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第165話 漆黒の稲妻

「・・・おおおおおおおおお・・・」


 全ての事件の首謀者であるクリフォトはムーンの口から放たれる衝撃によって拘束されたいた。


 ムーンは来るなら早く来てと思いながらも、どこか上手くいきすぎているとどこかで感じていた、ほぼ直感に近いがクリフォトは何かを隠している、何か決定的な何かを


 自分の偽物?それともヘンリーや魔法少女の偽物、どんなものが出てきたとしてもこの技の前には無意味、この技からは誰も逃れならない、だけど何かが引っ掛かる、そんな気がする。


 そんな事を考えているムーンの直感は見事に当たった


【流石スカルの模造品と言うべきか、動かすこともできやしない、だが・もう終わりにしよう】


〔はったりか〕


「その(わざ)(まえ)(だれ)()げれない」


【そうか】


 そう言いながら金色の鏡を作り出し、その鏡から黒い手が伸びたその瞬間ムーンの声が消えた。


「・・・(なっ、声が・・でない)・・・」


 クリフォトはムーンの拘束から解放され腕を回す。


 ムーンは何度も声を出そうとしたが声は出ることはない、いや声どころの騒ぎじゃない、ありとあらゆる音がムーンから出ていないのだ、風が体に当たる音、布と布が擦れる音、汗が滴る音や心臓の音すらムーンから出ていない。


「・・・(なんで声が消えたの、喉を潰された訳じゃない、他の音でかき消された訳でもない、なのになんで)・・・」


「なんだ、なにかおかしい」


〔不味いかもなこいつは〕


【こいつは君の天敵だな、相性最悪だ】


「・・・(あの偽物・・まさか)・・・」


 鏡の中からゆっくりとその偽物は現れた、その偽物は黒い忍者の格好をしたプロヒーロー サイレントナイト の姿をしていた、選んだ範囲のありとあらゆる音を消す能力を持ち、かつて凪と穂乃花が出た二人三脚の大会で開始の合図を消してほぼフライングみたいな状況を作り出したヒーローだ


 ムーンの能力は音を放つ力、その音が無ければムーンは何の能力もないただの少女に成り下がる。


「まずいトロス!」


〔おう テトロイトショット〕


 トロスは左腕に装着されたレーザーガンから弾丸を放つがクリフォトはその弾丸を軽くはじくと、ゆっくりと太一に近づいてくる。


【結局1人で足止めだな】


「・・・(まずい、あの子1人に戦わせる訳には)・・・」


 能力を失い地面に落ちたムーンにナイトは自分の心配をすべきだと言わんばかりに近づきその腹を思いっきり蹴る。


「・・・(ぐっ!! があ!!!)・・・」


 ムーンは激痛で口を開いて叫ぶがその音はない。


「ムーンさん!!!」


【自分の心配をすべきじゃないのか】


 クリフォトはムーンに近づかせないために手から光線を放つ。


〔まずい〕


 トロスは太一を守ろうと太一の前に立ち体をはって光線から守る、しかしその威力は物凄く一瞬でトロスの力を消耗させ元の小さなグラウストの姿まで戻し、グラウストを後ろのゴミ山へ吹き飛ばす。


「グラウスト!!」


〔いてて〕


 無傷だったトロスを一撃でグラウストに戻した、ビームの攻撃にすら耐えきったトロスを一撃で打倒した。


「くっ、てナイトマン」


 剣を握りながら走ってくるクリフォトを槍を持つ銀色の鎧を装着するナイトマンを召喚し、クリフォトの攻撃を防いだ。


【止めるか】


〔・・・〕


てアントリオンそして進化しんか


 カードから10cm程の赤いアリが飛び出すと同時に眩く光り輝き2m程に大きくなり、さらに全体的にごつくなりアリと言うよりクワガタみたいな、良く分からない虫に進化する。


 進化しヘルキャンサーとなったアントリオンは進化した瞬間に地面に穴を掘り地面に潜る。


【その場しのぎのでしかないな!!】


 ナイトマンの腹を蹴り距離を離し態勢を崩させると、隙だらけのナイトマンの体を切ろうと剣を振るおうとした瞬間右足の地面に穴が開きクリフォトは態勢を崩す。


【うおぅ】


 ヘルキャンサーのあけた穴にハマり、それを好機とみたヘルキャンサーが地面から姿を現し背後から鋭い顎でクリフォトを挟み込む、だがクリフォトはその顎を掴むとへし折り、穴から足を抜きヘルキャンサーを蹴り飛ばす。


