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第166話 ミドル・ムーン・シスター

「・・・ごめん、お姉さま、私・・・」


 ボロボロで風が吹くような小さな声でムーンは呟く、その発言に汚いクリフォトの部下たちと戦っている凪と穂乃花も手を止めざるおえなかった。


 ヒーローで明らかに人間の姿をしているシスター・ムーンが全身が骨で魔物の始祖と呼ばれるスカルキングを、”キング”の事をお姉さまと呼んだのだ、こんなものツッコミどころしかない。


「「・・・え!?お姉さま!!」」


「え・・姉妹しまいなの」


「いやいや どこが!!骨格どころか種族すら違うじゃん」


「そもそも女性なの、キングなのに!!」


【・・・】


 その問いにスカルは無言の殺意を放ちながら、黒い稲妻を指から放ちクリフォトの部下を一掃すると黙っていろと言わんばかりに人差し指を立てて口元に近づける。


「あ、すみません」


【面白い冗談だ、出来損ないの模造品のために我に歯向かうとな】


【・・・・】


【我に勝つ気でいるのか、貴様の父を作ったのわ我々だぞ、模造品など捨て今すぐされ】







【・・撤回せよ】





 


 その言葉は途轍もない衝撃波を作り出し、スカルの真正面に存在している全ての物を消し飛ばした、目の前に存在していたゴミも鏡も建物も高速道路も噴水も全てを消し飛ばし50m程の渓谷のような穴を作り出した。


 想像を絶するその威力はある程度の避難を完了させたイベント会場まで届き。最後列の3歩手前までの空間が消し飛んでいた。


 何もかもが崩壊し存在すら一瞬にして抹消された、目の前に佇むクリフォト以外は


「・・・な なんて威力だよ 馬鹿じゃねぇのこれ」


「でも前回と違う、もしかして威力を抑えた」


「威力抑えてこれかよ」


「でも・・クリフォトは・・」


【・・・・】


 スカルはゆっくりと抱きかかえたムーンを凪の前に置くとクリフォトに目を向ける。


 凪は色々理解が追いつかず混乱していたが急いでムーンの傷を回復させる。


「だ、大丈夫ですか、え、えーっとシスタースカル」


「・・・ムーンよ、茶化さないでちょうだい・・・」


「いや 茶化すでしょ あれがお姉さん あの骨が」


「どういうことですか、何でスカルをお姉さまって」


 ムーンに対しての追及が止まらない2人の元に彩芽と様々な魔道具を持って来た真琴が現れた。


叔母おばさん!!」


「遅れ・・って、何だこの状況、なんでスカルが居る」


「よ、よくわからないんですけど、ムーンさんのお姉さんがスカルみたいなんです」


「は!?何を言って・」


【あの女にあの道具は・・我を封印する気か?そうわさせん】


 彩芽を見つけたクリフォトは武器を作り出し彩芽に向かって突撃しようとしたがスカルがクリフォトの顔面を殴りそれを阻止するとクリフォトの胸ぐらをつかみ渓谷の底に向かって思いっ切り叩きつける。


「・・・お、お姉様・・・」


【・・・・】


 止めようとしたムーンに頷きだけを残すと自身も渓谷に向かい、叩きつけられ立ち上がったばかりのクリフォトをぶん殴りさらに奥に埋める。


〔もうへとへとだよ〕


「ありがとうグラウスト、本当ほんとうあぶないところだった」


「よく頑張った」


 真琴はそう言いながら太一とグラウストの頭を撫で、穂乃花は初めて見る彩芽のグラマナスでアダルトな姿に目を奪われ一部部の巨大な胸をずっと見つめ、隣にいた凪が頭を叩いて正気に戻す。


「ダメだよ、そんな目で見たら」


「いやいや 見てない見てない エロ同人かよとか全然思ってないから」


[絶対思ってただろ]


「あ クラフトてめぇこの野郎どこ行ってた!! 私のクラウンどこか行ったんだけど!!」


[僕が死んだら皆の変身が解かれるから死なないように隠れてたんだよ、クラウンは知らない]


「このおおお クラウンが途中で消えたせいで死ぬところだったんだぞ!!」


[わああああ、尻尾を掴んで振り回すなああ]


「落ち着いてファンさん」



「・・・で封印が何とかって聞いたけど、それする意味ある、もうお姉様来たし・・・」


「いや無理ね、彼の・・」


「あの彩芽さんアレ彼女らしいです」


「・・・彼女の父親に当たるスカルキングを作り出したのは奴よ、それの子供でまだ幼いからキングJRが倒せる相手じゃない」


「お 幼いのあれで」


「街1つ消し飛ばすのに」


「人間換算でいけばまだ10歳よ、父親は惑星すら滅ばせる」


「・・・お姉様が負けると・・・」


「彼女あなたと違って実践の経験がないでしょ、生まれてからずっとマックスが作り出した空間に閉じこもってる、戦うのも今回が初めてなんじゃないかしら、負けることは無くても勝つことは無理ね」


「けど時間稼ぎはできるだろう、彩芽」


「ええ」


 彩芽はバッグの中に入っていたA3用紙10個分の大きさを持つ方眼紙を広げ、その他の魔道具を定位置に置き方眼紙に魔法陣を描き始める。


[模写の魔法陣で封印する気か、低級悪魔ならいざ知らず相手は7大魔王だぞ、かなり無茶だ]


「ラスべニア大使館にある物を盗む方がよっぽど無茶よ、それに完璧な物はないどこか破れてたりかけてたりしてる、だから模写で見つかってる部分をくっつけて作るしかない」


「完成するまで私達は休憩か もう本当に疲れた」


「きゅ、休憩って…スカルが負けたら戦わないといけないんだよね」


「けどけどさ 少しだけでも休憩しないと戦えないって」


「それも…そうかも?それより、どういうことですかムーンさん、スカルがお姉様って」


「・・・掘り返すの・・・」


「当然です、正義のヒーローですよねそれなのに魔王の妹さんなんて」


「・・・言わないとだめ・・・」


「そこまで言われると」


「いやそこで引くなよ、君達に血縁関係があるようには思えないし、やくざ的な盃をかわした関係だったりするのか」


「あれだ 仁義切らせて頂きますってやつだ」


〔じんぎ?〕


「・・・違うから、そういう兄弟の盃でもないから・・・」


「じゃあ何ですか」


「・・・だから、話さないって・・・」


 頑なに話そうとしないムーンに凪は薄々気づいていたが言わないようにしていた禁句を脅すように呟く。


「昨日のあれムーンさんですよね」


「・・・はい?・・・」


「昨日の楓さんとビームを逃がしたのムーンさんですよね、2人ともスカルの部下でそのスカルの妹がムーンさんならそう言う・」


「・・・分かった、わかったから、話すわよ・・誰にも言わないでちょうだいよ・・・」


 絶対に言いたくないと思ってそうなのが見え見えの表情を浮かべながら口を開く。

どうも旅行終わりで疲れた作者です、なんか耳が痛いのは何故ですかね、まあ流石に旅行帰りは休ませて欲しいと言う事で後書きはここまでです。

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