で偽物を跡形もなく消し炭に変える。
【驚いたなほぼスペックが変わらない偽物を一撃で葬るとは】
【黙れ】
クリフォトの方を向いて放たれた衝撃波は周囲50mの物質を消滅させ、衝撃で地震を引き起こし2人のいる深淵を土が埋め尽くす。
【この小娘よやってくれたな】
スカルはすぐさまテレポートではるか上空に逃走し、クリフォトは抵抗もできずに隙間1つなく土に埋め尽くされる。
【・・・・】
はるか上空でスカルはその様子を眺めていると自身の背後に鏡が現れ気づく間もなく鏡の先に広がっていた天の川銀河すら超えた遥か宇宙に引きずり込まれる。
【その程度で一歩先に行ったつもりか】
クリフォトはスカルを掴むとそのまま近くの小惑星に叩きつけ、反撃されるより前に鏡をくぐり地球に戻り通って来た鏡を破壊しスカルを地球から追放した。
【戻ってこれても1週間後だな】
邪魔者が消えたクリフォトは上空から墜落するように落下し凪達の目の前に現れる。
「なっ!!」
【終わりだ】
そう言いながら自身を封印しようと魔法陣を描いている彩芽を狙い漆黒の炎を放つがムーンが彩芽の周囲に音のシールドを貼り攻撃を防ぐ、しかし同じ血を持つ姉妹だからか姉のように真下にシールドを貼っていなかった。
真下のゴミに埋もれた鏡を操作し、それをゴミの中から勢いよく飛び出させ魔法陣を破壊しそのままシールド突き破る。
「・・・キャア!!・・・」
【愚かな血だな】
彩芽にとどめを刺そうと急接近するが凪に止められる。
「させません」
【邪魔をするな愚か者】
「確かに愚か者です、私達のご先祖様は役目を全うする貴方を貶めた、だけどご先祖様も仕方なかったと・・」
【理解したつもりで物を語るな、貴様らの罪は全ての死により償われる】
「ああもううるさい 罪罪罪罪ってそれって私達じゃなくて ほぼ無関係の遥か昔のでしょ」
【そうだなざっと700年前か】
「なんでそんな人の罪どうこうでこんな事をされないといけないの」
「やってることは正当な怒りなんかじゃない、ほぼ八つ当たりだ」
〔そうだそうだ〕
【これが正当な怒りではないと、貴様らの先祖に何の罪もなくこれは八つ当たりだと言うのか】
「少なくとも私はこれが正当な復讐には思えません」
【なら見せてやろう、貴様らの罪を】
そう言うとその場にいる全員の前に鏡を作り出し、鏡から無数の手が体を掴み鏡に引きずり込む。
「うわぁ!!」
「なになになになに!!」
眩い光に瞼を塞ぐか、この世のものとは思えないシュールストレミングやドリアンすら軽く超えるほどの激臭が鼻を突き刺し、思わず瞼を開けるとそこには目を疑う光景が広がっていた。
「なにこれ、こんな・・・」
そこは地平線のかなたまでゴミが広がり、遠くには富士山のように積み重なったゴミ山や東京タワーに酷似した塔や半壊した国会議事堂が宙に浮き、凪はテレビ塔の屋上に着地して周囲を見渡す。
世界中の有名な建築物などが宙に浮き、人間サイズの昆虫や滅んだはずの魔物がゴミだらけの地面を歩き、空には雲も太陽もなくひたすら大量の墓が並んでいた。
そんな異質な世界に放り込まれた太一は宙を走る列車に激突し列車に入りグラウストとその列車の屋根にしがみつく、穂乃花は腕を伸ばしてタワーにしがみつき、真琴は自身の足元に壁生成して足場を作り、ムーンと彩芽は姫野大図書館と看板がある図書館の屋根に激突する。
連れてこられた全員が目を見開き自身の目を疑った。
「どうなって」
【見たかこれが貴様らの罪だ】
どうも4日ぶりにライバルズをやった作者です、シングを使いこなそうと思って色々やってたんですが、勝てずにロキに変えたら勝てるようになりました、いつかはシングを使えるようになりたいですねスキン買ったし。
さて、今回は物凄く眠いのと特に書くことがないので今回はここまで、次回ではクリフォトがどうしてこんなことをしたのかなどが明らかになりますので観に来てください。




