第160話 翼と巨影
~~~特別ステージ・会場~~~
凪達が会場から離れ、大きな揺れや怪物などに襲われた会場はピッカラ達によって守られていた。
凪達の戦いの余波が少し離れた会場にまで届いている、木が倒れ地面は割れ、割れた窓に当たった怪我人がそこら中に出ている。
さらに鏡の中から出てくる正体不明の黒い怪物が人を襲う、そんな状況の中でもピッカラ冷静に対応していた。
怪物たちは援軍で駆けつけてきたヒーローのサイレントナイト と ロックレイジに任せ、自分達は民間人の救助に準力していた。
ピッカラはマイクを握りしめ避難誘導をする。
〔皆さん落ち着いてください、冷静に〕
「じーまで大丈夫ピーちゃん」
「ねえねえ、吾輩達も逃げた方がよくない」
〔大丈夫と言いたいですが・・かなり厳しいですね翼様〕
近くの収録上でイベントに参加していたアリンの中の人の翼とメフィスは舞台裏から語りかける。
「なんああーし達に手伝えることある」
「いやいや逃げましょうよアリン先輩」
「「逃げれないだろ」「まだ安全な場所がわからない以上はここに居た方が良い」「逆にここがセーフティゾーンになってるさ」」
「・・・ごめんだけど誰、なんか女の子に膝枕してるけど」
「えーっとメフィスちゃんこの子はミスティの探偵助手の人」
「え!?まじ助手なの、本当にいるんだそんなの写真撮っていい?」
「「ああ完璧で」「無敵な」「エレガントな」「いやそこまで凄い奴じゃないさ」「普通の」「魔王だ」「あ、写真は別にいいよ」「はいちーず」「ぱしゃ」」
「なんかうける」
〔鏡の怪物はどうにかなってますし、救助も問題ありません、このままご主人様が解決してくれるのを待てば…〕
ズドーン と音が鳴り高速道路越しに2人のフリーサイズマンが大須で戦いその揺れがそこそこ離れたこの会場まで伝わって来る。
「なんあれ、なんかフリーサイズマン2人いるんだけど」
〔本当ですねどっち本物なんですかね〕
「「勝ってる方だろ」「やれ!!そのままさせ!!!」「そうだ、そのままドロップキックで決めろ」」
ビルに倒れ込むフリーサイズマンに勢いをつけたドロップキックをくらわせようとした瞬間にビルに倒れ込んだフリーサイズマン消え、フリーサイズマンはそのままビルに突っ込む。
「「おお倒した」「流石本物だぜ」「・・・あれ本物よね」」
そんな疑心を浮かべた次の瞬間、フリーはビルの残骸を握り締めながら高速道路にその残骸を投げつけた。
「・・・なあなあ本物じゃないよなあれ」
「明らかに偽物だよね」
〔まずいあいつこっちに来る〕
フリーはゆっくりと歩き出し、目の前の高速道路を破壊してピッカラ達のいる会場に向かってくる。
「「おいおいおい」「こっちきてんぞ」「来てない」「そっか」」
「きてるよ!!」
〔くっどうすれば・・〕
ピッカラは考える。
ヒーロー達は鏡の怪物に手一杯でクトゥも救助に手一杯、もし戦っても足止め出来るかどうか、だけどこのまま何もしなければあれは確実に来る、そうなればここに居る全員が危険で下手したら死人が出る。
ピーポッポの報告で他の場所も危険だし、人だかりで進めないところしかない、けどここにとどまらせて危険にさらすわけにはいかない、こうなれば少しでも時間を稼いで、逃がすしかない。
〔ピーポッポ!!〕
ピッカラは覚悟を決め弓を握る。
〔ポッポ〕
〔少しでも安全な道を探してください〕
ピッカラはマイクを握りしめると一息おいて言葉を発する、その声は優しくとても聞き取りやすく、まるで本物の天使のような誰もが安心するような声だった。
〔皆様安心など出来ないことは十分に理解しています、ですが慌てず騒がすにお聞きください〕
〔ポッポ〕
ピーポッポは急いで見つけた安全な場所とフリーは人を見ておらず大きなツリーを目指して移動していることをピッカラに伝える。
〔観覧車方向への避難をお願いします、不安なのは分かりますが落ち着いて観覧車方向への避難をお願いします〕
「何する気ピーちゃん」
〔大丈夫です、私はやるべきことをするだけです〕
そう言うとピッカラは翼を広げて空を飛び、高速道路に向かうと、こっちにくるフリーに向かって矢を放つ。
その矢は命中するもフリーにはダメージにもなっていない。