〔ギシヤァ〕


「ヘルキャンサー!!」


〔・・・・〕


 ナイトマンが不注意に背中を見せたクリフォトを槍で突き刺すがその槍はへし折れ崩壊する。


〔!!!!〕


「そ、そんな」


 振り返りナイトマンの首を掴んで持ち上げ、足のつま先からゆっくりとその姿を鏡に変え、全身を鏡にすると地面に叩きつけて破壊する。


〔そ そんな ナイトマン が〕


「くっゴブ太 クックワドル」


〔だめだ にげよう リューター〕


進化しんか!!」


 カードから鋼棒を持った90cmゴブリンのゴブ太とただの鶏のクックワドルが現れ進化する、ゴブ太は2m程の長身で剣と盾を持つゴブリンナイトに進化し、クックワドルは3m程に巨大化しヘルメットを装着したクックビッグに進化しクリフォトに突撃する。


【哀れだ】


 その一言と同時に地面を踏んで大きな揺れを生み出し足が止まった2体に急接近し一瞬にしてバラバラにする。


「そ、そんな」


〔にげよう かてない!!〕


 太一の手札はもう尽きた、もう抵抗するすべはないと確信したクリフォトは偽物のナイトに指を振り、ナイトはボロボロのムーンを蹴り飛ばし太一の目の前に転がす。


「・・・・・・・」


「ムーンさん・・っく!!」


【驚いたなこの状況でまだ希望を持つか、だが】


 クリフォトが剣を高く上げ振り下げようとした、だがクリフォトは剣を途中で止め足元を見た。


【まだ、たつかヒーロー】


「・・・・・・・」


 クリフォトの足をムーンが掴んでいた、髪は乱れ全身がボロボロで修道服の白い部分が真っ赤に染まっていた、息が出来ていることに驚きが隠せず文字通り虫の息だ。


 足を掴むそんな行為によって何かが変わるわけじゃない、それでもムーンした何故ならこれが今できる雄一の抵抗だからだ


【なら望み通りにしてやろう】


 ムーンの首を絞め体を持ち上げる、バタバタと足を動かして抵抗するが何の意味も成してはいない。


 ゴロゴロゴロ と雷が鳴り響きクリフォトに向かって落ちるが鏡を生成し、雷は鏡の中に入り込みクリフォトには届かない。


【もう偽物を倒したのか、あの女は】


「エボ君!!」


「もう ゴミばっかで歩きにくい って・・やっば これ不味い状況じゃん」


 偽物を倒して戻ってきた凪と穂乃花は直ぐに助けようと駆け付けるがクリフォトは宙に浮く鏡から黒いヘドロのような怪物を大量に呼出し2人を妨害する。


「何なんだよ これぇ」


【さあ時間だ】


 クリフォトは手に力を込めムーンを殺そうとする、その断末魔が聞きたいのかナイトの能力を解除させる。


【ふふふはははは】


「・・・たす、けて・・お姉・さま・・・」


【はっ】


 その瞬間クリフォトは途轍もない殺気を感じ取りムーンから手を離し、急いでその場去るとムーンを中心に黒い竜巻が吹き荒れる。


「なになになになになに!!」


「黒い竜巻?」


 その竜巻が消えその竜巻の中央にムーンをお姫様抱っこで持ち上げるスケルトンが鎮座していた。


「な なにいいいい」


「なんで・・ここに」


【ほう、模造品も危機に駆け付けたかスカルキング】


 全ての魔物の始祖であり、魔物の王とも呼ばれる強大な力を持つ魔王で過去に凪達との戦いで街1つを一言で破壊した怪物、そのスカルキングが堂々と鎮座していた。


「ス、スカルキング、なんであの人が」


「マジかよ!!どうすんの あの金メッキだけでも無理ゲーなのに骨野郎も来るなんて!!」


【金…メッキ】


【・・・・・】


「ちょっとファンさん」


「え あ ご……」


「・・・ごめん、お姉さま、私・・・」


「「・・・え!?お姉さま!!」」

どうも家族旅行中の作者です、豊川稲荷に行ってくじを引いたのですが大吉でした、よっしゃあ!!と思いながら願い事のところを見たら「改めかえてすれば望事叶い喜び多し」と書いてありました。

 ……こ、これは…書籍化を諦めろと言う事なのか。


さて、今回は前回登場した大型スーパー ネクサス・ノアがどこにあるのかを話します、麻央さんのお店があるところですが、特にこれと言ったモデルはないのですが地域は決まっています。


坂多いくせに道が狭くてコンビニもトイレもない天白区になっています、過去作でスーパーの近くに墓があると明言しており、その墓が天白区に実在する墓をモデルにしているのでスーパーも天白区になっています。


なので真琴さんは歩いて1時間50分ぐらいの距離まで探しに行ったわけです、大変でしたね。

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