〔やはり無理か、なら〕
弓を2つに分割して2つの短剣に変えると翼を羽ばたかせて突っ込む。
飛んでくるピッカラをハエのように叩き落とそうとするフリーの手を回避し、体を回転させながらその腕を短剣で切り裂く、しかし血が流れることはなく左手でピッカラを叩こうと手を振るが、直ぐに腕の反対に回り込みフリーに見えないように背後に回り込む。
〔ダイナマイトショット〕
短剣をくっけて弓に戻すと糸を引いて爆弾が付いた5つ矢じりを首を狙って放つ。
バンバンバンバンバン
全ての矢が首に命中し首を落とすほどの爆発が首に起こる、ピッカラは息をのみ爆炎を眺めていると煙の中から手が伸び行動が少し遅れたピッカラは足を掴まれ、避難中の市民に向かって投げつける。
〔くっ〕
その勢いはすさまじくピッカラは翼を動かすことすらできずただ飛ばされるのみだった。
「危ない!!」
「きゃああああ」
小さな女の子が目を閉じ幼いながらに自分の死を悟る、周囲の大人は助けようと足を動かすも間に合うわけがない、このままだと激突する、その時クトゥが巨大な触手を伸ばしピッカラを捕まえる。
〔クトゥウ〕
〔すみません、助かりました〕
クトゥはゆっくりとピッカラを地面に降ろす。
「ありがとうたこさん」
〔クトト〕
〔もうあんな位置に〕
ピッカラの妨害があったもののフリーの足取りはそこまで変わらない、舞台から見た時は高速道路を越した位置に居たフリーが今やイベントの入口付近に居る。
このままでは避難中の市民の元に来るのも時間の問題、後2分もすればここにきてしまう。
〔はあ、はあ、はあ〕
「だいじょうぶ、てんしさん」
〔ええ、この命に変えても守り抜く〕
どうも乾燥で喉が死ぬほど痛い作者です、喋れないほどではないんですが、唾とかを飲み込む時に激痛に襲われます、どうして私の体はこんなにも弱いのでしょうか太ってるのに。
さて、今回は場所の位置関係に関して話します、個人的に話が描きやすいように実際の場所を意識しながら今回の話は書いています、その場所を意識しながら書いたおかげで物凄く書きやすかったです。
なので今回は戦っている場所がどこなのかを書いて終わりますね、ま、まぁ…ゴミだらけになったり半壊したりしてますがフィクションですので気にしないでください。
まず、凪達がイベントをしていた会場は愛知県名古屋市の栄にある、希望の広場付近です、え?噴水がある場所だよねと思った人も居るかもですがはい…そうです、話を一通り書いた後に噴水がある事に気づきました。
なんならイメージと現実がかなり違ったせいで少し変な事になっていますが…皆様は現実と少し違う地形だと思ってください、少し似ているだけです。
クリフォトが現れてゴミを撒き散らしたのが名屋大通広場です、書いてる時怒られるかなとか思いましたが、怒られるほどこの作品は伸びてないからいいかと思いはっちゃけました。
でヘンリーとフリーサイズマンが戦ってたのが大須の大津通りになります、いつも混んでるで有名な矢場とん本店がある所ですね。
それでフリーが近くの高速通りにビルを投げつけて、ピッカラと戦ったのが名古屋パルコ前で、最後に出たイベントの入り口はピラミッド噴水の所です。
なのでフリーは巨人からしたら狭いであろうパルコ南館とパルコ西館の間の道路を通ってきたわけです、今見ると変なルートを通ってんなこいつ。
まあ先程書いたように実際の地形を考えると少し変な描写があったりするのですが、あくまで私が位置関係をわかりやすくするための指標であり、かなりアバウトになっています。
なのでここの描写少し変だぞ、と思うかもしれませんが気にしないでください、あくまで大体この辺だなと思いながら書いてるだけです。
ちなみに明言はしなかったですが、67話で暫さんがホームレスとして暮らしていた場所は今回の話でフリーがビルを投げつけて破壊した高速道路の高架下です、なので暫さんが家にしてた段ボールは完全に崩壊しましたね。
確認のために読み返しましたが、後書きに左足が痛いとか書いてあって、もしかして私は常に体を壊しているのではないかと思いました。
私はもう人に向いていないのではないかと思い始めました。